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ドコモ第1四半期は3年ぶりの増収、パケットARPUも大きく伸びる


NTTドコモ 代表取締役社長の山田隆持氏
2010年度第1四半期決算の概要

 NTTドコモは2010年度第1四半期の連結業績決算を発表した。営業収益は前年同期比0.4%増の1兆892億円(携帯電話収入は2%減の8642億円)、営業費用は1.9%増の8487億円、営業利益は4.5%減の2405億円、当期純利益は3.5%減の1422億円、EBITDAマージンは2.4ポイント減の36.9%、フリーキャッシュフローは472億円で、増収減益となった。わずかだが増収に転じるのは3年ぶりとなる。

 29日に開催された決算説明会では、NTTドコモ 代表取締役社長の山田隆持氏が説明を行った。山田氏は「新たな成長分野で着実にユーザーを獲得できた」と振り返り、純増数が前年同期比で64%増を達成したことや、端末販売数が2年半ぶりに増加に転じたこと、パケットARPUの伸びが加速したことなどを紹介した。

 ほかのキャリア同様に、ドコモでも音声ARPUの減少が続いているが、パケットARPUを増加させる各種の施策を講じた結果、前年同期比で80円の増加と伸びており、営業収益に貢献している。山田氏は「パケットARPUの向上は経営を左右する重要な要素。80円の伸びは非常に嬉しい。順調なスタートではないか」などと評価。パケットARPUの伸びについて「音声ARPUの減を、パケットARPUの増で補えるようになってきた。そのほかの増収を足せば、音声ARPUの減収をまかなえるようになってきている」と説明し、パケットARPUが音声ARPUを逆転する時期についても「第3四半期か、第4四半期になる可能性が高いのではないか」と今年度中に逆転できるとの見通しを示した。なお、2010年度第1四半期の総合ARPUは前年同期比4.6%減の5190円で、このうち音声ARPUは2680円、パケットARPUは3.3%増の2510円となっている。

 端末販売台数については、前年同期比で6.2%(27万台)増の461万台となっている。山田氏は「2年半ぶりに前年同期比を上回った。新販売モデルの導入から2年、買い替えの需要があった。これは歓迎するところで、ずっと下がり続けていたところに歯止めがかかったのではないか」などとして、販売台数の減少が底を打ったとの見方を示した。一般的には販売数が増加すると販売費用も増加するため、一時的に収益を圧迫する傾向がみられるが、ドコモでは販売費用を89億円の減とし、「端末費用はかなり節約できた。ネットワークコストも減となり、利益を押し上げている」とコスト削減効果にも触れた。

 このほか、クレジットサービスやドイツのネットモバイルなど、携帯電話以外のほかの収入も拡大。収益の拡大に貢献している。山田氏は「こういった計画自体はオンラインだ」と進捗が予定通りであるとした。

 解約率は0.44%と前年同期と同じ非常に低い水準。「一番力をいれてみているのが解約率。しっかり使い続けてもらっており、サービスと直結しているのではいか」と自信をみせた。

決算の概要 営業利益の増減要因
ARPUはパケットARPUが伸びている 端末販売台数が2年半ぶりに前年同期比を上回る
解約率は低い水準を維持

 

iモードをオープン化、個人開発のiアプリを配信可能に

 山田氏からは決算関連の説明が終わると、最近の主な取り組みが解説された。エリア品質の向上では、48時間以内の訪問対応は第1四半期で13万件、累計81万件になったほか、端末ラインナップでは夏モデルでブランドコラボが充実したSTYLEシリーズが好調とのことで、シリーズ化してからの販売台数は累計で1900万台を突破。2011年4月以降に発売する新端末にはSIMロック解除に対応できる仕組みを搭載することにも改めて言及された。

 前述したパケットARPUの向上では、実際の取り組みとして、店頭でコンテンツの勧奨に力を入れているとのこと。例えばBeeTVでは、店頭勧奨で加入するユーザーが大幅に増加しており、その結果パケット定額の上限に達していないライトユーザーが上限まで使う例が増えたことで、パケットARPUの増加につながっているという。加えて、「らくらくホン7」でWebサイトの利用を促進する機能を盛り込んだことで、シニア層のパケットARPU拡大も図る。また、パソコン向けのデータ通信端末も好調で、こちらも「パケットARPUを押し上げる要因になっている」とした。

