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「HONEY BEE 4」開発者インタビュー

みずみずしい輪切りのフルーツをイメージ


 その雑貨っぽい、ポップなテイストから、女子高生などの若年層に人気のHONEY BEEシリーズ。2010年12月には、新しくフルーツをモチーフにデザインされた第4弾の「HONEY BEE 4」が登場した。「HONEY BEE 4」は、サイズや雑貨っぽさはそのままに、従来のデザインにない透明感などがプラスされており、さらにムービー撮影にも対応したという。そこでデザインコンセプトや改良点などを、京セラの通信機器関連事業本部 マーケティング部 販促促進1課 プロモーション2係の宮坂俊至氏、岩田浩嗣氏、同事業部デザインセンター デザイン3課 デザイン1係の光永直喜氏に伺った。

――今回の「HONEY BEE 4」は透明感加わって、ちょっと新しいテイストですね。コンセプトを教えてください。

宮坂氏
 今回のモデルは、HONEY BEEシリーズとしては4代目です。HONEY BEEという端末は、もともとケータイを2台持ちする人の、2台目モデルのイメージとして開発した製品なので、1台目にするにはインパクトが強いけれど、2台目だったら楽しく受け入れられるデザインとカラーをコンセプトに、ケータイではなかなか真似のできない楽しい世界観を狙いました。

 歴代のHONEY BEEを振り返りますと、初号機はシンプルストレートということで、サイズやカラーバリエーションの部分でインパクトのある存在感を提供しました。HONEY BEE 2は、機能的には従来のサイズの中に、新たにカメラを搭載し、デザイン面では、パチンコ台の装飾に使うラメをウィンドウ周りにワンポイントとしてあしらうなど、楽しさをとり入れられたと思います。HONEY BEE 3はボディーカラーに蛍光色を取り入れ、機能についても自分撮りができるインカメラの搭載に挑戦しました。そして今回の最新モデルでは、何かしらのインパクトを与えたいと考えまして、試行錯誤の結果、“みずみずしさ”を取り入れてみました。

――みずみずしいという点で、一見防水にも見えるんですが、防水ではないですよね。HONEY BEEで防水は難しいのでしょうか。

宮坂俊至氏

宮坂氏
 ニーズがあることは理解しています。ただ、HONEY BEEのサイズも大きなセールスポイントの1つなので、サイズの問題ですね。

――HONEY BEEシリーズを購入されているユーザー層は若い世代だと思いますが、実際の売れ方としてはいかがでしょうか。今回、ウィルコムは新プランの「だれとでも定額」と組み合わせることで、結構年配の方にも向いているのではないかという印象を持ちました。

岩田氏
 現段階ではこれまでと変わらず、10代、20代前半のお客様が多いようですが、「だれとでも定額」をきっかけにウィルコムに加入される年配の方にも、特にホワイトとブラックなどは違和感なくお使いいただけるようなデザインに仕上げています。

――発売されてからしばらく経ちますが、人気色はどれでしょうか。

岩田氏
 「ピーチピンク」が売れていると聞いています。次に「シトラス」でしょうか。「ラズベリーピンク」はHONEY BEEシリーズでは好評のカラーなので、それの引きが強いかと思っていたのですが、意外に「シトラス」が健闘しています。「HONEY BEE 4」自体の男女比もおおよそ半分半分くらいですね。

光永氏
 デザインとしては、今までピンクは“濃いピンク”を出してきたんですが、今市場の流れとして、ちょっと薄いほうにシフトしているという気がしていますね。「シトラス」「ブラック」「ホワイト」は、割と男性にもウケているようで、先日店頭に行ってみたら、ウィルコムのショップのお姉さんにお勧めされました(笑)。「シトラス」は正直、見せ色的な要素も強かったので、一番人気がなくても仕方ないかなと思っていましたが、非常に注目されているようで驚いてます。

HONEY BEE 3からの進化点

歴代のHONEY BEEシリーズ

――HONEY BEE 3から進化しているのはどの辺りでしょうか。

宮坂氏
 ハードウェアの面では、CPUの機能を向上させておりますので、理論値でいえば、従来のHONEY BEE 3の2倍の処理速度になっています。

 ソフト的な面では、Flash対応になったことで、キャラクターのハチの表現力が向上しました。また、メールが来たときに内容を読み取って、その感情を8つのパターンで表現するという「エモーションメッセージ」にも対応しました。このほか、京セラの端末で好評の「すぐ文字」機能に対応しました。音声通話にもこだわっているので、「しっかリンク」もサポートしています。

岩田氏
 「すぐ文字」は、弊社の他キャリア向けの端末では、以前から搭載してご好評いただいている機能です。待受画面から直接文字が打てます。さらに17もの機能/コンテンツと連携しています。

