KDDI研、オープン端末のアプリを保護するICカード連携技術


 KDDI研究所は、ICカードと連携し、アプリを保護する技術「アプリロック」を開発した。オープンな携帯電話プラットフォームで、アプリの不正解析やコピーが防止できるとしている。

 「アプリロック」は、保護対象のアプリを難読化技術によって保護し、ICカード(SIMカード)がなければ実行できないようにするというもの。このSIMカードには、データをアプリから受けて本来の実行結果に変換するプログラムが含まれており、復号処理に必要なパラメータは1アプリあたり最大200バイト程度となる。また、管理アプレットによって、アプリの利用制限や利用回数の制御も可能としている。

 KDDI研究所では、オープンプラットフォームを採用した端末はソースコードが入手できるため、アプリの不正解析が用意に行えるとしており、公開されたファイル操作コマンドによって、アプリが不正にコピーされる可能性があるとしている。今回の技術は、こうした問題を解決するものとしており、研究所ではゲームアプリにこの技術を適用させ、実際の携帯電話でコピー防止機能を実現しているという。

 また、Webアプリケーションなどにも応用可能で、クラウド上にあるデータの鍵としてアプリロックの仕組みが利用できるとしている。万が一、携帯電話を紛失した場合も遠隔制御でSIMカードのロックが可能。アプリロック対応SIMカードでは、ピン入力が設定できるなため、通信圏外のエリアでもパスワード設定が可能。

 なお今回の技術は、すでに実際のモバイル機器で開発されており、「技術的にはすぐにでも導入できる」(担当者)という。KDDI研究所では今後、1年程度かけて顧客となる企業へのヒアリング調査をかさね、ソリューションビジネスなどへ展開していく方針。


 

(津田 啓夢)

2010/3/18 13:20