ECナビ、au網のMVNO「ECナビケータイ」発表


ECナビの宇佐美氏(左)と長谷竜也氏(右)
ECN-SH001

 価格比較サイト「ECナビ」を展開するECナビは、KDDIの通信網を利用したMVNOによる携帯電話サービス「ECナビケータイ」を8月3日から開始する。

 「ECナビケータイ」は、KDDIの携帯電話インフラを借り受けたインフォニックスのMVNOプラットフォーム「SELECT MOBILE」を活用した携帯電話サービス。最大の特徴は、ECナビのポイントサービスをフルに使える点。携帯電話サービスとしては、ほぼauのサービスと同等のものとなる。

 価格比較サイトとしてスタートしたECナビだが、5年前よりショッピングやアンケートでポイントが貯まるサービスを展開している。サイトでは、アンケートなどの回答で10ポイント1円相当のポイントが獲得できるサービスを展開している。ECナビケータイの購入者は、端末の購入や毎月の利用料に応じてこのECナビポイントが付与される。貯まったポイントは、航空マイレージやYahoo!やSuicaのポイント、電子マネー、現金化できる。

 なお、現在の会員数は約250万人で、月間ページビューは6.9億PVという。もっともアクティブなユーザーは30~40代の女性で、多くはポイントの現金化や、そのほかのポイントサービスへの交換などに利用しているという。

 料金プランはauのプランに準じたものとなる。提供される携帯電話は、シャープ製「ECN-SH001」、シャープ製ソーラーフォン「ECN-SH002」、京セラ製「ECN-K002」の3端末で、ECナビのBREWアプリが搭載されている。端末の仕様はauの「SH001」「SH002」「K002」と同等。バッテリーカバーの部分に「ECナビケータイ」のロゴが入る。端末はインターネット販売のみ。

 ECナビでは、携帯電話サービスとしての独自色は打ち出さず、auのサービスとほぼ変わらずに使え、ポイントが充実している点をアピールしていく。EZwebやLISMOの利用が可能で、au端末との家族契約も行える。ただし、au BOXや固定通信サービスとの連携などには対応していない。サービスの詳細は8月のサービス開始時点で明らかにされる予定。

ECN-SH002ECN-K002

 ECナビの代表取締役社長 宇佐美進典氏は、「ECナビケータイ」の特徴として3つのポイントを説明。契約時と毎月の利用料に応じてECナビポイントが貯まること、ECナビアプリを搭載した人気モデルを販売すること、通信インフラや料金プランはKDDIのauのもので、auの各サービスが使えることをそれぞれ紹介した。

 ECナビケータイは、KDDI、インフォニックス、ECナビの3社が連携したサービスであるとし、MNOのKDDI、MVNOを支援するMVNEであるインフォニックス、サービス事業者となるECナビと3社がそれぞれ役割分担していると語った。また今回はMVNOによる通信事業をインフォテックス側が担当しているため、裏方ではあるが通信事業の主体はインフォニックスとなる。

 さらに宇佐美氏は「ユーザーは最近、“おとく”に敏感になっている。我々はポイント特典を強化し、端末を購入すると最大5万ポイント、携帯電話の利用額に応じてポイントも付与される。さらに、携帯電話購入者は当初からゴールド会員となるとなるためポイントが貯まりやすい」と述べた。ECナビケータイの目標契約数は、3年後の2012年に10万台、現在のペースで伸びていけば、2012年頃のECナビの会員数は300~350万程度になっているという。

 ECナビではこれまで、ネット広告を中心に事業展開してきたが、厳しい経済情勢を背景にユーザー課金型の新たな事業のチャンスを探ってきたという。ECナビでは、携帯電話サービスを展開することで、年内を目途にデジタルコンテンツの販売も手がけていく方針だ。今回の携帯電話サービスは、インフォニックスのMVNOプラットフォーム「SELECT MOBILE」を利用するため、利益はインフォニックスと分けることになるが、通常のMVNEサービスよりもリソースをかけずに事業展開できるという。ECナビ側は1~2万台の契約がとれると投資を回収できるとしている。

 

(津田 啓夢)

2009/7/2 11:10