 たとえば難しい漢字調べるとき、通常ならメールを開いたり、メニューからメモ帳を開いて、ようやく入力画面に辿り着ける。「すぐ文字」なら、待受状態でテンキーを打つと、そのまま文字として表示されます。漢字チェック機能を連動すれば、文字を大きくして見ることができます。「渋谷 新宿」と入力してからNAVITIMEと連携させると、出発渋谷、到着新宿と認識されて、乗換検索になります。最小限の手数で文字が打てるので、使い出すと結構便利です。今回ターゲットを考慮して、Twitterやmixiにも対応しています。

 それから、今回から、ムービー撮影機能が追加されています。コミュニケーションを求めるモデルですので、ただムービーを撮るだけじゃなくて、インカメラを使って自分で撮って、ムービーメッセージを作って、それを友達に送るという、新しいコミュニケーションになれば、と思っています。

――確かにTwitterなどは、待受画面からすぐつぶやけたほうが便利ですよね。

光永直喜氏

光永氏
 そうなんですよね。たとえばスマートフォンの場合、アプリを起動して初めて入力できる。それに比べればかなり早いと思いますので、「HONEY BEE 4」との2台持ちには大きな意味が出てくるかなと思います。

――音楽系の機能としてMP3に対応されたそうですが、どのように転送するのでしょう。専用ソフトなどを用意されたのでしょうか。著作権管理面も気になります。

宮坂氏
 厳密に申しますと、Webサイトからのデータのダウンロードに関しては非対応で、お客様が自分のCDをMP3に変換したもののみ設定できます。特に専用ソフトは用意していません。書き込みについては、USBケーブルでパソコンとつなぎデータを移動する必要があります。

――保存容量としてはかなり控えめですが、その辺りは今後拡張も検討されるのでしょうか。

宮坂氏
 今回、データフォルダ自体は70MB、ストレージで18MB分を用意しました。2台目用途が多いモデルとして、どこまで大容量を求めるのか? とも思いますので、これでお客様の反応を見てみたいなと思っております。

Flashに対応し、ハチの動きが滑らかに進化

――Flashに対応した理由を教えてください。

宮坂氏
 これまでも、我々のハチのキャラクターは、ビットマップでパラパラという形ではありましたが、なかなかかわいくできていたとは思います。さらにできるだけリッチな表現にしたいのでFLASHに対応しました。

――ハチのためなんですね(笑)。Flashというと、今ソーシャルゲームでよく使われる例が多いですが、そういった狙いはないですか?

宮坂氏
 ゲームについては第一義ではありません。単純に、このハチのキャラクターをどのように面白くみせようか、といったところが第一義ですね。今回のFlash対応によって、ハチが進化して、動きがよりなめらかに、元気になりました。

――アニメーションにストーリーはあるんですか?

岩田氏
 パターンとしては全部で5種類ですね。フルーツのイメージのFlashと、ディスコのイメージ、シンプルなタイプ、コミック調のものと、フルーツ畑を飛んでるという5つを用意しています。

――女王蜂とか、隠れキャラが用意されていたりはしませんか。

岩田浩嗣氏

岩田氏
 隠れキャラはいないんですが、今回からハチ自体が進化しています。これまでのハチと比べると、ちょっと光沢があって3Dっぽく進化しています。ちょっと怒っていたり、ヤンキー風など、キャラクターをいくつか用意しています。ただ女王蜂は今回はいないです。いずれは……(笑)。

――アニメーションが多くなると、電池の持ちが心配になったりしませんか。

宮坂氏
 携帯電話と比べてPHSは、待受時間、通話時間は非常に長いのが特徴です。1日1回か、2日に1回、しっかり充電していただければ、特にFlashによって電池が食われて困るといった話はないかなと思います。実際、待受や通話時間が短くて使い物にならないという話も聞いたことがないです。

フルーツっぽさにこだわり

――デザインでのこだわりを教えてください。

光永氏
 HONEY BEEは、デザインへのこだわりが非常に大きな商品だと思います。初代では色味に重点をおき、雑貨っぽさを演出しながら、市場になかったポップな多色展開をしました。HONEY BEE 2でラメを入れて、HONEY BEE 3で蛍光樹脂を採用するなどして、これまで質感を強く表現しながら、新しさを出してきました。

 今回特にこだわった点は、単に質感を変えるだけでなく、パッと見て、何かに似ているという点ですね。これまで通りの雑貨っぽさは大切なんですが、「○○みたい」をプラスするということで、初期の段階から「フルーツ」というコンセプトでずっと進めました。

 「フルーツ」をテーマにしたことによって、質感としては透明感やみずみずしさ、色味としても非常に鮮やかな色が出せますから、一目見てかわいいと思ってもらえるものができるのではと考えました。

