公取委、クアルコムに排除措置命令


 公正取引委員会(公取委)は、米クアルコムに対して排除措置命令を下した。国内の携帯電話関連企業に対するライセンス条項において独占禁止法違反があったとしている。

 発表によれば、米クアルコムが日本国内の携帯電話メーカーなど携帯関連事業者に対して、通信技術の「CDMA方式」に関するライセンス供与契約を締結する際、「CDMA対応の携帯電話や基地局に用いられる集積回路製造、販売などのために国内事業者の知的財産権について、クアルコムが無料で使う権利を許諾する」といった規定を含む内容になっていると指摘。その結果、他のメーカーなどクアルコムの顧客に対して国内企業からライセンス料を請求できないなどの制限が発生し、研究開発意欲が損なわれるとともに、市場におけるクアルコムの地位が強化され、公正な競争が阻害される恐れがあるとしている。

 公取委では、独占禁止法第19条違反(不公正な取引方法第13項[拘束条件付取引]に該当)として、現在のライセンス契約を破棄し、今度も行わないよう排除措置命令を下した。

 クアルコム日本法人では「米国本社に対する命令であり、コメントはない」としている。米クアルコムでは、7月下旬に公取委から示された草稿に対して、8月13日に「強制されたという点については、対等な交渉の結果、日本企業側が自発的に同意した」などと反論するコメントを発表している。

 



(関口 聖)

2009/9/30 18:12