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「N-01B」開発者インタビュー

フレンチネイルデザインのハイスペック薄型ケータイ


 μシリーズの5代目となる「N-01B」は、美しく幻想的なイルミネーションが特徴で、女性なら一度は歩みを止めて手に取ってみたくなる仕上がりだ。ネーミングが変わってもμシリーズの精神は確実に受け継がれ、薄さの中に十分な機能を搭載し、これぞNECのケータイともいえるスタイルを着実に進化・洗練させているといった印象である。新たに「ニューロポインター」も搭載し、より使いやすさも追求している。

 今回はそんな「N-01B」のデザインへのこだわりや開発の苦労などを、NEC モバイルターミナル事業本部の商品企画部 マネージャー高須愛氏、NECデザイン&プロモーションのプロダクトデザイン部 チーフデザイナーである松本和也氏、埼玉日本電気の技術部 主任 横田真司氏、同部 柴崎浩氏、同社 端末共通開発部の田家克昭氏に伺った。

開発コンセプトは「Beauty Genius」

高須愛氏

――まずは製品の特徴について教えていただけますか。

高須氏
 今回のN-01Bは、ハイスペックなスリムスタイルケータイとして2年前に登場したN905iμから脈々と続いているシリーズの5機種目になります。今回は“見た目もキレイで中身は天才的な能力を持っている”ということで「Beauty Genius(ビューティジーニアス)」をコンセプトに企画しました。30代前半の女性を中心に、年齢も性別も幅広い方にご利用いただきたいと考えて、見た目と機能性を充実させるというところにかなり力を入れて頑張った自信作です。

 大きな特徴としては4つあります。まずは薄さですね。今回は薄さ13.4mmと、前回より0.5mmさらに薄くなりました。この薄さの中にNユーザーに人気の高い「ニューロポインター」を搭載したということが最大の特徴です。2つ目はイルミネーションですね。キーイルミネーションと、背面パネルのイルミネーションの2箇所にかなりこだわりました。3つ目ですが操作性として、デコメールを強化しています。プリインストールしているデコメの数が1360で、これらがすべて文字変換に対応しています。例えば“おはよう”と入力すると、おはように対応したものが出てきますし、「おは」と入れると、「おはよう」も、「おばけ」も、「お花」も出てくるといった形で、文字変換しやすくなっています。

 4つめの特徴ですが、Eternity PinkはSamantha Thavasaとのコラボレーションバージョンになっています。コラボレーションも3回目になりますが、本機のみで楽しめるマチキャラ「メイドのメイちゃん」などの限定コンテンツをプリインストールし、豪華なダブルチャームストラップを同梱など、独自の世界観を実現しました。また、オリジナルエアーフレッシュナーも同梱していますので、箱を開けるとふわっと優しいローズの香りが楽しめます。

 このほか、今回もマイセレクトを企画しています。

松本和也氏

――今回の背面パネルはキラキラした印象です。デザインのこだわりを教えてください。

松本氏
 ケータイは、使いやすさや見やすさに注力することが多いと思いますが、ユーザーの方が使用している時に人から見られることも考え、“見られて美しいケータイ”というのをキーワードにデザインしています。

 その中でも特にユーザーとなる女性が、個性をいかに演出しているか、美しさをどこで見せているかを考えたときに、そのアイテムの一つとして上げられるのが「ネイルアート」だと思いましたそこに着目して、デザインのエッセンスとして取り入れました。単なる普通のネイルではなく、上品でさりげない「フレンチネイル」をモチーフにデザインしています。

――ネイルのデザインはさまざまなので、このデザインに落ち着くまで大変だったのではないでしょうか。

高須氏
 すごい数のパターンを試作しました。この上品な質感を出すために微妙な違いをいろいろ乗せて、クールなデザインからやわらかいイメージのデザインなど、かなりのパターンを試行錯誤しようやくたどり着いたという感じです。

松本氏
 例えば1カラーに対してはもう5〜6パターン、チップ(先端部)の色についても更に5〜6色パターン作って組み合わせたりしました。

――フレンチネイルデザインということですが、男性の利用も想定しているのでしょうか?