――どのようにして「フルーツ」にたどり着いたんでしょうか。

光永氏
 単に色だけだと、もう新しさはないんじゃないかなというわけで、HONEY BEEの使われ方が、たとえば女子高生などが、ワイワイみんなで楽しく使う、コミュニケーションがメインなので、楽しく使えるという点を、何か後押しできるキーワードはないかと考えました。

 そこで最初は「ひとかけら」「複数人でのコミュニケーション」などが挙げられました。「ひとかけら」というのは、何かのひとかけら、みたいなところからスタートして、みんなでひとかけらを合わせて1つにするとか、一緒に持っているとかそんなイメージですね。ひとかけらのクッキーでもいいですし、ワイワイ分け合うとか、合わせると1つになるとか、ちょっと難しいかもしれませんが、そんな思いを入れようということで。

 そんなキーワードをもとに、最後に浮かんだのが「輪切りのフルーツ」でした。輪切りのフルーツなら、「輪切りにして、分け合って、ワイワイ楽しくやろうよ」というコンセプトが入れられますし、かわいさやみずみずしさ、カラフルさ、そして透明感が出せます。結局いろいろ複合的に考えて、フルーツが相応しいということになりました。

 その「フルーツらしさ」は、いくつか、具体的にデザインにも反映されています。1つは輪切りですね。まさにこの「オレンジ」を見ていただければ分かるんですが、外側のちょっと濃いところが外の皮で、内側の、ちょっとグラフィックが入っている白っぽいライン、これは渋皮になります。

――柑橘系の渋皮を表現した端末っていうのも珍しいですね(笑)。

光永氏
 ただ、いかにも輪切りのフルーツになりました、というそのままでは逆効果なので、機器としての完成度はキープするというところで、そのバランスに非常に注力して仕上げています。

 最もこだわったのが、みずみずしさの表現です。印刷のパールでギラギラさせてるというのもあるんですが、通常であれば印刷だけで表現する部分を、樹脂にも色をつけて、より奥行きのある透明感を表現してみました。キーなんかは、厚みがあると透明感や色の深みが出るんです。普通、キーは厚さ1mmくらいですが、この端末は最大で3mmくらいの厚みを持たせました。今どきのケータイではありえない厚みですが、キーを階段状に配置し、凸量出すことで、みずみずしさと透明感を表現しつつ、ちょっとフルーツの飴みたいであったり、アイスロックみたいな感じを出し、さらに押しやすさにも配慮できたと思います。ストレート型だからできたことですね。ちなみに、キー上の凹凸のあるエンボス文字はHONEY BEEのアイデンティティとして、踏襲していきたいところです。

――それぞれの端末は具体的にベースとなっているフルーツはあるんでしょうか。「ブラック」や「ホワイト」は何をイメージしていますか。

光永氏
 「オレンジ」は誰が見てもオレンジですね。「ピーチピンク」はピーチ、「ラズペリーピンク」はラズベリーです。

 「ブラック」はピオーネのような黒い葡萄をイメージしています。ですので、要所要所で紫っぽい、赤みのある色を入れたりしています。

 「ホワイト」は梨ですね。ボディーカラーは白なんですが、洋梨をイメージしていただければ(笑)。こちらも緑っぽい色を入れたりして、梨の皮を表現しています。

 「シトラス」は、具体的に何というわけではないんです。店頭ではキウイなんて言われたりもするんですが、実は柑橘系のライムとか、レモンとか、ちょっと酸っぱい色を感じるような、フルーツに仕上げています。ブルーが入っているので、パッと見、南国のフルーツっぽい印象もありますね。

カメラ機能を楽しめる面白いアプリを強化

――HONEY BEE 3からインカメラを搭載しましたが、今回も継続されています。ユーザーの反応がよかったということでしょうか。

宮坂氏
 そうなんです。HONEY BEE 2ができあがってから、女子高生や女子大生を対象に調査を行ったのですが、特に女子高生の間から、自分で自分を撮るのに、なんでインカメラがないの、というお話がありまして、そういうニーズがあるんだと分かりました。インカメラを搭載してせっかく撮るのであれば、自分だけでは面白くないので、友達もみんな入ったほうがいいよね、ということで、アウトカメラとは別に、超広角仕様にしたというのがこだわりです。今回もそれは踏襲しています。

――2台目だからというのもあると思うのですが、30万画素というのはちょっと物足りないかな、という印象がありますが、それについてはどう見ていらっしゃいますか。

宮坂氏
 確かに2台目前提という話で30万画素なのですが、調べたところ、出力を目的とした使われ方は案外少ないんですよね。あくまでも、この画面の中でクローズした楽しみ方がメインなのかなと思っています。ですので、今の画素数で、遊びカメラみたいなスタイルで十分なのかな、と思います。

岩田氏
 遊びということで、カメラの画素数は控えめですが、撮った写真の編集機能にはこだわっています。HONEY BEE 3から「どこでもコラージュ」と「パシャ文字カード」という機能を入れているのですが、今回新たに「かおコラージュ」という機能も搭載しました。

