NEC、FOMA網を使った機器間通信サービス


 NECは、NTTドコモのFOMAネットワークを利用し、電子マネーの決済情報などをやり取りできる機器間通信サービスの提供を開始した。事例第一号として、日本自動販売協会(JAMA)で導入される。

 今回提供が開始された通信サービスは、機器と機器の間で、各種データを送受信できるようにするもの。NECでは、店舗などで電子マネーが利用できるようにするためのサービスとして、「マルチサービスリーダーライター」「マルチサービスゲートウェイセンター」の2つを組み合わせた「マーケティング&ペイメント基盤サービス」を提供している。今回の通信サービスは、「マーケティング&ペイメント基盤サービス」のメニューの1つとして用意され、電子マネーの決済データや、会員サービス、ポイント、クーポンなどのデータの伝送路となる。

 NECでは、ルーター機能とハブ機能を搭載した「マルチポートルータ」を開発。同機器では、自動販売機や券売機などを最大3台まで接続でき、1カ所に複数の自動販売機が設置されているような場所に導入すれば、1回線で複数機器のデータを送受信できる。機器間通信に特化することで、データ通信量が一定となり、定額料金で提供される。なお、今回のサービスは、NECがMVNOとして回線を調達したのではなく、NTTドコモが機器間通信向け料金プランを用意したことで実現している。今回の通信サービスを含めた「マーケティング&ペイメント基盤サービス」の利用料は、1台あたり月額1000円~となる。

 第一号事例となる日本自動販売協会では、「JAMA電子マネー化共同プロジェクト」で導入。NECでは今後3年間で、約10万台の自動販売機が今回のサービスを利用すると見込んでいる。

 



(関口 聖)

2010/1/13 16:55