国民生活センター、“無料”ゲームのトラブル増加を報告


 国民生活センターは、携帯電話やパソコン向けのオンラインゲームに関して寄せられている相談内容を明らかにし、業界団体に対して問題点の解決に取り組むよう要望を行った。

 同センターの報告によれば、携帯電話・パソコンのオンラインゲームにに関する相談は、2009年度ですでに654件が寄せられている。このうち4割の273件が“無料”をうたうオンラインゲームに関するもので、事例として、小学生の息子がテレビCMで“無料”とうたっていたオンラインゲームで遊び、アイテムを購入して高額な請求が来たという例や、同じく“無料”とうたっているので遊ばせていたらパケット通信料が高額になっていた、などというもの。このほか、アクセスして登録しただけで高額な請求がなされたワンクリック請求の事例や、個人情報を要求されその後連絡が取れなくなるといったトラブルも相談の例として挙げられている。

 同センターでは、「無料とうたっていても、すべてを無料で利用できるわけではない」と注意を促しているほか、小学生などではゲーム内通貨と現実のお金との区別がついていない場合もあるとしている。

 ユーザーへのアドバイスとして、同センターでは「無料とうたっていても利用料、通信料がかかることがある」とし、子供が利用する場合には保護者がしっかりとチェックすることが重要としている。また、ワンクリック請求では言われるがままに支払わないこと、不用意に個人情報を教えない、消費生活センターに相談するといったアドバイスを公開している。

 さらに国民生活センターでは、携帯電話などで“無料”をうたうオンラインゲームに関連した相談が多数寄せられていることから、オンラインゲームの提供会社が広告などで“無料”ばかりを強調する手法も問題視。ユーザーが利用料、通信料がかかることを十分に認識できる表示を行うよう、日本オンラインゲーム協会とモバイル・コンテンツ・フォーラムに対して要望した。

 



(太田 亮三)

2009/12/17 13:39