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iPhone 7/7 Plusで話題の「総務省指定」刻印、今後は画面表示を検討

 総務省の高市早苗総務大臣は、20日の閣議後の記者会見において、iPhone 7/7 Plusの背面に刻印されている「総務省指定」の表示について話題になっていると聞かれ、これにコメントした。

 高市大臣は「電波法に基づく表示。何ら問題のあるものではない」などとした上で、「スマートフォンの画面で表示できる制度の導入について、現在検討中」とコメント。今後は技適マークなどと同様に、画面の中に表示する電子的表示に対応させる方向で検討中であるとした。

iPhone 7背面の型式指定表示

 iPhone 7/7 Plusでは、FeliCaチップの搭載に合わせて、ほかのFeliCaチップ搭載のカードなどを読み書きできるリーダーライター機能も搭載されている。FeliCaなどのリーダーライター装置は、電波法では高周波電流の「誘導式読み書き通信設備」にあたり、個別に設置許可が必要だが、無線通信への影響が少ない設備については、条件を満たすか、一定の出力を超える仕様でもあらかじめ技術基準に適合していることの指定(型式指定)を受ければ、個別の許可は不要になっている。

 このうち、型式指定を受けた際に必要な表示が「総務省指定」の刻印と指定番号で、現在の電波法では「設備の表面の見やすい箇所」に表示する必要があり、また電子的表示を認めていないため、iPhone 7/7 Plusでは背面に型式指定表示が刻印される形になっている。指定番号はiPhone 7が「第EC-16007号」、iPhone 7 Plusは「第EC-16006号」になっている。

 リーダーライター機能が「誘導式読み書き通信設備」であっても、3mの距離における電界強度が500μV/m以下であれば型式指定の取得や表示は不要なため、iPhone 7/7 Plusは仕様上、型式指定が必要な出力になっていると考えられる。

 一方で、携帯電話やスマートフォンには必須の「技術基準適合証明」の表示(技適マーク)については、2010年度から画面内に表示する電磁的表示が認められ、すでに対応が進んでいる。

 2016年7月15日に総務省が公表した「電波政策2020懇談会 報告書」では、FeliCaなどのリーダーライターに必要な型式指定表示も、世界的な潮流を鑑みて、電子的表示を認めるように条件を緩和すべきと、制度の見直しを提言しており、前述の高市総務大臣のコメントは、これを確認する形となっている。

【追記 2016/09/21 18:49】
 編集部でiPhone 7 Plusを確認したところ、画面にも、上記の「総務省指定」などの型式指定が表示されることを確認した。ただし、型式指定表示は電子的表示(のみ)が認められていないため、外装にも刻印されたとみられる。

 技適マークや型式指定などの画面への表示は、iPhoneの「設定」→「一般」→「認証」から確認できる。

iPhone 7 Plusの「認証」画面

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