米アップル、タブレット型端末「iPad」発表


iPad

 米アップルは、9.7インチのディスプレイを搭載し、電子書籍閲覧アプリ「iBooks」やiPhone用アプリを利用できるタブレット型端末「iPad」を発表した。Wi-Fi(無線LAN)版とWi-Fi+3G版が用意され、Wi-Fi版は全世界で3月下旬に、Wi-Fi+3G版は米国と一部の国で4月に発売される予定。

 「iPad」は内蔵メモリ別に16GB、32GB、64GBの3モデルがラインアップされる。米国での価格は、Wi-Fi版がそれぞれ499ドル、599ドル、699ドル。Wi-Fi+3G版ではそれぞれ629ドル、729ドル、829ドル。米国以外での価格は追って発表される。

 「iPad」は、9.7インチ、1024×768ドットのIPS液晶ディスプレイを搭載し、インターネットに接続可能な薄型の端末。静電容量方式のマルチタッチに対応したディスプレイを搭載し、LEDバックライトを採用している。アップルのノートパソコン「MacBook Pro」のディスプレイ部分だけを取り出したようなアルミボディで、正面にはiPhone同様にホームボタンが搭載されている。

 通信方式はIEEE802.11b/g/a/nのWi-Fiのみに対応するモデルと、Wi-Fiに加えて3Gに対応したバージョンが用意される。3Gはデータ通信のみを利用できる。サポートされる周波数帯はUMTS/HSDPA(850/1900/2100MHz)とGSM/EDGE(850/900/1800/1900MHz)。3Gは下り最大7.2MbpsのHSDPAをサポートする。米国ではAT&Tがプリペイドのデータ通信プランを提供し、端末上で回線を契約できる。

 SafariによるWebサイトの閲覧やメール、写真の管理、動画の再生、HD版YouTubeの閲覧、iPod機能、App Store、iTunes Store、3Dゲーム、カレンダー、地図、ノート、Spotlightによる検索などを大画面で行える。ユーザーインターフェース(UI)はiPhoneの操作体系に近いものが採用されており、タッチパネル上に大きなQWERTYキーボードの表示が可能。アドレス帳では手帳を開いたようなデザインで利用できるなど、大画面とタッチパネルを活かしたUIが採用されている。本体のOSは、表示言語、キーボードともに日本語もサポートされている。

 すべてのiPhone用のアプリをApp Storeからダウンロードして利用できるとしており、iPhone用アプリは拡大表示するモードも用意される。iPad向けの「iWork」が提供され、オフィス文書をタッチ操作で編集・閲覧できる。3つのアプリ「Pages」(ワープロ)、「Keynote」(プレゼンテーション)、「Numbers」(表計算)はApp Storeでそれぞれ9.99ドルで提供される。

 USBでパソコンと接続することで、パソコン版のiTunesと同期が可能。写真や動画、アドレス帳、カレンダーなどを同期できる。

 電子書籍を閲覧できるアプリ「iBooks」を搭載。米国の大手出版社が「iBooks」に対応する電子書籍を提供する予定で、新たに用意される「iBookstore」で購入しダウンロードできる。購入した電子書籍は書店の本棚のように表紙を並べて表示できる。画面全体にページを表示し電子書籍用端末のように閲覧できるほか、表示する際のフォントも選択可能になっている。

 CPUはアップルが開発した1GHz駆動の「A4」。無線LANのほかに、Bluetooth 2.1+EDRも利用できる。3.5mmヘッドホンジャック、スピーカー、マイク、本体下部に30ピンのDockコネクターを装備。DockコネクターはUSBに変換できる。加速度センサー、電子コンパスが搭載され、Wi-Fi+3G版ではA-GPSと基地局位置情報も利用できる。カメラは非搭載。

 Wi-Fi利用時で約10時間の駆動が可能。大きさは242.8×189.7×13.4mmで、重さはWi-Fi版が680g、Wi-Fi+3G版が730g。

 このほか、別売りのオプションとして、傾きを固定して設置できるキーボード付きのスタンド「iPad Keyboard Dock」が用意される。同スタンドを利用すれば、iPadを充電しながらハードウェアのキーボードを利用できる。またブックカバーのように全体を覆うケース「iPad Case」も用意される。同ケースでは、カバー部分を折り返すことで横向きのスタンドのように利用できる。

 

(太田 亮三)

2010/1/28 05:53