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ソフトバンクテレコム、iPhoneの法人活用事例を紹介


ソフトバンクテレコムの宮内氏

 ソフトバンクテレコムは、iPhoneの法人活用事例を紹介する説明会を開催した。発表会には、同社の代表取締役副社長 兼 COOの宮内謙氏や、元リクルート、杉並区和田中学校の元校長である大阪府特別顧問 藤原和博氏らが登壇した。

 宮内氏は、挨拶の中で、話題のiPhoneがコンシューマー市場だけでなく、「法人市場でもうねりが起こっている」と話し、iPhoneが生産性の向上、コストダウン、セキュリティの強化に繋がるとした。米コンサル企業のCFI Groupや、同国調査会社のJ.D. Powerの資料を引用し、顧客満足度で個人も法人もiPhoneが1位を獲得していることを紹介した。

 ソフトバンクテレコムでは、2000人の営業スタッフにiPhoneを導入している。社内調査の結果、iPhoneを導入したことで1日平均50分の新たな時間が創出され、1日平均32分ほど残業時間が減る結果になったという。宮内氏は、「全員に残業手当がつくとすれば、年間で20億円が浮いたことになる」と語った。

 また、シンクライアント型のソリューションが最近「クラウドコンピューティング」などと呼ばれていることを紹介し、宮内氏は「iPhoneがパソコンそのもの。インターネットマシンとして使うといろいろなことができる。これからモバイルベースのクラウドコンピューティングが起こってくるのではないか」などと話した。

 さらに最新版のiPhone OSではセキュリティが強化されたことを紹介し、宮内氏は「社内のりん議システムも完璧に使えるようになったと思っている」などと述べた。同氏はこのほか、ソフトバンクテレコムのショップ各店の創意工夫や、現場の声を本社に集約し、毎日グラフ化していることを紹介。こうした取り組みはパソコンだけでなく、ICTが非常に効果的だとした。

 宮内氏によれば、学生が自分でモバイルインターネットを積極的に使っている一方で、企業でのICTの活用が遅れているとの見解を示し、「企業のミッションクリティカル(基幹業務)に直結するのがiPhoneだと思う」と語った。

 ちなみに、宮内氏は1年前にそれまでのiPhoneと携帯電話の2台持ちから、iPhone1台にしたという。同氏は「1カ月たてばiPhoneの良さが非常によくわかる」と述べ、説明会に出席する報道陣に対して、「本当に使った上で批評していただきたい。本当にはまりこんでいただくと、これからのモバイルがどのような方向に向かうのかがわかる」などとアピールした。



携帯をフル活用した「よのなか科」の授業

藤原和博氏

 スペシャルセッションとして登場した藤原和博氏は、「モバイル端末を使った新しい教育現場」と題して、携帯電話をフル活用した授業の模様を紹介した。

 藤原氏は、杉並区の和田中学校時代から「よのなか科」と題して体験型授業を展開している。同氏は、「よのなか科」を「通常授業とは異なり正解があるわけではない。生徒が同時多発的に考えていくもの」などと説明した。

 藤原氏はまず、「〜がわかる人はを手を挙げて意見をください」と投げかけ、手を挙げる報道陣がいないのを確認すると、「日本人は“わかる人”と聞かれると、正解がわかるまで回答しない。これが日本の教室で今この瞬間に起こっていること」などと日本の学校教育の問題点を指摘した。

 次に、「学校に携帯電話を持ち込むべきかどうか、みなさんの意見をその場で一斉に言って欲しい」などと述べた。これには少数が反応したものの、多くは言葉を発しなかった。

 藤原氏は「一斉にと言ってもそうはいかない。ただ、このつぶやきをケータイを使うことでリアルタイムに授業に反映させる」と話す。つまり、実際の授業では、生徒たちは自分の意見や考えを携帯電話を使ってその場でコメントし、その内容がリアルタイムに黒板側にあるモニターに反映されていくことになる。藤原氏は、ラジオのパーソナリティのように、その場の意見にスポットライトを当てていくというわけだ。

 こうした授業は、大阪府立柴島高校で実施された。2回に渡って行われた授業では、最後に感想をその場でレポートさせた。その際、結論を書いた上でその理由を2つ書くという方法をとった。藤原氏によれば、携帯電話を使って多くの生徒が8分程度で400字以上のレポート書き上げたという。もちろんその内容もモニター上に次々に表示されていく。スピード感のある双方向のやりとりは、授業を活性化させ、意見の質と量が上がるという。

 藤原氏は携帯電話について「高校生以上は100%持っているため、“持つな”は難しい。授業で使わせて、プライベートではなくパブリックユースであることをきっちり教える。携帯電話はパブリックな感覚を子どもたちに教えられるツールだ」などと語った。なお、講演後の囲み取材の場で同氏が語ったところによれば、友達にメールするなど、授業中にプライベートな利用が発覚した場合、すぐに「よのなか科」の授業を取りやめるルールを決めてから授業を行うという。

 こうした取り組みは当初、携帯電話で実施されたが、ソフトバンクからiPhoneを借りて同じように授業に導入され、現在では藤原氏以外の教員達が授業を展開しているという。多くの生徒がiPhoneを使うことが初めてだったというが、子どもたちはすぐに使えるようになるという。

 藤原氏は、「ケータイって言うけど、なんだモバイル端末じゃん。全国の小中学校にはデスクトップパソコンが鎮座ましましている。コンピュータールームにパソコンがあるのではなく、ニンテンドーDSやiPhoneのようなものが将来の学習作法として、可能性がある」などと語った。



活用事例

 説明会ではこのほか、ジェイマックシステムやイーサイトヘルスケア、メディヴァらの医療分野でのiPhone活用事例や、日本電子専門学校のiPhoneの活用事例などが紹介された。


 

(津田 啓夢)

2009/10/15 18:40


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