3つの技術で電力制御、auの基地局に試験導入


 KDDIは、太陽光発電、蓄電池、深夜電力を利用する電力制御技術をauの携帯電話用基地局に試験導入する。運用は2009年12月下旬よりスタートする。

 同社ではこれまで、商用電力が利用できない北海道の一部エリアなど数カ所の基地局で太陽光発電装置を設置してきた。また全ての基地局で鉛タイプの蓄電池を導入してきたが、停電時のバックアップ電源という用途に限定されてきた。

 今回の実験は、効率的な電力利用を目指すもので、夜間は深夜電力で蓄電しておき、日中、条件が良ければ太陽光発電で、条件が厳しければ蓄電池や商用電力を併用し、時間帯毎に最も効率的な電力を選択肢ながら基地局を運営する。蓄電池は、リチウムイオン電池も用いられる。太陽光発電・蓄電池・深夜の商用電力と3つの電力技術を用いていることから、今回の実験に用いる技術は「トライブリッド方式」と呼ばれている。

 2009年度中に新潟県内の2局、茨城県筑波周辺の2局で実験を行い、2010年度にはさらに6局で実験を行う。これまでの実験結果により、トライブリッド方式による運用では、商用電力の消費量とCO2排出量がともに20~30%削減できる見込みとなっており、実験を通じてより詳細なデータを得るという。

電力供給イメージ
設備構成図

 

(関口 聖)

2009/10/27 14:57