インタビュー

「VAIO Phone Biz」開発者インタビュー

機能や品質、アンテナまでこだわったWindowsスマホ

VAIO Phone Biz

 VAIOは、4月にWindows 10 Mobile搭載のスマートフォン「VAIO Phone Biz」を発売する。

 「VAIOのWindowsスマートフォン」というだけでなく、アルミ削り出しボディやContinuum対応、NTTドコモの相互接続性試験対応によるネットワークの最適化など、多数のユニークな特徴がある端末だ。

 名前の通りビジネス用途向けで、コンシューマーをメインターゲットにする商品というわけではないが、個人での購入も可能な製品だ。開発や法人向け販売にはNTTドコモが関わっているが、SIMロックフリー端末としてVAIOストアや量販店などのオープンマーケットでも販売される。

 今回はこのVAIO Phone Bizについて、VAIO株式会社の商品企画部 商品企画担当の岩井剛氏、ビジネスユニット2兼事業企画室兼商品企画部 ダイレクターの林文祥氏、ビジネスユニット2 チーフセールスエンジニアの戸國英器氏にお話を伺った。なお、インタビューはVAIOの東京オフィスで行ったが、戸國氏は発売に向けた大詰めの作業で出張中だったため、長野県安曇野市にあるVAIO本社からテレビ会議で参加いただいている。

最初はOSを何にするか決めていなかった

VAIO株式会社 商品企画部 商品企画担当の岩井剛氏

――今までは「VAIOブランド=PC」というイメージでしたが、なぜスマートフォン事業に参入されたのでしょうか。

岩井氏
 VAIOとしては新しいビジネスの柱を立ち上げる必要がありました。昔のケータイとPCに比べると、今のスマホとPCは中身が近いものになっています。また、Windows 10 Mobileを搭載することで、PCの世界をスマホに広げられます。私たちとしては、スマホを全く新しい事業というよりは、常に持ち歩いて、立ったままでも使えるコンピューターという認識でとらえています。

――スマホ以外にもタブレットなどのスマート機器がありますが、そちらではなくスマホにした狙いは?

岩井氏
 マーケット的に大きいところで、今までのVAIOの資産や経験を活かして参入してビジネスができる環境だと思っています。もちろん他を考えていないわけではなく、どういったものができるかを考えてもいます。広い意味での新規事業としては、すでにご案内の通り、ロボットなどの受託生産、設計サポート、スタートアップ企業の支援を含め、幅広く展開しようとしています。

――VAIO Phone Bizはいつ頃から製品の企画を開始されたのですか?

岩井氏
 昨年(2015年)の春ぐらいからです。

――かなりのハイペースで開発されたのですね。企画段階からAndroidではなくWindows 10 Mobile搭載を決めていたのでしょうか。

岩井氏
 最初はOSを何にするかは決めていませんでした。今のSnapdragonプラットフォームであれば、どちらのOSでも作れます。企画が固まってきたタイミングで、マイクロソフトの開発者向け会議のBuildで「Continuum」が発表され、それがPCの世界からの視点で決定打になるかも、というところで、Windows 10 Mobileに固まりました。

Continuum機能

――企画開発中にContinuumが出てきて、それが魅力的だったから、ということでしょうか。

林氏
 そうです。Continuumがまだ完全にPCの代わりにならないことは認識していますが、しかし、PCの世界が将来こういった方向に進化するだろうな、というのを感じました。PCメーカーの我々としては、その流れをいち早く掴むべく決断しました。

 まず、Continuumを実現するための仕様から、チップセットを選定しました。この機種はODMパートナーに設計・製造の委託をしているのですが、とはいえ、全体像をこちらから示さないとモノは作れません。そこで、チップセットベンダーであるクアルコム、マイクロソフト、ODMパートナーと弊社の4社で、昨年春頃に共同キックオフを行いました。一緒に作っていこう、と。もちろん弊社が主導しますが、仕様を決めてすぐに設計に取りかかりました。

――採用されているSnapdragon 617のContinuum対応が発表されたのは、わりと最近です。検証結果によっては非対応になる可能性もあったのでは。

林氏
 この機能がないとWindows 10 Mobileの魅力が半減するよね、というのが我々の考えです。開発の初期段階から、このチップセットにはContinuumをサポートできる能力があることはわかっていました。

――やはりContinuumは必須だったと?

