携帯×ロボット、iidaブランドの最新コンセプトモデル


Polaris

 「Polaris」(ポラリス)は、ロボットメーカーのフラワー・ロボティクスをパートナーに迎えて開発された携帯電話のコンセプトモデル。

 「Polaris」は、人の生活とかけ離れたところで進化してきたロボットが、人の日常を豊かにしてくれるような存在へイノベーションを起こす、そんなテーマを持っている。端末は携帯電話であり、学習機能を搭載したロボットでもある新しいモバイル端末という位置付けで、人と携帯電話、そしてロボットの新たな関係を探る。なお、モデル名の「Polaris」は北極星のこと。

 想定されている利用スタイルは、ユーザーが普段通り携帯電話を利用すると、ユーザーのさまざまな情報がライフログとして端末に記録される。自宅に帰り、球体型のロボットに携帯電話を載せると、記録した情報を分析、学習した結果をテレビに表示、最適なアドバイスが提供される。学習した内容に合わせて光ったり、音を奏でたりする。

 なお、フラワー・ロボティクスは、自立型ロボットの設計思想を持つ。今回の「Polaris」も玄関先で携帯電話を置くと、自走してテレビに前に行ったり、自ら充電台に向かうといったアクションが想定されているという。

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デモンストレーション

 発表会では、コンセプトモデルを利用したデモンストレーションが実施された。今回は携帯電話とロボット、テレビ、そしてテレビと接続された充電ドックなどが紹介された。

 タッチパネル式携帯電話には静脈センサーなどが搭載される想定となっており、あらゆるライフログが携帯電話に集約される。デモでは、携帯電話を球体型ロボットに近づけると、球体が自動的に中央から2つに分かれ、端末を載せる台座が現われた。端末を載せるとロボットはその場で回転したり、直進したりと動いていた。

 フラワー・ロボティクスの説明によれば、ロボットは充電ドックに向かって走り出し、その日のライフログがテレビ側などのサーバーに蓄積されていく想定になっているとのこと。充電ドックにロボットがたどり着くと、携帯電話を収納した形で球体になり、無接点充電方式で携帯電話とロボットのそれぞれ充電が行われる。

 今回のデモでは、端末とロボットの間はBlutoothで接続されている。つまり、ロボットの台座に携帯電話を乗せなくとも接続はできている状態とのこと。また、デモは自走ではなく遠隔操作で動いていた。コンセプトの想定では、壁や段差などを搭載されたセンサーで認識しながら自走するという。今回は、デモが行われたテーブルの周囲に磁石が埋め込まれており、磁石を検知してロボットがテーブルの下に落ちてしまわないよう設計されていた。

 KDDIとフラワー・ロボティクスは、2007年よりau design projectの一環としてコンセプトモデルの開発に着手したという。フラワー・ロボティクスとしては、2010年度内の商品化を目指すと語っていた。価格や販売形態などについては未定。

 なお、今回のデモンストレーションは、10月6日~10日にかけて開催される展示会「CEATEC JAPAN 2009」において一般公開される予定だという。



 



(津田 啓夢)

2009/9/9 11:02