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8510円のWi-Fi対応体重計、Withingsあらため10年ぶりのノキアから発売

新製品のBody

 ノキア(Nokia)は、これまでWithings(ウィジングズ)ブランドで展開してきたデジタルヘルス製品について、ノキアブランドで展開すると発表した。21日からは日本で、Wi-Fi対応の体重計「Nokia Body」を発売した。価格は8510円(税込)。Amazon.co.jpのほか、ヨドバシカメラやビックカメラなど家電量販店で取り扱われる。

 またあわせて、データ管理アプリが刷新され「Nokia Health Mate」として提供が開始された。

Wi-Fi対応の体重計「Body」が登場、アプリを介してエコシステム

 新製品の「Body」は、同社の手がけるWi-Fi対応体重計のなかでも最も安く、シンプルな機能に仕上げられている。家庭で利用する場合、家族全員の体重の推移を管理できるほか、BMIをもとにユーザーの健康に繋がるアドバイスを提供する。

 リニューアルした「Health Mate」を介して、Bodyで体重を計測しつつ、腕時計型などの活動量計とセットで利用すれば、総合的な健康管理に役立てられる。

 Health Mateには、睡眠管理の「スリープマスター」、ダイエットに向けた機能「Better Body」、妊娠に関する機能をまとめる「妊娠トラッカー」といった機能が搭載されている。日々の活動量や体重、睡眠時間を記録することで8週間にわたってアドバイスを提供。睡眠不足による疲労や記憶力、気力の低下を防いだり、妊娠時の体重管理などに役立てたりできる。

10年ぶりの復活なるか

 携帯電話事業から撤退して約10年、日本では大手携帯電話会社へ無線ネットワーク装置を提供するなど、法人向けビジネスを続けてきたノキア。グローバルでは携帯電話端末事業を既に切り離しており、約1年前に買収しWithingsとそのデジタルヘルス製品を、ノキアブランドに統一した。

 体組成計はオムロンやタニタといった国内メーカーの存在が強く、リストバンドタイプのアクティビティトラッカーは海外メーカーが数多く参入している分野。後発としてノキアは何を強みにするのか。Nokia Technologies、デジタルヘルス・アジア・マーケティング責任者のジュリアン・ド・プレオモン氏は「エコシステムとノキアブランド」を挙げる。ここで言うエコシステムとは、種類の異なるデバイスを提供しつつ一元的にアプリで管理する、といった使い勝手のことを指す。単なるデータの記録に加えて、インサイト(見識、アドバイス)を提供できるのがノキアブランドのデジタルヘルス製品の特徴というわけだ。

これまで発売された製品もノキアブランドでリスタートする

 もうひとつのノキアブランドの強み、という面では、これまで新興メーカーでありネット販売だけだったWithingsと比べ、グローバルで製品やサービスを提供し企業としても歴史あるノキア、という存在感の違いを指す。ただし、日本では先述したように、コンシューマー向け製品から10年、遠ざかっていた。かつて携帯電話を提供していたころも、熱狂的なファンを獲得する一方で大きなシェアを獲得するまでに至らなかったのも事実。日本でのプロモーション、キャンペーン施策については今回の会見で具体的な内容が語られることはなかったが、ソフトバンクC&Sが総代理店として協力して、ネット販売だけではなくリアル店舗での販売も進めて、よりユーザーの目に触れやすくなる環境作りに注力する一方、デジタルヘルス製品の日本法人としてノキアテクノロジーズジャパンも設立されており、ノキアは「Healthier together」という標語を掲げ、本腰を入れて日本でのヘルスケア分野に挑むことになる。

ノキアテクノロジーズジャパン(Nokia Technologies Japan)株式会社の統括責任者である守屋 文彦氏(左)とノキアテクノロジーズアジア担当のプレモオン氏