松本氏
 全てが女性に特化しているわけではありません。ラインナップの中にあるProud BlueとProspect Blackの2色は特に男性ターゲットにデザインしたもので、あまりネイルイメージが強くでないような仕上げにしています。パッと見はほんのりグラデーションの効いたブルーになっていますが、よく目を凝らせばラピスラズリのような輝きを放っており、非常に高級な仕上がりになっているのではないかと思います。

――ヒンジ部分がかなり目立たないデザインになっていますね。

松本氏
 N900iで「アークライン」という言葉を用いて、背面の美しいS字カーブを実現しました。NECの伝統として、今回の薄型でも「アークライン」を採用しています。NECのケータイは、基本的にはバックビュー(背面)を非常に大事にデザインしています。

 バックビューを大事にしたデザインは分厚いものだとすごく作りやすいのですが、本体の薄さを求められる機種だとネックになってしまう。そこを今回は部品のレイアウトを最適化して、綺麗なバックビューラインを出すことができ、端末全体を美しく見せるポイントとなっています。

キーのラインが幻想的に輝くキーイルミネーションを実現

柴崎浩氏

――キーイルミネーションも今回はまたちょっと違う光り方をしているようですが、どんな工夫をされたんでしょうか。

柴崎氏
 光というのは、光源から近ければ近いほど広がりにくいので、どうしてもLEDそのものの光になりやすいということがあります。そこで光をたくさん拡散させる工夫に注力しました。なので、端末が薄い中でもきれいな光の拡散がお楽しみいただけると思います。

松本氏
 従来機は、キーシートの下にLEDがあって、その部分が光ってますという感じですが、N-01Bは、キーとキーの間の隙間に光が走るような、ライン的に見えるイメージを目指しました。イルミネーションにおける進化の部分でもあります。

――たしかに従来機は、キーの間に光源がある感じでしたが、今回はキーのラインにそって光が浮かび上がっていますね。

横田氏
 従来機は、キーシートのボタンの上下部分が光っているように見えると思いますが、キーシートの文字が読みづらい、という意見がありました。N-01Bでは、先ほど柴崎が話したような工夫をすることによって、キーシートの文字も見やすくしています。

――その分キーの面積も大きくなってますね。

松本氏
 押しやすくなって操作性も向上しました。

N-08A(左)とN-01B(右)

――色によって表現の難しさがあるのでしょうか。

横田氏
 やはり中間色は難しいですね。その中でも特にEternity Pinkのピンクを綺麗な色に光らせるというのは本当に難しかったです。

田家克昭氏

――背面のイルミネーションもカラーによって違いますね。このあたりでこだわられた点は?

田家氏
 N-01Bでは、制御しているドライバを変更しました。技術的にはN703iμのマイシグナルと同じ技術を使用していますが、キーイルミに最適な制御ドライバを選定しています。

 メリットとしては、1点は制御ドライバの面積を小さくすることができました。基板を乗せる面積はほんの数ミリですが、小さくしたことによって薄型化にも貢献できたと思っています。同時に制御方法の見直しも行い、待受時間、待受時の消費電流を削減することに成功しました。ユーザーの方にもキーイルミを従来機に比較してもより長く楽しんでいただけるようになったと思います。

――消費電流を落とせたということは、ケータイの利用時間が長くなると考えてよろしいですか?

田家氏
 そうですね。従来機より少し使用時間が伸びているので、同じように使用いただければ、イルミネーションを長く光らせることができるということになります。

高須氏
 イルミネーションですが、綺麗といわれる一方で必ず聞かれるのが「電池大丈夫なの?」というところだったのですが、そこを改善できたかと思います。

ユーザーの熱い要望に応えて「ニューロポインター」を搭載

横田真司氏

――薄型化する一方で、今回のモデルで「機能的にここは外せなかった!」という部分はありますか?

高須氏
 機能でいうと「ニューロポインター」ですね。これは開発当初から「絶対ニューロポインターは入れてくれ」という話をさせてもらいました。薄さを従来機のベースのままで搭載したので相当苦労しました。

横田氏
 ニューロポインターというのは本当に大きな塊でして、このフォルムの中に入れるというのは到底できるものではないと思っていましたが、どうしても搭載して欲しいというユーザーのご要望が多く、検討を始めて、試行錯誤の苦労の末、搭載することができました。見た目はほとんど変わらないのですが、従来機のニューロポインターとは構成を変えています。

