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ZTEインタビュー

世界第3位を目指す中国発の総合通信メーカー


WIRELESS JAPAN 2009のZTEブース
ZTE日本法人のワン氏

 国内最大級といわれる展示会「WIRELESS JAPAN 2009」を見ると、国内の大手メーカーの出展が減少し、市況感を反映した展示状況となっている。こうした中にあって、元気がよく映っているのが海外メーカー、WIRELESS JAPANではとりわけ、中国メーカーの動きが活発な印象だ。

 ZTEは、中国国内はもとより、海外でも端末や通信インフラを提供している総合通信メーカーだ。今回、ZTE本社のモバイルブロードバンド デバイス プロダクトライン ジェネラル ディレクター チャン・ヤートン(Zhang Yadong)氏の来日に合わせて、チャン氏とZTEジャパンの代表取締役社長 ワン・ルイシェン(Wang Rui Xiang)氏に同社の事業展開などについて話を聞いた。

――ZTEは、通信システムと通信端末を供給する中国メーカーというイメージがあります。

ワン氏
 そうですね、我々はグローバル市場においてインフラから端末まで提供しており、その見方は適当ではないかと思います。昨年の実績では、インフラ事業が6割、端末が4割程度の売り上げとバランスがとれているのではないでしょうか。

 システム別に見ると、無線関連の売上げが7割、残り3割が固定網関連になります。無線方式についても、W-CDMAからGSM、EV-DO、WiMAXと展開しており、その全てにおいてアクセスから端末までカバーしています。

――日本向けの展開について教えてください。

ワン氏
 ZTEは、昨年の日本通信向けデータ通信カードを発表し、その後、IIJやウィルコム向けといくつかのデータカードを発表しました。現在、次世代高速データ通信関連では、HSPA+やLTE、WiMAXの案件に関して、日本の通信事業者と緊密な検討を行っているところです。

――中国ではPHSサービスが終了するという話もありますが、現在はどういった状況なのでしょうか? ZTEは、ウィルコムが10月にも開始する予定の無線ブロードバンドサービス「XGP」にも協力していますね。

ワン氏
 PHSの状況はそれほど深刻な状況ではありません。中国政府は2011年の年末までにPHSを終了するとしているので、あと2年半ぐらいの期間が与えられています。

 XGPについては、基本的にTDD方式の技術の1つととらえています。中国ではこれまでもTDD技術の開発を積極的に行っており、ノウハウと経験を持っています。この点は日本でも役に立つと考えています。

――日本では現在、データ通信端末のみ提供されています。ZTEの世界市場における端末の特徴、メーカーとしての特徴を教えてください。

チャン氏
 我々は通信事業者と協力し、端末のカスタマイズに柔軟に対応できることを強みとしています。自社ブランドではなく、通信事業者のブランドで製品開発しているのが特徴です。

 他社メーカーさんはそれぞれブランドをお持ちですが、我々はそういった戦略を積極的にはとっていません。通信事業者と緊密にやりとりすることで、彼らの需要をいち早くキャッチして研究開発が行えるのです。こうした戦略をとってきたことで、端末においては中国で2400件以上のパテントを持っており、国際的なパテントも170件を超えています。これは、中国メーカーとしてはダントツの数字となります。研究開発スタッフは2万人以上おり、非常に豊かな開発リソースといえるでしょう。

 通信事業者と長期的な関係を築いているのは、ZTEの品質の高さもあるでしょう。そして、品質の高さと同時にもう一つの強みはコストです。コスト削減の工夫はもちろん、中国の人件費の安さを活かしてより安いコストでより品質の高い製品の供給に成功しています。

 これまでZTEは、ローエンド市場向けの製品投入が中心となっていました。しかし、徐々にではありますが、世界のハイエンド市場にも入り込んでいます。とくにデータカードの分野では、2008年に世界で第2位まで成長してきています。今年前半までの出荷スピードはトップ争いを続けているところです。

 通信事業者のブランドとして展開する方法は、我々の強みとして今後も残していきたいと思います。ただ、ZTEブランドをやらないわけではありません。現在、自社ブランドも展開しているほか、相手のブランドとの合同ブランド製品なども投入しています。

ZTEのチャン氏

――通信事業者と協調し、通信システムも提供しているとなると技術的なメリットがかなりありそうですね。

チャン氏
 そうですね。通信システムを開発していく中で、システムに必要な性能やサービスの内容がわかるため、それをいち早く端末開発に活かし通信事業者に納入できます。これによって、通信事業者とインフラに関しても関係を深められますし、ほかの事業者に提案する際にも役立っています。

――世界的には、USBタイプやカードタイプの通信カードがこれからも伸びていくとお考えですか。それとも、パソコンなどに内蔵されるモジュールタイプが増えていくのでしょうか?

チャン氏
 我々としては、USBタイプのデータ端末の出荷を今後さらに増やしてく予定で、この分野は市場としてもさらに拡大していくでしょう。モジュール内蔵型も増えていくとは思いますが、数量としては前者ほどではないでしょう。これは消費者との関係もあります。消費者は現在、ノートパソコンをすでに所有しており、3〜4年の利用期間と考えても需要はUSBなど装着型のデータ端末だと思います。

――日本の携帯電話市場についてどう見ていますか? 先ほどハイエンド市場への端末投入という話がありましたが、これは日本にも該当する話ですか?

チャン氏
 日本の市場はまさにハイエンド市場だと考えています。とくに品質面、性能の面においても世界的にリードしています。我々メーカーは、日本市場に大変興味を持っています。ただ同時に、ハードルが高いという共通の認識もあります。

 ZTEとしては、日本市場をよく勉強し、ノウハウや知識を身につけていきながらこれから日本市場で売れる端末を展開していきたいと考えています。また、可能であれば日本のブランドメーカーなどと協力して、日本向け端末の開発も手掛けていきたいですね。

 日本市場であってもデータ通信端末については比較的技術なハードルが低く、我々自身も実力がある分野です。このため、日本の通信事業者に端末をいち早く投入できています。日本の通信事業者と協力していく場合に、Win-Winでやっていく形を築いていきたいと思います。我々だけでも事業者さんだけでもなく、双方がいっしょに利益をあげられる構造が必要です。HSPA+やWiMAX、LTE関連製品についても早く提供できるようにしたいです。

――ということは、現在付き合いのあるキャリアではなく、ほかのキャリアにも端末提供していくということでしょうか?

チャン氏
 もちろん、我々はそう願っています。

ワン氏
 日本市場については、まだまだ通信費用が高いと感じています。コストの安い我々の製品によって、日本市場に恩恵を与えられるようになりたいですね。将来的には日本の大手3キャリアにもデータ通信サービス向け端末を提供し、マーケット全体の加入者を増やしていければと思います。そういった状況になれば、日本市場全体のコストダウンにつながると期待しています。これはおそらく、エンドユーザーに対してもメリットがあることだと思います。

――今後の目標など、ZTEが目指しているところを教えてください。

チャン氏
 ZTEは、2008年の端末出荷台数において世界で第6位でした。これから3年間で生産量を1億台に拡大し、世界の第5位を目指します。そして5年後には、世界のトップ3に入れるように努力していきます。

――3番手というと、ノキア、サムスン、ZTEになると?

チャン氏
 いえいえ5年先の目標ですから(笑)、その時のランキングがどうなっているかは我々にもわかりません。ただ、ZTEは目標達成に向けてマジメに取り組んでいきます。

――本日はどうもありがとうございました。

 



(津田 啓夢)

2009/7/24 17:49


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