ケータイするGoogle、「HT-03A」のブロガーイベント開催


 国内初のAndroid端末「HT-03A」の発売前夜、六本木ヒルズの一室で「HT-03A」のブロガーイベントが開催された。会場には約70名のブロガーが集まり、一足早くGoogleケータイが披露された。

 「HT-03A」は、Googleを中心とした携帯プラットフォームの開発団体「Open Handset Alliance」(OHA)のAndroid OSを搭載したHTC製のスマートフォン。今回のブロガーイベントには、ブロガーらに1人1台の端末が割り当てられた。皆、思い思いに使用感を確認していたようだ。

 NTTドコモのフロンティアサービス部 アプリケーション企画 担当部長の山下哲也氏は、1999年のiモード開始から10年の節目に新端末「HT-03A」が登場することへの期待を語った。「HT-03A」について同氏は、「世界標準、これまでのiモードなどは入っておらず、世界の基本構成のまま。これまでの携帯電話ではできなかった、こんなことやりたかった、あんなことやりたかったを実現する」と述べた。

 また、オリジナルのアプリケーションとして、加速度センサーを利用した「羅針盤」などの位置情報関連のアプリを紹介。ブロガーらに対して、HTC、Google、ドコモが集まって開発した端末をもう一歩進めるのはアプリ開発者であるとした。

 Googleのアンドロイド統括部長 トム・モス氏は、「Androidはパソコンでできたことは全てできる」などと語った。GmailやGoogleトーク、Googleカレンダーといったサービスを例に、ネットワーク上に情報が保存されているメリットを説明したほか、Andoroid向けアプリの配信プラットフォーム「Androidマーケット」について、世界ですでに6300以上のアプリケーションが配信されており、ユーザーは平均して40アプリをダウンロードしていると紹介した。

 このほか、検索機能についても語った。端末の位置情報を利用して検索結果に周辺の情報を表示されることなどが紹介された。さらにモス氏は、「こうした機能が十分でなければ第三者が提供すればいい」などと話し、コンテンツプロバイダーのサービスと融合についても言及していた。YouTubeについては、閲覧だけでなくアップロードも可能と話し、「アップロードしている途中に、同時に友達にメールできる」とアピールした。

 HTCのビジネス・ストラテジ&マーケティング本部のディレクターである田中義昭氏は、タッチ操作について「タッチにこだわっているわけではない」と述べ、直感的に操作に優れたタッチと、トラックボールを用意したことなどを紹介した。また、HTCでは片手操作にこだわっていると話し、タッチ操作には50mmより少し幅がある程度が使い易いなどと述べた。さらに、参加したブロガーらには、「プロの目線ではなく消費者目線で感想を書いていただけたら」と話していた。

山下氏モス氏田中氏

 質疑応答では、さまざまな質問がなされた。海外向けのAndroid端末「G1」でバッテリーの保ちが悪いという意見があることについて、ドコモの山下氏は「G1よりはるかに改善されている。土日に充電器に繋がなくても大丈夫だった」と語った。なお、「HT-03A」のパッケージには、バッテリーが2つ同梱されている。

 また、カラーバリエーションの拡充や、Android端末の今後の継続的にな投入について山下氏は、「数をいろいろだしていくのは間違いない。新機種は仕込んでいる」と話した。

 なお、参加したブロガーの多くが開発者だったのか、質問はAndroidマーケットに関するものが大半を占めた。ローカライズについては、、アプリは世界中で配信されるためフィルタリングが行われないこと、提供者側が国を指定して配信できることなどが説明された。

 また、課金システムについては、サービス開始当初は無料のアプリのみ配信され、課金の仕組みは用意されていないことが語られた。有料課金については今後導入される予定。

 イベントでは、「HT-03A」のデモンストレーションなども実施された。参加するブロガーは、ワイルドカード予測変換機能などに関心を示していたようだ。この機能は、たとえば「インスピレーション」と入力したい場合に、「イン」と入力して残りの文字数分を「→」と入力すると(この場合、「イン→→→→→→→」)、検索候補が絞られるというものだ。このほか日本Androidの会によるプレゼンテーションなども行われた。

 

(津田 啓夢)

2009/7/10 13:44