ウィルコムの「HYBRID W-ZERO3」、販売開始


 ウィルコムは、PHS/3G対応のシャープ製スマートフォン「HYBRID W-ZERO3(ハイブリッド ダブリューゼロスリー)」の販売を開始した。

 「HYBRID W-ZERO3」は、PHSでの通話、パケット通信に加えて、NTTドコモのFOMA網を利用したパケット通信も可能なシャープ製のスマートフォン。スライド型で、QWERTYキーではなく、携帯電話などと同じテンキーを装備する。OSはWindows Mobile 6.5で、CPUはクアルコムの「MSM7200A」で、528MHz駆動。約3.5インチ、480×854ドット、タッチパネル対応のモバイルASV液晶ディスプレイやオートフォーカス対応の500万画素カメラ、モーションセンサー、GPS、Bluetooth、無線LAN、赤外線通信、microSDカードスロットを装備する。

 1月14日より予約受付を開始し、28日発売となった。東京・秋葉原のヨドバシカメラ マルチメディアAkibaでは、JR秋葉原駅昭和通り口にほど近い入口付近に「HYBRID W-ZERO3」のブースが設けられ、来店者に向けて、そのスペックなどをアピール。平日の昼過ぎという時間帯でも多くの人が来店しており、「HYBRID W-ZERO3」のブースで立ち止まり、モックアップや実機の感触を確かめるユーザーもいた。

ヨドバシカメラ マルチメディアAkibaのHYBRID W-ZERO3コーナー

 開発を担当するウィルコムデータ通信企画室室長の須永康弘氏は、「競争環境が激化する中、(HYBRID W-ZERO3の開発に)ベストを尽くした。苦労した点はテンキーへの対応。OS側は、もともとそういった作りになっていないが、携帯電話から乗り換えやすいようにするため、必須のものだった」と語る。予約状況は好調で、特に既存ユーザーの機種変更件数は、想定を上回るものだったという。

ウィルコムの須永氏

 国内のスマートフォン市場は、「iPhone」や「Xperia」、ソフトバンクモバイルから登場予定のAndroid端末など活況を呈しつつある。それはすなわち、ウィルコムにとって競争環境が激化することになるが、須永氏は「ユーザーの財布は1つであり、その意味で競争は激しくなる。ただ、各端末はそれぞれ“主張”が異なり、ユーザー層も自ずと分かれるのではないか」と予測した。

 一方で、ウィルコムは事業再生ADRを進めているが、須永氏は「経営サイドのことは語れないが、開発サイドとしては真面目に、良い物、サービスを作るだけ。特に今回のHYBRID W-ZERO3は、端末だけではなくコンテンツや料金も新たに開発を進めた。これは当社として初めての取り組みで、それだけ強い意志で進めてきた。ユーザーの皆さんにはぜひ手に取って体験して欲しい」と語っていた。

 なお、販売当初におけるHYBRID W-ZERO3のEメールアプリはOutlookをベースにしたもののみプリセットされているが、近日、オリジナルのメールアプリが提供される予定。オリジナル版では、メールアカウントのセットアップがより簡便になっている。このほか、バージョンアップに向けた取り組みも継続されるとのこと。

 



(関口 聖)

2010/1/28 16:51