岩井氏
 必須でした。問題は、検証にどのくらいの時間がかかるかでした。検討を始めた段階ではSnapdragon 617のWindows 10 Mobileスマホは存在していなかったので、マイクロソフト側も検証ができませんでした。

林氏
 マイクロソフトが公開しているContinuum対応チップセットリストに入ってなかった理由は、試験機がないということがあります。だったら我々が提供しよう、ということで、試作段階の端末を提供し、ソフトウェアもその都度アップデートしながら、最終的に昨年末頃に対応リストに追加となりました。

ビジネスユーザーがメインターゲット

――すでに実績のあるSnapdragon 800シリーズを採用せず、なぜあえて新しいミドルクラスのSnapdragon 617を選ばれたのでしょうか。

岩井氏
 国内のコンシューマー向けならばハイエンドチップセットの方が受け入れられたかな、とも思いますが、今回はビジネス向けの製品です。法人による一括導入も想定しているので、1台あたりの単価が高くなると現場への導入が難しいと考え、一段階安く抑えられるスペックにしました。ただ、Snapdragon 617はミドルレンジと言いますが、かなりハイエンド寄りのスペックを持っています。

――スペックを見るとメモリー(RAM)の容量が3GBと、そこにはかなりこだわりを感じます。

岩井氏
 Continuumの推奨メモリーが3GBで、開発当初は3GB必須という話もあったので、それが決め手となっています。加えて、ビジネス用途向けにOfficeアプリを動かすにあたり、重いデータを開いたときにも快適に使えるとか、長期間使っても陳腐化しにくいスペックにしたいという狙いもあり、3GBを選びました。

――ディスプレイは5.5インチでフルHDと、これもWindowsスマホとしては大きめです。

岩井氏
 ここもスペック選定の理由はビジネス用途に集約されます。PCのビジネス文書を手元で閲覧・編集するとなると、小さい画面だと快適には行えません。一方で大きくなりすぎるとタブレットになってしまうので、5.5インチのフルHDとしました。

VAIO株式会社 ビジネスユニット2兼事業企画室兼商品企画部 ダイレクターの林文祥氏

――最近はもっと高解像度のディスプレイも登場してきていますが。

林氏
 PCもフルHDが結構多いですから、同じ解像度で同じ体験をしてもらえますし、情報量がほどよいということもあります。これ以上解像度を上げると、文字が細かく表示されてしまったり、バッテリー駆動時間が短くなったりしますので、フルHDがバランスが良いかな、と考えました。

――やはりターゲットはビジネスユーザーということになるのでしょうか。

岩井氏
 買われるのが法人としてか一人のビジネスパーソンとしてか、という違いはありますが、用途としてはビジネスを意識しています。日本通信さんから発売されたAndroidのVAIO Phoneも当初はビジネスを意識した展開を考えていましたが、今回も最初からビジネス向けを貫いています。

――「VAIO」ブランドには一般コンシューマーや我々のようなマニアからの期待もあるかと思います。

岩井氏
 発表直後に盛り上がりがあったので、まだまだVAIOブランドの力があるのだなと手応えを感じました。ただ、今回の製品も、ハードウェアには自信がありますが、アプリはまだまだ少ないので、個人用途で使ってもらうには少し力不足の部分があるかな、とも思っています。

――個人向けにAndroid搭載モデルがあってもいいのではないかと思ってしまいますが。

林氏
 ハードウェアをほぼ変更せずにOSを載せ替えることは技術的には可能ですが、弊社の今の方針としては、まず法人市場のスマホとしてWindowsで切り込むところに注力しています。あれもこれも、という商品展開は今のところは考えていません。

岩井氏
 今、Androidを載せてしまうと、おサイフケータイとかカメラ画質とかの要望が出てくると予想されます。一朝一夕ではそれらに対応できません。そこで、まずは最初にビジネスユースの中である程度安定して売れる体質になってから、次を考えたい。仮にAndroidスマホを出すにしても、ハードとして全く同じというわけではなく、別の商品設計になるかと思います。

ドコモIOTとCA対応を実現するのは大変

――今回は法人向けの販売でNTTドコモと組まれていますが、なぜ組む相手がドコモだったのでしょう?

