au、「徹底的にユーザビリティにこだわった」夏モデル


 KDDIは、新端末10機種の詳細を明らかにし、発表済み端末と合わせて13機種を2010年の夏モデルのラインナップとして発表した。

2010年夏に展開する13モデル

「徹底的にユーザビリティにこだわっていく」

KDDI 取締役執行役員常務の田中孝司氏

 発表会の冒頭に登壇したKDDI 取締役執行役員常務の田中孝司氏は、「徹底的にユーザビリティにこだわっていく」と今後の意気込みをまず明らかにし、すでに発表されているISシリーズがスマートフォンとしてのみならず、使いやすさにもこだわっている点を紹介。エリア品質についても、依頼から48時間以内に調査を実施するといった施策を紹介し、フェムトセルなど新たな提供形態にも触れ「さらなるエリア拡充に徹底的にこだわりたい。ユーザビリティを強化していく」と、ユーザーの使いやすさを中心に据えた戦略を明らかにした。



新端末は全機種防水、新プラットフォーム「KCP3.0」も

KDDI コンシューマ事業本部 サービス・プロダクト企画本部長の増田和彦氏

 具体的なラインナップは、KDDI コンシューマ事業本部 サービス・プロダクト企画本部長の増田和彦氏から説明された。

 同氏は市場の傾向としてスマートフォンが注目されるものの、通常の携帯電話が依然として大きな市場として存在している点を紹介し、しっかりとフォーカスしていく姿勢を示す。その上で、これら一般的な携帯電話では「ユーザビリティ(使いやすさ)の向上が大きなポイント」として、「プラットフォームの進化」「基本機能の強化」の二つを挙げる。

 プラットフォームの進化としては、Snapdragon搭載端末で対応する新プラットフォーム「KCP3.0」を紹介。「SnapdragonにKCP+の資産を完全移植した」とKCP+を継承しつつSnapdragonでの動作を可能にした点を紹介し、さらに「LTE時代までのプラットフォームとして継続進化する。マルチキャリア Rev.AなどもKCP3.0で開発する」とし、当面の間、KCP3.0を最先端のプラットフォームとして展開していく方針を明らかにした。加えて、Eメールメニューの起動時間が約2.3倍となる例を示し、Snapdragon搭載で処理速度が大幅に向上するとした。今後もSnapdragon搭載機種は拡大する見込みで、将来的にはミドルクラス、ローエンドと拡大していくという見方も明らかにしている。

KCP3.0はKCP+をSnapdragon上に移植したもの新たな10機種はすべて防水性能を実現

 

 一方、基本機能を強化する取り組みでは、ボタンの押しやすさや操作の分かりやすさといった、基本機能への要望が年々高まっているとする調査結果を示し、メールや通話同様に「防水」へのニーズが高い様子も紹介。新たに発表した10機種を全機種「防水」とし、「選べるキーパッド」「高機能カメラ」「高画質映像」「進化したソーラーフォン」「スリムカラー&シンプルスタイル」を加えた6つのカテゴリーに分けて新端末を解説した。

 また、サービス面でも基本機能が強化されており、メールでは3000種類の絵文字をプリインストールしたり、デコレーション絵文字の検索を簡単にしたりといった機能を挙げたほか、赤外線通信の送信時に端子の場所を画面に表示するといった細かな改善点にも触れた。

 同氏はスマートフォンと携帯電話の棲み分けについて、「一定量(のユーザー)がスマートフォンに移行するだろう」との予想を明らかにするものの、「ユーザーが置き換わるのかどうかなど、検討を進めているところ」と市場を注視している姿勢を示し、またスマートフォンについても「中長期的にはハイエンドモデルだけではないだろう。今はフルタッチ操作をイメージするが、入力のしやすさ、しにくさなど、いろいろな声があるのも事実」として、さまざまな選択肢が検討されている様子を窺わせた。

 

プレゼンテーション

 



(太田 亮三)

2010/5/17 18:41