サイボウズ、iPhoneやAndroidなどスマートフォン対応拡充


サイボウズ 青野氏

 サイボウズは、3月18日、グループウェア「サイボウズ」の戦略説明会を開催した。この中で、スマートフォン向けの同期アプリにも言及された。

 サイボウズは、今年2月、Windows Mobile対応の同期アプリ「サイボウズモバイル KUNAI for Windows phone」と、BlackBerry向けの同期アプリ「サイボウズモバイル Sync for BlackBerry」を発表した。

 今回の説明会において、サイボウズの代表取締役社長の青野慶久氏は、サイボウズがバージョンアップを重ねながら追加してきた機能があまり使われていない現状を明かし、「パソコンに向かわないと使えない。ケータイは使いにくい」といった問題点を指摘した。また、同社SMB戦略部の野水克也氏もプレゼンテーションの中で、ユーザーが一日にパソコンに触る時間についての調査結果を紹介。43%が30分未満、44%が30分~1時間(いずれもサイボウズ調べ)と、実に9割弱のユーザーが1日1時間以内のパソコン利用だったと話した。


KUNAIサイボウズは総合グループウェアへ

 サイボウズでは、KUNAIの提供によって、場所を問わずに利用できる環境を用意する。こうした同期アプリは、マルチプラットフォーム展開する方針で、発表済みの「サイボウズモバイル KUNAI for Windows phone」と「サイボウズモバイル Sync for BlackBerry」のほか、iPhone版やAndroid版も投入していく。

 なお、「サイボウズモバイル KUNAI for Windows phone」は3月中にも提供される予定。そのほかの同期アプリについては詳細は語られなかったが、iPhone版はまず夏までに簡易版の同期アプリが用意され、次期「サイボウズ Office」の投入までにKUNAIのiPhone版が提供される予定という。

 Android版についてはそれ以降になる見込み。次期サイボウズ Officeの提供時期への言及は避けたが、まず現行の「サイボウズ Office 8」をKUNAIに対応させ、それ以降の提供になるとした。



 さらに説明会では、無償提供中のグループウェア「サイボウズLive」について、iPhone版のクライアントアプリの提供が検討されていることなども明らかにされた。青野氏は「Google Appsと比較されるケースがあり、大きな危機感を感じている」と語り、「サイボウズLive」の提供意図を説明した。同社はグループウェア専業企業として、スマートフォンへの対応や、業種特化型サービス「サイボウズ かんたんSaaS」の提供、「サイボウズLive」の提供など、総合的なグループウェアとして差別化を図っていく考えだ。

 今回のサイボウズの説明会は、Ustreamを使ったストリーミング中継や、Twitterを使った公開質問なども実施された。会場ではこのほか、KUNAIのタッチ&トライコーナーなども用意されていた。


 



(津田 啓夢)

2010/3/18 17:26