林氏
 弊社も当初はMVNOのオープンマーケット市場を狙っていました。しかし、ドコモの法人担当の方から、「Windowsスマホを探しているお客様がいるので一緒にやりませんか」という話がありました。そこから打ち合わせをしていくうちに、ドコモさんもWindows 10 Mobileの世界に期待されていることがわかり、「だったら両社にとって良い方向での商品を開発しませんか」となりました。

 そのあとはドコモさんと一緒にIOT(相互接続性試験)やCA(キャリアアグリゲーション)への対応を進めました。CAは当初から検討していましたが、ここまでしっかり対応することまでは考えていませんでした。

――ドコモのIOTを通すのはそこそこ大変だったのではないかと想像されますが。

岩井氏
 そこそこじゃないです(笑)。

VAIO株式会社 ビジネスユニット2 チーフセールスエンジニアの戸國英器氏

戸國氏
 ハードウェア的なところでは、最初にドコモさんから必要なスペックの数字が出ていて、テストをする前にクリアするべき値がわかります。そこに到達するまでに苦労しました。内部的には何回か作り直しもしています。値がわかっていたので妥協はできませんでした。パフォーマンスは我々だけで作るよりも高くなっているかと思います。

 ソフトウェア面でもテストをしていますが、Windows 10 Mobileは弊社が初だったと思うのですが、仕様部分で問題が発生しても解決方法が世の中になかったので、そうした面で苦労しました。

林氏
 結果的にVAIO Phone Bizのアンテナ性能はかなり良いものになっています。

岩井氏
 途中で全く違うものに変更したりしましたね。

――IOTを通すと決めたことで、中身も変わってくるのですね。

林氏
 開発の早い段階でドコモさんと話ができたので、比較的早い段階で弊社とODMパートナーで検討できたのが幸いでした。しかし、それでもさすがに1回目の試作は性能に達していませんでした。何回か試作をくり返し、ようやく問題をクリアして量産のめどが立った、という状況でした。

――発表会のときには「これからIOTを通します」という言い方をされていましたが、あの時点では本当にクリアしていなかったのですね。

戸國氏
 はい。その後、NTTドコモのIOTを実施し合格しました。

――CA対応も大変だったのでしょうか。

戸國氏
 大変でした。CAのおかげでテストの量が1.5倍くらいまで増える感じです。

――しかし、ここで対応しておいたことはノウハウ蓄積としては大きそうですね。

戸國氏
 実際にやってみると、気をつけなければいけないところがわかるので、今後の製品にも生きると思います。

――CA対応だとアンテナ配置なども重要ですが、スマホのサイズだとかなり制約があります。御社はスマホサイズの製品は製造しておらず、そこに苦労があったのでは。

林氏
 ソニー時代は3G対応タブレットとかをやっていましたが、今回は音声通話もあるので、さすがに初の体験でした。

 アンテナについては最初から弊社内でもやっていて、ODMに完全に任せたりはしていません。アンテナベンダーの話も聞きながら、この形になりました。

 筐体のアルミは電波を通さないので、アンテナのある部分だけがプラスチックになっています。デザイン的にはそこが小さければ小さいほど美しくなりますが、アンテナ性能と相反します。このサイズ感に決めるのも、アンテナベンダーと弊社が一緒に考え、最終的にこのようになりました。

一等地をめぐるアルミボディとアンテナの関係

――アンテナの大きさはデザイナーと設計のせめぎ合いがありそうですね。

林氏
 そうです。端末をよく見ていただくとわかりますが、とくに今回はコーナー部分も金属にしています。コーナー部はアンテナにとって一等地ですが、デザイン要素だけでなく、落下時の堅牢性を考えると、コーナーは金属の方が良い、と。その上で最終的にどのくらいの幅のアンテナを作るかを決めました。

 後戻りできないところなので、かなり慎重に、ダミーを作ってアンテナ特性を計測しながら決めました。

――そうした性能計測などは安曇野とODM側でするのでしょうか。

林氏
 性能チェックは主にODMにお願いしています。安曇野の方もテスト用サイトを持っているので、簡易的なテストは可能です。しかし、実際の音声通話やスマホ向けのアンテナ性能テストは、やはりODMの方が設備が充実しているので、その部分はODM側にお願いしています。

――VoLTEなどの新しい技術もありますが、今後の製品では対応されていくのでしょうか。

林氏
 検討しています。VoLTEも今後はCAと同レベルの必須機能になるかな、と考えています。今回はいろいろな制限でできませんでしたが、いずれ実現したいですね。VoLTEとなるとキャリア側の話も入るので、弊社だけでは何もできません。チップセットベンダーも加わり、複数社の協業でようやく実現できます。