――デバイスとしてニューロポインターが求められた理由を教えてください。

高須氏
 やはり以前から弊社のケータイをご利用いただいているユーザーさんの声ですね。これまでニューロポインターを愛用していたのに、μスタイルにしたとたん搭載されてなかったと。端末自体は気に入っていただいたのに、ニューロポインターが搭載されてないので購入を止めたというお声をたくさんいただておりました。販売店のスタッフの方からも多くご指摘いただきましたので、やはりどうしても搭載しなければと考え、実現に至りました。

――最近ではタッチパネルを搭載する端末も増えていますが。

高須氏
 タッチパネルとニューロポインターでは全然種類の違うデバイスなので、どちらがいいかとは一概には言えないと思います。ニューロポインターのいいところとしては、爪の長い方でも指の腹で選びたいものを直感的に操作できるということなんですね。例えばデコメや文字変換など、日常的によく使うようなシーンで活躍することが多いと思いますので、ニーズとしては非常に高いと思っています。

カメラ機能は撮りやすさと使用感を追求

――N-01Bでは8メガのカメラを選択されました。御社の他機種では12メガのカメラを搭載するモデルもありますよね。

高須氏
 そうですね。確かに画素数を重視して買われる方もいらっしゃると思いますが、薄くてスタイリッシュなデザインという点を重視される方には、8メガというのは安心してご利用いただけるスペックだと考えています。素早い撮影が可能な「クイックショット」や「美肌モード」を搭載することで、単純に画素数だけではなくて使いやすさや機能を向上させることに注力していますので、通常の使い方でケータイのカメラを使っていただく分には必要十分な機能になっていると考えています。

――「クイックショット」ですが、N-02Bでは12メガで1.5秒で、8メガでは1.2秒で撮れるとか。N-01Bでも同等なのでしょうか?

田家氏
 背面LEDの制御を見直しするなど工夫をこらし同等レベルを維持しています。

今後はWi-Fiも?

――内蔵コンテンツで新しくなった点はありますか?

高須氏
 実はNECOというキャラクタが新しくプリインストールされています。ケータイを開く度に待受画面が変わり、ネコがいろんな動きをします。動きと背景を合わせると全部で100パターンはあり、壮大なストーリーがかくされています。今までのものには、なかったこだわりと、統一感がでていると思うのでぜひお楽しみいただければと思います。ちなみにNECにOをつけて「NECO」(ネコ)なんです。

――なるほど、そういうことですか(笑)。

高須氏
 今回は本当にプリインストールコンテンツにもかなり力が入っています。カラーバリエーションごとのコンテンツや、待受画面に使っている写真の一つ一つにもかなりこだわりました。クリスマスになるとクリスマスツリーが出て来たり、季節のお楽しみというのも入っています。

――かなり薄くなっていますが、今後このシリーズでのカメラの画素数UPやWi-Fi、新機能などの搭載も視野に入っているのでしょうか?

横田氏
 実装の面でもかなり窮屈な状態になっているのは確かですね。

高須氏
 Wi-Fiについては、ニーズがもっと高くなってくることを期待したいですね。

柴崎氏
 実際に開発するときは先に機能と薄さが決まって、あとはその中に入れて行こうという発想なんですね。でないと中々薄くなっていかないので。ですから実際やってみたらうまくいかないということも多いんです(笑)。キーやニューロポインター部分の作り込みには本当に苦労しました。しかし操作感にすごくこだわりたいという思いがあり、薄型と操作感との両立は絶対に実現したい部分だったので、チャレンジ精神でがんばりました。

田家氏
 背面のイルミネーションもキーに負けないくらいのエレガントさをうまく出させたかと思っています。自分らしさをアピールできるいい光りになってると思いますので、ぜひ楽しでいただけたらと思います。今N-01Bは単色なので、今後はRGBにもチャレンジしてみたいですね。

 実は開発部門というのは、もともとデザイナーが制作している部分にあまり口出しはしなかったんです。しかしデバイスのドライバ制御を一番理解しているのは開発なので、意見をドンドン出し、その結果ここまで綺麗に光らせることができたと思っています。今後もいい製品を作るために、意見を出していきたいと思います。

柴崎氏
 部門を超えて力を合わせられるので、今は非常にいい環境だと思っています。これからもそうやって商品力を高めていけたらと考えています。

――本日はどうもありがとうございました。



(すずまり)

2010/1/26 12:21


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