ナビタイム、au網利用の通信カーナビ「CAR NAVITIME」


 ナビタイムジャパンは、通信カーナビ「CAR NAVITIME」(WND-01K)を7月以降に発売する。価格は4万3800円。通信部分についてはauの携帯電話網を利用し、専用の定額料金プラン「WNDプラン」(月額525円、2年契約)が用意される。専用サイト、au Online Shopのほか、全国のau取扱店で販売される。

 ナビタイムジャパンでは、携帯電話向けに「EZ助手席ナビ」などのカーナビサービスを提供しているが、今回発売されるWND-01Kは、同サービスに特化した専用デバイス。現在、カーナビ市場では、「PND」(Personal/Portable Navigation Device)と呼ばれる安価な製品が注目を集めているが、WNDは「Wireless Navigation Device」の略とされており、同社では、このコンセプトで新たなマーケットカテゴリーを創出していくとしている。

 ハードウェアとしては、5インチ、480×272ドット(WQVGA)の抵抗膜方式タッチパネルディスプレイを装備し、auのEV-DO対応通信モジュール、GPSレシーバーのほか、ジャイロセンサー、加速度センサーを内蔵。地図データ更新用のSDカードスロットも装備している。OSはWindows CE。通常は自動車のシガーライターからの給電により動作するが、バッテリーも内蔵しており、車外に持ち出した場合でも約2時間使用できる。このほか、ワンセグにも対応する。

ワンセグにも対応

 25m~400kmスケール(13段階)の地図データ(約4GB)が内蔵メモリ(8GB)上に搭載されており、通信が行えない場合でも地図表示は行える。地図データについては、年に3回、通信経由でのアップデートが行われるほか、年に1回、SDカード経由(PC利用)でのアップデートを予定している。

 通信機能を利用すれば、全国の渋滞情報(オンデマンドVICS)や各種スポット情報などを取得できる。また、昨今の複雑なETC割引情報も調べられる。このほか、携帯電話やPCのNAVITIMEとの連携機能も用意されており、NAVITIME IDでCAR NAVITIMEにログインすることで、携帯電話やPCで調べたルート情報を簡単にナビ本体側に転送できる。また、ナビ側で調べたクーポン情報などは、QRコードを表示させることで、簡単に携帯電話上に取り込むこともできる。

 大きさは149×92.5×28.5mm、重さは約300g(バッテリー含む)。パッケージには、マウントキットやカーアダプター、ACアダプターなどが同梱される。

左側面右側面

「Link→au」アライアンス第一弾

ナビタイムジャパン代表取締役社長の大西啓介氏(左)とKDDI取締役執行役員常務 グループ戦略統括本部長の高橋誠氏

 ナビタイムジャパン代表取締役社長の大西啓介氏は、「これまで提供してきたEZ助手席ナビは、あくまでも同乗者向けということだったが、運転者向けにもきちんとサービスを提供したい。」と、専用デバイスを発売するに至った経緯を説明。今後はバイク用、自転車用、さらには法人向けに同種のデバイスを開発していくことも明らかにした。

 同氏は「ナビタイムの有料会員は400万人以上で、そのうち1/3(130万人)がドライブ用ナビを利用している。今年度の目標は5万台で、来年度以降も通信ナビでトップシェアを維持する」と意気込む。

 また、通信網を用意したKDDIの取締役執行役員常務 グループ戦略統括本部長の高橋誠氏は、「(通信事業者としては)今後、通信機能付きデバイス市場がターゲットになってくる。例えば、iPadなどは、通信事業者が用意するマシンではなく、外の方が用意されるマシン。これに対し、いかに通信環境を提供していくか、ということで始めるのが『Link→au』。共同検討によって、お客様に最適なサービスを実現していくアライアンスで、どんな端末にどれぐらいのデータ量が流れるので、これくらいの料金、という風に決めて行く」と今回のアライアンスの背景を説明。

 同氏は「ナビゲーションのクラウドの時代への第一歩」と述べ、CAR NAVITIMEとLink→auというアライアンスの成功に期待を寄せていた。

(湯野 康隆)

2010/5/24 16:07