パケットARPUの向上。伸び率は大きく向上した BeeTVを例に、店頭の勧奨でライトユーザーのパケットARPUを向上させる取り組みを紹介

 

 iコンシェルでは地域コンテンツを拡大しており、地方ならではなの情報が届くようにコンテンツ拡大を推進している。また、中小企業や個人商店でもiコンシェルで情報を配信できるような仕組みを提供する予定。

 

スマートフォンは秋冬モデルで7機種。FeliCa、ワンセグも

 スマートフォン向けの「ドコモマーケット」をiモード向けにも提供するという内容はすでに発表されているが、山田氏は「11月にスタートさせたい。これまで個人のクリエイターはiモードでアプリを配信できなかったが、ドコモマーケットに出してください、というもの。ドコモのサーバーでコンテンツを管理する」と説明し、スマートフォンの魅力である自由にアプリが提供できる環境をiモードに持ち込むとした。

 スマートフォンへの取り組みについては、第1四半期で販売台数が30万台を超え、このうち9割がXperiaだという。また、2010年度ではスマートフォンとして100万台の販売を見込む。秋冬モデルでは当初5機種程度を発表する予定だったとのことだが、「秋冬モデルのスマートフォンは7機種に拡大する。すでにお見せしたGalaxy Sも含まれている。おサイフケータイ、ワンセグ対応機種も入れる」とし、ラインナップを当初予定よりもさらに充実させるとした。

iモードをオープン化し、個人クリエイターのiアプリを配信できるようにする スマートフォンは秋冬モデルで7機種を投入。一部におサイフケータイ、ワンセグモデルもラインナップする

 

LTEのブランド「Xi」を発表

 山田氏からは、LTEサービスに関するブランド「Xi」(クロッシィ)も発表され、LTEサービスの予定が概要として説明された。LTEは2010年12月にサービス開始予定で、直前の11月には料金プランが発表される見込み。スタート時のエリアは東京23区の一部で、東名阪でエリアを拡大しながら、2010年度内に人口カバー率約7%、基地局数約1000局の開設を予定している。2011年度からは県庁所在地級都市にエリアを拡大、2011年度末で人口カバー率約20%、約5000局の開設を目指す。また、2011年末には携帯電話型の端末が投入される予定。2012年度は全国主要都市を対象にエリア拡大を実施し、2012年度末で人口カバー率約40%、約1万5000局の開設を目標としている。

 端末についてはパソコン向けのデータ通信端末でスタート。当初はFOMAとのデュアルモード端末で、その後、LTE対応の携帯電話が2011年末に登場する予定。これは、一般的な携帯電話と一部のスマートフォンとしてラインナップされる見込みで、スマートフォンは日本市場向けに開発された端末になる模様だ。

 LTE関連の設備投資については、「当初は開始5年で3000億円としていたが、現在までのトラフィック増を考慮し、HSPAの増設よりもLTEへの投資を優先し、3年で3000億円とする」と予定より前倒しで投資していく見込みが明らかにされた。

高速、大容量、低遅延が特徴とするLTE LTE関連の設備投資は前倒しで進める
LTEサービスをXi(クロッシィ)と名付けた Xiロゴの展開イメージ

 

 同氏からはこのほか、mmbiや、グローバル展開としてタタに出資して展開しているインドでの内容が説明されたほか、2000年に策定された10年間の企業ビジョン「MAGIC」に代わる、今後10年の2020年の企業ビジョン「HEART」について解説された。同氏は新ビジョンについて、「一言で言うと、MAGICの10年間は、モバイルをどうするかというものだった。これからのHEARTは、モバイルを核としてどうするかというもの。あるサービスでは一部で、あるサービスでは核かもしれない」と説明。「ドコモはモバイルを核とした総合サービス業に進んでいきたい」と新たなビジョンを語った。

表に出される機会が少ない企業ビジョン。MAGICからHEARTに LTEはEvolveの第1弾となる

 



(太田 亮三)

2010/7/29 19:32