ソニー、ケーブル1本で端末内通信と電源供給を実現する技術


 ソニーは、端末内のデータ伝送と電源の供給をケーブル1本で実現する技術「機器内ワンワイヤ・インターフェース技術」を開発した。

 「機器内ワンワイヤ・インターフェース技術」は、ケーブル1本で、機器内のデータ伝送と電源供給をまかなえる技術。折りたたみ型携帯電話のようにディスプレイ部とキー部に筐体が分離している機器では、2つの筐体を数十本のケーブルで繋ぎ、映像や音声、制御信号などをやり取りする。今回の技術では、「このタイミングではこの信号を、次のタイミングでは別の信号を」という形で伝送する、独自の時分割多重方式により、1本の銅線(ケーブル)で複数種類のデータをやり取りできるようにした。また、独自開発のハードウェアでは「多値符号化を行うデジタル部」「データの送受信を行うアナログ部」「直流電源の重畳部」という構成で、電源もあわせて扱えるようになった。

 試作システムにおける伝送速度は940Mbpsで、消費電力は10~80mW(0~940Mbps)、待機電力は0.3mW。なお、試作システムにおけるディスプレイはワイドVGAサイズ、カメラはVGAクラスの解像度で、タッチパネルなどのせーサービス制御、LED点灯制御などが前提となっている。

 ソニーでは、ロームとともにアナログ部の試作チップを開発して、技術を検証した。またソニーが開発したデジタル部の技術をロームへラインセスすることで、アナログとデジタルをあわせた送受信の回路の1チップ化を目指すという。

 

(関口 聖)

2010/8/20 15:16