アクロディアが第三者割当増資、GMOが筆頭株主へ


 アクロディアとGMOインターネット(GMO)は、資本・業務提携契約を締結し、アクロディアの第三者割当増資をGMOが引き受けると発表した。

 今回の第三者割当増資では、アクロディアが普通株式2万2000株(1株2万8690円)を発行し、その全てをGMOが引き受ける。払い込みは9月22日付けで行われる予定で、実施後は、GMOがアクロディアの株式19.96%を保有することになり、筆頭株主となる。第三者割当増資により、アクロディアは6億2255万2000円(諸経費を引いた手取額)を調達することになり、来年7月までの運転資金として4億円、スマートフォン向けアプリケマーケット事業の開発資金に2億2200万円を用いる。

 アクロディアでは、携帯電話の着せ替え機能を実現するソリューション「VIVID UI」などを展開。VIVID UIは、国内の携帯電話の8割(2008年後半時点)に搭載され、デファクトスタンダードとしての地位を築いたが、一般的な携帯電話の出荷数は減少傾向が続いている。アクロディアのフィンランド支社が開発した「VIVID Runtime」を用いて、グローバルなキャリアグループとともにアプリ販売サービス(アプリマーケット)の展開を計画していたものの、「進捗見込みが困難」となったこと、韓国で見込んでいた案件が契約締結に至っていないこと、日本での新規ライセンス案件獲得が見込みを下回ったことなどから、売上高が未達となり、この第3四半期(連結)での純損失が約17億円になる。

 こうした中、GMOでは、Androidアプリマーケット事業への展開を模索していたとのことで、同様の事業を展開しようとしていたアクロディアと目的が一致すると判断。資本・業務提携することで合意したという。今後は、アクロディアの「VIVID Runtime」を活用し、Android向けアプリマーケット事業の立ち上げを目指し、さらには複数のソフトウェアプラットフォームに対応したアプリストアの展開もできるとしている。GMOでは、アプリマーケット事業のポータルやサーバーの運営、マーケティングなどを担当し、アクロディアはSDKやコンテンツ移植ツール、開発者向けサポートサイトの運営などを行う。

 

(関口 聖)

2010/9/6 17:56