acer、WiMAXモジュール搭載の法人向けノートパソコン


写真左から、UQの坂口氏、日本エイサーのボブ・セン氏、インテル 事業開発本部 本部長の板越正彦氏

 日本エイサーは、acerブランドのノートパソコン「Aspire one」シリーズと「Aspire Timeline」シリーズのWiMAXモジュール内蔵モデルを発表した。いずれも法人向けに販売される。

 発表されたWiMAXモジュール内蔵モデルは、「Aspire one」シリーズの「AO531h-Bk86X」、「Aspire Timeline」シリーズの「AS3810T-H22X/PH22X」と「AS3410-S22X/PS22X」。「AO531h-Bk86X」と「AS3810T-H22X/PH22X」が9月11日、AS3410-S22X/PS22X」が9月17日から販売される。

 価格は、「AO531h-Bk86X」が5万4800円、「AS3810T-H22X/PH22X」が9万2800円と9万9800円、「AS3410-S22X/PS22X」が7万2800円と7万9800円。

 製品は、UQコミュニケーションズのモバイルWiMAX網を使うMVNO、ダイワボウ情報システム(DIS)の協力を得て販売される。DISはパソコンなどを販売する商社で、法人への販売チャネルを持つという。法人限定販売となるがWeb通販サイト「CaravanYU」「e-TREND」「ioPLAZA」「NTT-X Store」で購入できる。

製品概要

 「AO531h-Bk86X」は、Atomプロセッサーを搭載したネットブック。OSはWindows XP Home(SP3)となる。ディスプレイは10.1インチ、1024×600ドット、26万2000色表示のAcer CrystalBrite光沢液晶を搭載。CPUはAtom N280 1.66GHzを採用する。メモリは1GB、ハードディスク容量は160GBとなる。キーボードは88キー日本語配列。

 無線LANとWiMAXのデュアル対応となるインテル製「WiMAX Wi-Fi Link 5150」を搭載するほか、Bluetooth 2.1+EDRに対応、有線LANポートなども用意されている。30M万画素のWebカメラやメモリカードスロット、ステレオスピーカー、マイクなどを装備する。

 バッテリー稼働時間は7.5時間。大きさは255×183×19/26.9mmで、重さは1.15kg。ボディカラーはマットブラック。


AO531h-Bk86X

 「AS3810T-H22X/PH22X」は、13.3インチ1366×768ドット液晶を搭載したモデル。AcerではネットブックとノートPCの中間に位置する「モバイルPC」と位置付けており、今回発表されたモデルの中では最上位モデルとなる。「H22X」が Windows Vista Home Premium SP1、「PH22X」がVista Business SP1(XP Professionalダウングレードモデル)となる。

 CPUはインテルのCore 2 Duo SU9400 1.4GHzを搭載。メモリは「H22X」が2GB(最大4GB、)「PH22X」が1GB(最大4GB)となる。ハードディスク容量は160GB。メモリカードスロットやステレオスピーカー、100万画素 Webカメラを搭載する。

 無線LANとWiMAXのデュアル対応となるインテル製「WiMAX Wi-Fi Link 5150」を搭載するほか、Bluetooth 2.1+EDRに対応、有線LANポートなども用意されている。映像出力端子としてHDMIポートなども装備する。

 バッテリー駆動時間は8時間だが、Acerの統合型の電源管理機能「AcerPower Smart」に対応しており、同機能を使用すると駆動時間は9時間になる。大きさは322×228×23.4/28.9mmで、重さは1.6kg。

 「AS3410-S22X/PS22X」は、主要なスペックは「AS3810T-H22X/PH22X」と同等で、CPUにCeleron Dual Core SU2300 1.2GHzを搭載したモデル。サイズや重さも同じだが、バッテリー駆動時間は7時間、「AcerPower Smart」を利用して8時間となっている。


「AS3810T-H22X/PH22X」と「AS3410-S22X/PS22X」。外観は同じ

「安かろう悪かろう」から「安かろう良かろう」へ

日本エイサーの瀬戸氏

 発表会で挨拶を行った日本エイサーの代表取締役社長 ボブ・セン氏は、「軽くて薄く、バッテリーが長持ちするモデルは他社も実現しているが、我々はそれらに加え10万円を切る価格」とアピールした。

 また、製品説明を行った日本エイサーのマーケティングコミュニケーション課マネージャーの瀬戸和信氏は、今回のモデルを中小企業に対して強く訴求していくとした。Timelineシリーズはネットブックとは異なり、スペックに我慢することなくオフィス関連ソフトが利用できると語り、低廉な価格ながらメインPCとして活用できるとした。瀬戸氏は「“安かろう悪かろう”の神話を崩していきたい、我々は“安かろう良かろう”を目指す」と語った。

 また瀬戸氏は、法人に限って販売する理由について、ビジネスパートナーとなっているDISが法人に強い点、通信エリアが首都圏中心となる点などを挙げて、「確実にユーザーを獲得できる、強みが活かせるところに販売する」と述べた。

 このほか、UQコミュニケーションズのマーケティング戦略部長の坂口肇氏は、インテルとともにWiMAXモジュール内蔵製品の拡充を進めていくと話した。坂口氏は、2009年度末までに政令指定都市をカバーするというUQ WiMAXの基地局開設計画について説明し、「従来の計画より遅れているのは否めない。屋内設備についてもまだまだこれから」などと話した。

 発表会終了後に同氏に詳しい説明を求めたところ、都市部ではすでに多くの他の事業者の基地局が設置されており、基地局設置場所のオーナーとの交渉に想定より時間がかかっているという。



 



(津田 啓夢)

2009/8/25 14:57