携帯・PHS各社、駿河湾の地震で災害用伝言板サービス


 8月11日5時7分頃、駿河湾で発生した地震の影響で、携帯電話・PHS事業者各社が災害用伝言板サービスの運用を開始した。

 今回の地震では、静岡県伊豆市、焼津市、牧之原市、御前崎市で震度6弱を、静岡県東伊豆町、松崎町で震度5強を観測したほか、東北地方から四国地方にかけて震度5弱~1が観測されている。

 NTTドコモでは、5時13分からiモード災害用伝言板サービスの運用を開始した。メッセージを登録できるのは静岡県・愛知県・岐阜県・三重県のユーザーとなる。同社では、地震発生直後に通信規制を行っていたが、7時31分には規制を解除した。また、伊豆の天城高原付近にある基地局が停電のため、サービスを中断しているとのことだが、現在東京電力が復旧作業にあたっている。当時、地震だけではなく、落雷もあったとのことで停電の原因が地震か、落雷かわかっていない。なお、サービス停止中の基地局周辺は、近くにある基地局で補完しているため、携帯電話は利用できる。

 auでも災害用伝言板サービスを提供しており、静岡県などの東海エリアや富山県など北陸エリア、神奈川県や埼玉県、京都府、和歌山県などのユーザーがメッセージを登録できる。地震によるauの設備への影響はない。

 ソフトバンクモバイルでも災害用伝言板サービスを提供している。こちらは全国のユーザーがメッセージを登録できる。地震による同社の基地局への影響としては、発生直後に停電や伝送路障害などでサービスを停止した局がいくつかあったものの、徐々に復旧し、11日11時半時点では焼津市にある基地局2つが停止している。この基地局は、1つが2G向け、もう1つが3G向けで同じ場所に配置されており、順次復旧する見込み。

 イー・モバイルとウィルコムでも災害用伝言板サービスを提供しており、全国から登録できる。イー・モバイルの設備は地震発生直後から現在まで障害はない。ウィルコムの設備では、停電のため、地震発生直後に数局ダウンしたものの、現在は全て復旧している。

 このほか、緊急地震速報については、携帯電話向けサービスを展開しているドコモ・auの両方で、対象地域のユーザー向けに配信された。エリアによっては地震に間に合わなかった可能性もあるが、配信側におけるシステム上の遅延はなかった。なお、緊急地震速報については、ソフトバンクモバイルも今秋より導入する予定としている。

 



(関口 聖)

2009/8/11 12:07