「Optimus Pad」インタビュー

日本初のAndroid 3.0タブレットの魅力


 NTTドコモの新端末として、LG製タブレット「Optimus Pad L-06C」が発売された。8.9インチディスプレイのタブレットデバイスで、ソフトウェアプラットフォームにはAndroid 3.0を採用したモデルだ。LGエレクトロニクス・ジャパン広報の金東建氏に、その特徴などを聞いた。

日本初のAndroid 3.0デバイス

 Android 3.0は、“Honeycomb(ハニカム)”というコードネームで開発されている段階から、グーグルが「タブレット向け」と位置付けてきたAndroidの最新バージョンだ。スマートフォンよりも画面サイズが大きな点を活かし、新たなユーザーインターフェイスを採用し、これまでスマートフォンで採用されてきたAndroidとは異なる趣きに仕上げられている。

 そんなAndroid 3.0を採用したモデルとして、初めて日本市場に登場したのが「Optimus Pad」だ。その特徴として金氏は「日本初のAndroid 3.0デバイス」「エンターテイメント性重視」の2点を挙げる。

 Optimus Padが発表されたのは、2月にスペインで開催された展示会「Mobile World Congress」でのこと。そしてNTTドコモの発表会が開催されたのは、スペインでの発表から約10日後だ。海外で発表されたモデルが日本で発売される、という流れ自体はこれまでにもあったが、ここまでスピーディに進められたのは過去に例がない。しかも、ある程度こなれたソフトウェアではなく、最新のAndroid 3.0だった、という点は、グーグルとの協力関係に加えて、ドコモとの関係が強化されていることの証で、LG自身が日本市場に対してさらに注力していることを示していると言える。金氏も「日本のユーザーのために、日本市場へ(従来以上に)対応できる体制になってきた」と語る。

LGの金氏

 Android 3.0を搭載するOptimus Padのユーザーインターフェイスは、LG独自色は加えられておらず、いわば“素の状態”だ。スマートフォンではメーカーごとに、オリジナルのホームアプリ、ユーザーインターフェイスが採用されることもあることに比べれば、日本で発売される「Optimus Pad」はグローバルモデルと同等となる。このあたりの事情は、タブレットというジャンルが背景にあると金氏は推測する。パソコンでは国が違えども同じソフトウェアを用いており、スマートフォンよりもパソコンに近いタブレットは、そうした考え方と親和性が高い、と見なせる。

 

エンターテイメント性を重視

 一方のエンターテイメント性はどうか。たとえばディスプレイ1つとっても、その思想が背景にある。そのサイズが9インチちょうどではなく、8.9インチになったのは、HD動画でよく採用されるサイズ比率「16:9」をほぼ実現するため。動画を観るときも画面にぴったりあわせて再生できる。

 チップセットもNVIDIAの「Tegra 2」で、1GHz駆動のデュアルコアCPUもあって、動画に限らず、ゲームなどもスムーズに動作することは特徴の1つだろう。

 スピーカーは3つ搭載されており、「モーションセンサーと連動する」(金氏)こともエンターテイメント性を踏まえたユニークな機能の1つ。一方の側面にはスピーカーが1つ、もう一方の側面にはスピーカーが2つ、と左右非対称でスピーカーが配されている。たとえば動画を再生するとき、どのスピーカーが鳴るのか。横長画面であれば左右、縦長画面であれば、2つ並ぶスピーカーだけ鳴って、1つだけ配された面のほうは鳴らない。間隔の差はあるが、左右から音が聞こえるよう、配慮された結果だという。

 このほか、「LG World」という名称のコンテンツ配信サービスも用意される。こちらでは「Optimus Pad」で利用できる無料コンテンツとして、アプリや動画が用意される。オプションのレザーケースは、持ち歩きに便利なよう用意されたもので日本独自のアイテムだ。「Optimus Pad」を立て掛けて利用できるようになっている。

 ユーザーとして、最も気になる点の1つは、今後のサポート体制だろう。特にスマートフォンではソフトウェアのバージョンアップがたびたび行われ、そのたび新機能が追加される、ということが多い。この点について金氏は「あわせてやっていきたい。使っていただく方には、誠意を持って対応しなければ」と語る。将来のことについて断言するのは、ソフトウェアバージョンアップに限らず、難しいことだが、LGとしては、ユーザーが望み、そうしたトレンドが続く以上はそうした状況に対応していく姿勢のようだ。

 



(関口 聖)

2011/4/6 11:06