TOKYO FM、携帯向けマルチメディア放送に向けた新会社


 エフエム東京(TOKYO FM)は、2011年以降にスタートする予定の「携帯端末向けマルチメディア放送」に向け、企画会社「東京マルチメディア放送株式会社」を10月7日付けで設立する。

 地上アナログテレビ放送が地上デジタルテレビ放送へ完全移行することにあわせ、これまでアナログテレビが使っていた周波数帯を他の用途で利用することが検討されている。携帯機器関連では、2007年8月から有識者による検討がスタートし、携帯電話事業者やメーカー、ラジオ関係者などから意見を聴取してきたが、それらの動きの結果、総務省では2009年8月、基本方針を公表した。

 基本方針を受け、従来の放送サービスを進化させた「携帯端末向けマルチメディア放送」が導入されることになり、全国向け放送はVHFハイバンド(207.5~222MHz)で、地域別の地方ブロック向け放送はVHFローバンド(90~108MHz)を利用して、参入事業者を募り、2011年7月以降、サービスがスタートする見込み。

 今回、TOKYO FMでは、VHFローバンドを利用する地方ブロック向け放送へ参入するため、企画会社として「東京マルチメディア放送」を10月7日付けで設立する。あわせて、全国各地で企画会社を設立する。

 企画会社の東京マルチメディア放送は、関東・甲信越地域での委託放送事業者として参入する予定。一方、ジャパンエフエムネットワークと共同設立されるのは、北海道・東北向けの「北日本マルチメディア放送株式会社」、東海・北陸向けの「中日本マルチメディア放送株式会社」、近畿向けの「大阪マルチメディア放送株式会社」、中国・四国向けの「中国・四国マルチメディア放送株式会社」、九州・沖縄向けの「九州・沖縄マルチメディア放送株式会社」となる。

 地方ブロックごとに設立される企画会社6社には、全国FM放送協議会(Japan FM Network、JFN)加盟38社のグループ会社である「ジャパンエフエムネットワーク」や、各地のJFN加盟局が出資する。たとえば東京マルチメディア放送には、TOKYO FMやジャパンエフエムネットワーク、エフエム栃木、エフエム群馬、エフエムラジオ新潟、長野エフエムが出資する。資本金は各社1000万円だが、放送以外の参入希望企業の参加を呼びかけ、2000万円まで増資する方針。

 今後は、市場調査やサービス研究、委託放送事業(ソフト事業)の事業計画や、受託放送事業(ハード事業)の調査などを行う。

 



(関口 聖)

2009/10/6 15:12