――ドコモ以外のネットワークへの対応はいかがでしょうか。

岩井氏
 IOTまでやるかは別として、ニーズがあるところに対応するのは、あるべき姿だと思います。とくにKDDIは法人顧客のニーズも強いので、チャンスがあればそちらでもやりたいです。

 しかし今回は第1弾で、MVNOはドコモ系も多いので、ドコモネットワークのサポートを厚くするのが、結果的に多くのMVNOのサポートにもなるかな、と考えています。

――海外展開の可能性はいかがでしょう? VAIOというだけで欲しいというファンもたくさんいそうですが。

林氏
 まずは国内の法人向けをしっかりやってから、海外はその次ですね。海外からは「発売しないのか」という声もいただいているので、その反響を見ながらと考えています。今のモデルは国内のバンド対応に振った設計なので、その場合はアンテナ設計からやり直す必要があります。

――なるほど。たしかにバンド対応は重要ですね。

林氏
 国内向けモデルとは言っても、ビジネスユーザーが海外に持ち出すことも想定しています。海外に持ち出すときは、3Gだけでなく、LTEもバンドさえ合えば対応できますが、今後はもっと使いやすくできれば喜ばれるかな、と考えています。

――実はデュアルSIMに対応しているようですが。

岩井氏
 公式にはサポート外、という扱いです。

林氏
 どこでどのように使われるかわからないので、弊社では検証せず、サポート外という表現になります。ODMのところでアンテナが2本立ったのは見たことがありますが。ベースとしたリファレンスデザインがデュアルSIM対応だったので、その機能をわざわざ潰すのではなく、サポート外としてでも残しておいた方が便利なのでは、と考えました。

VAIOロゴに200秒

――見た目の面ではアルミ製の削り出しボディが印象的ですが、これはデザイン面だけでなく堅牢性も意識されたのでしょうか。

岩井氏
 そうですね。デザイン面で言うと、VAIO Zなどと共通のデザイン言語とすることで、世界観を地続きで感じていただきたいということもあります。アルミ削り出しが今、良い評価をもらっているので、やった方が良いだろう、と。

こだわりのアルミ製削り出しボディ

――当然ですが、樹脂に比べるとだいぶコストがかかりますよね。

林氏
 時間もコストもケタ違いです。それでもアルミにこだわる理由としては、長く使っても色褪せないことや堅牢性、安心感などがあります。長く使える安心感はこのモデルのコンセプトの主軸になっていて、たとえば3GBメモリーなども、それにつながる要素として入っています。

戸國氏
 ロゴの彫り込みにも苦労しました。

林氏
 これを1個彫るのには200秒かかります(笑)。製造しているのはODMの協業メーカーですが、品質に関わるので、弊社が直接現場に赴いて指示を出しました。

――ロゴを彫らなければ、その分ボディを薄くできたのではないかとも思えますが(笑)。

林氏
 そういった話もありましたが、結局厚みを支配するのはカメラです。カメラ部分だけ飛び出るデザインもありますが、弊社のデザインポリシーとしては格好悪いというところで、こうなりました。

――背面のデザインはVAIOロゴだけで非常にシンプルですね。

戸國氏
 VAIOロゴ以外には認証マークなども入れないようにしています。あらゆる文字を入れないようにしました。必要な認証マークはすべて画面表示で入れています。ただ、サポート時のためにシリアルナンバーが必要と言われたので、仕方なくSIMトレイにシリアルナンバーを入れています(笑)。

――金属ボディだと放熱の面でのメリットもあるのでしょうか。

林氏
 それも多少はあります。金属なので、局所的に高温となるヒートスポットが発生しにくいです。

 ちなみに高温とは逆になりますが、安曇野では倉庫に納入されたVAIO Phone Bizをチェック作業前に作業スペースにしばらく置いて“室温に戻す”という工程があります。倉庫に置いたままにすると冷たくてチェック作業がはかどらないので(笑)。

戸國氏
 はい、安曇野は今、雪が降っています(笑)。

“安曇野FINISH”で実現するVAIOブランド

――「VAIO」ブランドとして大切にしているポイントは?

