Snapdragon搭載、映像美を追求した「REGZA Phone T004」


REGZA Phone T004 ルーチェホワイト

 「REGZA Phone T004」は、「レグザ」ブランドを冠し、映像美を追求した東芝製のCDMA 1X WIN端末。2軸ヒンジを搭載し、IPX5/7相当の防水性能を備える。6月中旬発売予定で、価格は5万円台後半になる見込み。

KCP3.0採用の先行モデル

 T004は、auの2010年夏モデルにおいて、ソニー・エリクソン製の「S004」とともに、1GHzのCPUを搭載したチップセット「Snapdragon」(QSD8650)を搭載したモデルとなっている。端末プラットフォーム「KCP+」採用モデルに搭載されているチップセット「MSM7500」のクロック周波数は384MHz、スペック値換算ではあるが、Snapdragonは約2.6倍高速化することになる。KDDIでは、Snapdragonに対応したプラットフォームを「KCP3.0」と名付け、以降、端末拡充を図っていくことになる。なおKCP3.0は、KCP+を Snapdragon向けに最適化したもので、プラットフォームとしての機能はKCP+と同等。今回のT004は、新プラットフォームを先行採用したモデルとなっている。

 開発段階の端末ではあるが、発表会後のタッチ&トライでその動作を確認したところ。従来のCDMA 1X WIN端末よりも動作が速い印象。フルブラウザの起動やメニュー周りのレスポンス、カメラ起動→撮影→保存画像のスライドショー表示といった全体的な流れにしても、いわゆる“さくさく”とした動作が体感できた。

モバイルレグザエンジン2.0

 また、新たに「モバイルレグザエンジン2.0」が搭載される。東芝のテレビブランド「REGZA」の名を冠したこのエンジンは、これまで輝度の補正機能として搭載されていた。モバイルレグザエンジン2.0では、Snapdragonによる高速処理が可能となったため、周囲の明るさに応じて画質の色表現を調整する「オート画質調整」機能や、曲線部のジャギーノイズを低減する「ノイズリダクション」機能がなどが搭載されている。

 端末はワンセグに対応するほか、AV機器との動画連携機能なども利用できる。ソニー製録画機器の「おでかけ転送」機能をサポートするほか、REGZAの内蔵ハードディスクに保存されたワンセグ映像をmicroSDHCカード経由で視聴できる「レグザリンク」をサポートする。

 さらに、東芝製のパソコン「dynabook」「Qosmio」で録画した映像を高画質に持ち出す「地デジ持ち出し」も利用可能。担当者によれば、現時点では、東芝製ノートパソコンのみに対応しているが、今後発表されるREGZAではテレビからの「地デジ持ちだし」をサポートする予定という。

 このほか画像表示関連の機能では、撮影した写真をフォトフレームのように楽しめるスライドショー機能が盛り込まれている。モルフォの画像技術を採用しており、5種類の表示パターンで画像が閲覧できる。この画像表示についてもSnapdragonによって、きびきびとしたレスポンスが得られた。

アズールブルームーンブラック

無線LAN機能はmicroSDカードで対応

 側面部に用意されたmicroSDカードスロットはSDIO規格に対応している。別途オプション品として提供される「au Wi-Fi WINカード」(4200円前後を予定)を装着することで、無線LANを利用した「Wi-Fi WIN」サービスを利用できるようになる。無線LAN接続することで、LISMO Videoなどの大容量動画コンテンツが楽しめるほか、au端末では視聴しにくかったYouTubeなどのFlash Video形式の動画が視聴できるようになる。

 なお、microSDカードスロットは1つのみで、「au Wi-Fi WINカード」にデータ記録部分はなく、microSDメモリカードとは同時利用はできない。こうした制約があるため、端末に内蔵されるFlashメモリは1GBサイズ(ユーザー領域828MB)と大容量になっている。

 このほか会場の担当者によると、今後のKCP3.0採用モデルは、無線LAN機能を内蔵するか、T004のように「au Wi-Fi WINカード」経由で無線LAN機能が利用できるようになる見込みだという。

主な仕様

 端末は回転2軸ヒンジを採用し、横画面利用時には映像関連のメニューのランチャー「ビジュアルランチャー」が表示される。操作キーは、隣合うキーの高さを変更し、押し間違いを軽減させる工夫がなされており。数字キーについても上下の感覚を大きく取って、誤操作防止に配慮されている。、

 メインディスプレイは約3.2インチ、480×854ドットのTFT液晶で、のぞき見防止モードが用意されている。サブディスプレイは約0.8インチの有機ELディスプレイ。外部メモリーは最大16GBのmicroSDHCカード。

 カメラ機能は、1219万画素のCMOSカメラを搭載し、オートフォーカス、手ぶれ補正をサポートする。笑顔を作るとシャッターが切れる「笑顔検出シャッター」や、顔の振り向きを検知する「振向き検出シャッター」などが利用可能。手ぶれ補正は動画もサポートしている。

 国際ローミング機能は、グローバルパスポートGSM/CDMAに対応する。GSM方式をサポートしたことで、193の国や地域での通話、143の国や地域でのメールやEZwebなどの利用が可能となっている。

 主な対応サービスは、LISMO Music Video Book、EZナビウォーク、ワンセグ、EZニュースEX、赤外線通信、au Smart Sports、EZ助手席ナビ、おサイフケータイ、デコレーションアニメ、Bluetooth。ダウンロードフォントや電子辞書機能なども利用できる。

 連続待受時間は約260時間、連続通話時間は約220分。大きさは約111×51×17.1mm、重さは約149g。ボディカラーはルーチェホワイト、アズールブルー、ムーンブラック。


側面部にワンセグ用のアンテナが収納されている
無線LAN対応のmicroSDHCカード
画像のスクロールが快適に行える
トウシバ犬のデコレーション絵文字がプリセットされている

 



(津田 啓夢/太田 亮三)

2010/5/17 10:40