「未来的な未来」をデザインした携帯「PRISMOID」


GREEN

 「PRISMOID」(プリズモイド)は、昔の人が思い描いたであろう未来の携帯電話をイメージした折りたたみ型のCDMA 1X WIN端末。12月頃発売される予定。

  INFOBARなどを手がけたプロダクトデザイナーの深澤直人氏が手がけた端末で、テーマは「未来的な未来」。1980年代に思い描かれた未来の電話の姿をモチーフにしたもので、デザイナーとして多方面で活躍するシド・ミードの世界観を背景にしているという。シド・ミードは、アニメ「∀ガンダム」のモビルスーツデザインなど、海外そして日本でも著名なデザイナーで、SF映画などの未来的なデザインのコンセプターなどとしても知られる。

 端末は四角錐台を2つ重ね合わせたような形状で、端末の周囲は大胆に面取り(角を取ること)されている。また、背面側には面取り寸法を表わす「C4.8」(chamfer 4.8mmの意味)や、端末サイズを表わす文字、FeliCaのロゴマークがあしらわれている。これはSFなどのメガデザインに見られる、本物らしさを表現する手法を取り入れたためだという。

 また側面部には、黒地に赤い文字で表示される有機ELディスプレイが搭載されており、端末デザインの大きなアクセントになっている。ただし、端末側面部などにボタンが搭載されていないデザインのため、サブディプレイを表示させるためには、端末の開閉動作が必要となる。時間をちょっと確認したい場合などに、外側にボタンが欲しかった印象だ。

 開発メーカーは京セラで、旧KCPのプラットフォームを採用している。ベースモデルは「misora」と共通のものだが、シンプルな機能にシンプルなデザインのmisoraに対して、「PRISMOID」はシンプルな機能に斬新なデザインを取り入れたという。今回の「PRISMOID」は、ちょっと懐かしい感じのするメカデザインの要素が取り込まれている。au design projectの端末として、2003年に登場した京セラ製CDMA 1X WIN端末「W11K」などと似たデザインの傾向を感じさせる。

 メインディスプレイは約2.7インチ、約26万色表示のIPS液晶、側面部のサブディスプレイは約0.6インチのモノクロ有機ELを搭載する。カメラはオートフォーカス付きの197万画素CMOSで、最大16GBまでのmicroSDHCカードに対応する。

 なお、ワンセグには非対応となり、おサイフケータイやGPS機能などはサポートしている。連続通話時間は約260分で、待受時間は約370時間(暫定値)。大きさは約101×49×16.8mm(暫定値)で、重さは約102g。ボディカラーはGREEN、MAT BROWN、WHITE。発売時期や価格については明確な回答を得られていないが、コストを抑えて開発された端末であり、misoraやK003の価格帯で販売されると見られる。

MAT BROWNWHITE


 



(津田 啓夢)

2009/9/9 11:00