 「どこでもコラージュ」は、アウトカメラで撮った写真と、インカメラで撮った自分などの写真を合成することによって、現実ではあり得ないシチュエーションの写真を作ることができる機能です。

 「パシャ文字カード」は、自分で書いた手書きの文字をアウトカメラで撮って、その後、背景になる写真を撮り、両方を合成して、文字入りのフォトカードができる機能です。取り込んだ文字の色は変えられるので、アレンジして、メッセージフォトを作って友達に送ったりして楽しめます。

 新たに搭載した「かおコラージュ」は、人物の写真に用意された専用パーツを合成して、面白い顔を作れる機能です。

――やはり端末の中だけで楽しむというよりは、作ったデータを人に送って欲しいということですよね。

岩田氏
 高校生は友達の顔写真をいじって遊んだりするようですし。「パシャ文字カード」は顔文字や絵も描けば取り込めるので、そういうもので楽しんでもらえるんじゃないかと思っています。

宮坂氏
 女子高生向けの雑誌など見ていると、変顔とかやってるんですよね。普段はカワイイけど、こんな顔もできるんだよ、といったギャップを楽しんでるところもあるので、そういうのを見ていると、HONEY BEE 4でも楽しく遊んでもらえるんじゃないかなと思いまして、こういう機能を用意しました。

――女子高生向けの雑誌を、結構まじめに研究されてるんですね(笑)。

宮坂氏
 はい、研究していますね。参考文献なので(笑)。なかなかこういう機能って、理屈じゃない世界なので、社内的にも「こういうのをみんなやっています」と見せると、「ほうほう、そうか」となります。数値じゃない世界ですから。

――HONEY BEEの中で、女子高生に一番ウケてる機能ってなんでしょう。

岩田氏
 雑誌では、「どこでもコラージュ」を使われているのを見たことがありますね。あとは、自分の好きな読者モデルの写真をとって、自分の顔を合成して楽しんでいるというのは聞いたことがあります。

宮坂氏
 好評といいますか、お店で興味を持っていただける機能という点では、やはり「どこでもコラージュ」が評判はいいですね。

――背景のないところで自分を撮って、自動的に切り抜きみたいな感じになるんですか?

岩田氏
 自動検出ではなくて、切り抜き用の枠がいくつか決まっているんですよ。この中に収まってくださいね、みたいな枠があります。インジケーターみたいなものが用意されているので、それを自分で設定していただく形になります。

――あまり太っていると枠に入らないとか、そういうことはないんですか?

宮坂氏
 それはないです(笑)。

――「パシャ文字カード」は、白い紙に書いたものを撮っていくということですが、撮り足しは可能ですか。

岩田氏
 できます。撮ったら自動的に文字の部分を切り抜いてくれるので。あとでその文字の部分は色が変更できるんですね。それを一旦データフォルダに保存して、次にデータフォルダからそのデータを呼び出して、どんどん合成できます。

――「かおコラージュ」のパーツは今後強化される予定はありますか?

宮坂氏
 これ自体が1つのアプリになってしまっているので、追加のダウンロードはできないですね。好評であれば、次のモデルでパーツを増やすなどは考えたいなと思っています。

――HONEY BEEは2台目とおっしゃいましたが、最近スマートフォンが流行ってます。やはりそういうものを意識されているところはあるんでしょうか。

宮坂氏
 そうですね。Webへのアクセスなどにはスマートフォンを使っていただき、通話はHONEY BEE 4というのはお勧めの組み合わせですね。ウィルコムの「だれとでも定額」もありますし、うまく使い分けして、そういうパターンにしっかりはまってきて欲しいなというのはあります。

――最後に一言メッセージをお願いします。

宮坂氏
 おかげさまでHONEY BEE も4代目まで来ることができました。これからもずっと続けていきたいなと思っています。たとえば、お父さんお母さんの世代がHONEY BEE使っていて、そのお嬢さんもHONEY BEEを使って、親の世代が「私も昔使ったわ」というような、そんな脈々と続くモデルに育てていきたいなと思います。

光永氏
 デザイナーとしては、フルーツっぽい透明感、みずみずしいところ、カワイイところが伝わるととても満足です。キラキラしたみずみずしい質感はカタログでは伝わりにくい部分もありますので、店頭で直接見ていただけると嬉しいですね。

岩田氏
 HONEY BEEの根底のコンセプトっていうのは、つながるためのハッピーグッズなです。人と人とのつながりの楽しさ、喜び、コミュニケーション、そこはしっかり作っていきたいなと思っています。おしゃべり好きな若年層のコミュニケーションの活性化につなげていきたいです。

――本日はどうもありがとうございました。



(すずまり)

2011/1/14 12:50