岩井氏
 一言で説明するのは難しいですが、最近のVAIOだと「快」というキーワードがあります。ストレスなく気持ちよく使えるデザインやスペック、インターフェイスの設計など、そういったところから製品を通じて表現しようとしています。そのあたりでVAIOブランドを感じ取ってもらえると嬉しいですね。

 例えば、VAIO Phone Bizでは側面のボタンの感触なども安曇野でチェックして、基準に届いていないものは出荷しないということをしています。

――いわゆる“安曇野FINISH”ですね。ほかにはどのようなことを安曇野で行っているのでしょうか。

林氏
 PC商品もそうですが、VAIO Phone BizもOSのインストールは安曇野で行っています。こういったことで、より品質の高いものをお届けします。もちろんODMでもチェックはしていますが、そこにさらに安曇野で最終チェックを入れることで、お客様への安心感を提供します。届いたら確実に使えるというものに仕上げます。外観検査もそうですし、OSインストールもそうです。全ての機能チェックとまでは行きませんが、OSを入れるので、初歩的な不具合が発生した場合もフィルタリングできます。

岩井氏
 安曇野FINISHでは、法人などである程度の数の注文であれば、キッティングとか、特定アプリのプリインストール、設定などをして出荷もできます。

――どのくらいの数からそういった対応ができるのでしょうか。

林氏
 数は即答できませんが、比較的小規模でも柔軟な対応が可能です。

――レーザー刻印など、個人カスタマイズの可能性は?

林氏
 お客様のニーズ次第で検討したいと思っています。設備はあるので、レーザー刻印は技術的には可能です。ソニー時代はPCにメッセージを入れて出荷とかもやっていましたから。

岩井氏
 今でもふるさと納税モデルは、安曇野でパームレストにレーザー刻印を入れていますね。

――購入後のサポート体制はいかがでしょう。

岩井氏
 サポートはPCと同じスキームで受けることを想定しています。故障状態によりますが、スマホの場合はなかなかこちらでバラして修理するのが簡単ではないので、多くの場合は新品交換になると思うので、リードタイムは短くなるとみています。

――海外ODMを使っている中小規模スマホメーカーの状況をみていると、交換在庫がない、なんていうこともあるみたいですが。

岩井氏
 VAIO Phone Bizは法人向けなので、一定のバッファーを用意しています。もちろん、それが足りなくなるくらい売れるといいんですねどね(笑)。

――同じWindowsスマホに取り組む他社との差別化はどのように取り組まれますか?

岩井氏
 一番は、キャリアネットワークへの対応がしっかりしているところの安心感や品質です。そこはPCメーカーとして歴史があるので、そこを見てもらえればと思います。IOT対応やCA対応はほかにはありませんから。

――ユーザーが実機に触れる場所は用意されるのでしょうか。

岩井氏
 家電量販店の一部店舗で、3月30日から順次、店頭展示を開始する予定です。実機を確かめるタッチポイントとしてご活用いただけるかと思います。

――その場合、スマホ売り場なのでしょうか。それともVAIOのPCの隣なのでしょうか。

岩井氏
 やはりSIMフリー端末ですので、当初はスマホ売り場での展示が中心になる見込みです。しかし我々としては、PCとの連携やVAIOとしての世界観を見せたいため、いずれはPC売り場でVAIOの隣に展示することも検討しています。

――MVNO経由ではどちらで販売されるのでしょうか。

岩井氏
 楽天とBIGLOBEでの取り扱いが決まっています。あ、弊社オンラインストアのVAIO Storeでももちろん販売するので、お忘れなく(笑)。

――ユーザーとしては、アクセサリー製品の展開も気になると思いますが。

岩井氏
 VAIO製ではありませんが、受注開始のタイミングでフィルムと保護ガラス、のぞき見防止フィルター、ContinuumアダプターをVAIOストアで扱います。ほかにも話をいただいているアクセサリーメーカーさんもありますし、ここは広がって欲しいと考えています。

――PCの方ではSIMカードも一緒に販売されていました。今回はあのパターンでの販売はしないのでしょうか。

岩井氏
 もちろんVAIOオリジナルSIMとのセット販売は行いますが、データ通信専用で音声通話ができません。スマホなので音声通話が必要なお客様も当然いらっしゃるでしょうし、VAIOストアではBIGLOBEの音声通話SIMを推奨とする予定です。

――本日はお忙しいところありがとうございました。

(白根 雅彦)