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Skype担当者に聞く「Skype au」の狙い


 18日、auの新機種発表に合わせ、新サービス「Skype au」が発表された。パソコンなどで人気のVoIP/メッセージングサービス「Skype」をauの携帯電話で利用できるというもので、機能の詳細や料金については別途案内される予定だが、Skypeユーザー同士の通話が無料になるなど、従来版と同等の使い勝手を実現するという。

 発表にあわせて来日した、Skypeバイスプレジデント&ジェネラルマネージャーで、モバイルビジネスユニット担当のRuss Shaw氏に、KDDIとの提携について話を聞いた。

KDDIと提携した理由

――提携の経緯から教えてください。なぜKDDIとパートナーシップを締結することになったのでしょうか。

SkypeのShaw氏

 Skypeの利用度が高い日本市場での展開については、かねてからキャリアとの提携を念頭に置いていました。今回、KDDIと提携することになったのは、KDDI自身が素晴らしい企業ということも当然ありますが、携帯電話だけではなく、固定回線やCATVなど多彩なネットワークを提供する企業だから、という点が大きいですね。また田中さん(KDDI専務、次期社長)や増田さん(KDDIサービス・プロダクト企画本部長)をはじめ、KDDI側のマネージメントチームはSkypeについて、極めて熱意を持っており、サポートする体制を整えてくれました。それが非常に大きかったですね。

――携帯事業者との提携は、これで何例目でしょうか?

 KDDIは3番目ですね。これまでに英国やオーストラリアで展開するハチソン 3(スリー)や、米国のVerizon Wirelessと提携しています。

――KDDIとの提携で、他とは違う、独特の部分はありますか?

 それぞれのキャリアは、当社との提携を通じて独自の目標を持っていたと思います。KDDIさんは、Android端末をこれからどんどん提供していく上で、Skypeの持つ強みを認識されたのではないでしょうか。過去、日本市場ではスマートフォンの普及が疑問視されていた部分もあったと思いますが、iPhoneや、さまざまなAndroid端末の投入で、スマートフォンに対する認識が明確に変化してきたのだと思います。

――スマートフォンが普及する上で、Skypeが提供する付加価値とは何でしょう?

 Skypeとしては、デスクトップ端末であれ、テレビであれ、どのような端末でも利用できる「ユビキタス性」ですね。多くの人はデスクトップパソコンで利用する形でしょうが、最近はモバイルでも使う人が増えてきています。そうした中で、選択の幅を拡げるということが大きな狙いです。

――なるほど。しかし多くのSkypeユーザーが感じているメリットは「品質が良い」のに「割安」だ、ということでは?

 確かにそうです。だからこそユビキタス性を強化したいところですし、KDDIと提携した理由はそこにあります。我々自身は、まだ小さな企業で、リソースは限られていますが、KDDIさんは多くのユーザーに利用されています。今後のSkypeにとっては、KDDIが大きな力になるでしょう。

――提携の背景については納得できる一方、それでは他キャリアと協力する余地が狭くなりませんか?

 そういう可能性はあるかもしれませんね。つまるところ、「ユーザーの選択」なのではないでしょうか。KDDIさんとの提携で実現する「Skype au」のような、統合されたサービスを選ぶのか、あるいはiPhoneやWindows Phoneなどでアプリをダウンロードして利用するのか。弊社としては幅広く利用できる体制を進める、ということになります。

――ではドコモやソフトバンクモバイルと交渉しているのでしょうか?

 それは言えませんね(笑)。

――そういえば、KDDIでは、過去にいわゆるPush-to-Talk型のサービスとして「Hello Messenger」を提供していました。

 そのサービスについては知りませんでした。Push-to-Talk型サービスは4〜5年前に流行したサービスですよね。需要がなくなったので終了したのでしょうが……。

――もちろん異なるサービスではありますが、日本におけるPush-to-Talk型サービスはauユーザー同士だけ、というようにキャリアの垣根を超えられませんでした。Skypeは既に多くのユーザーに利用されていますが、他キャリアユーザーとやり取りできるかできないか、という点はユーザーからの評価に大きな影響を与える可能性があるのではないでしょうか。

 そうですね。Skypeは多くのユーザーに利用されてますが、現在使っていない人が使えないままの状況に置かれるような、障害があってはならないと思います。利用の妨げがあってはならないというSkypeの考え方は、KDDIさんにもよく理解していただいていると思います。ユーザーの利用を制限するというか、「誰かと話したい、○○を使いたい」という欲求を遮ることは誰にもできないと思います。

「Skype au」の詳細は今後

――「Skype au」の詳細は今後とのことですが、品質を確保する、という点が特徴の1つという印象を受けました。これはKDDI、Skypeのどちらが求めた要素なのでしょうか。

 どちらがというよりも、両社が、ではないかと思います。KDDIは素晴らしいネットワークを構築しています。良い通話品質を実現するためには、優れたネットワークが大前提になります。今回の開発では、待受時に低消費電力になるよう最適化をともに実現しました。バッテリーに関しては、ユーザーは常にニーズを抱えていますから。

――たとえばアドレス帳との連携や、待受画面でのステータス確認といった機能は利用できるのでしょうか。そうした機能は、ソフトウェアプラットフォームと深く統合しなければならないと思いますが……。

 そうした機能の詳細は、別途、ご案内します。今日の段階では「Skype auが提供される」「Skypeのデスクトップ版と同じ機能が利用できる」、つまり他のユーザーのステータスが確認できたり、他のSkypeとの間では無料で通話できたり、メッセージをやり取りできたりするといったことだけお伝えしたいと思います。Skypeをポケットに入れて国内どこでも使える、ということが大きなメリットですね。

 スマートフォンでは、現在、さまざまなアプリケーションが爆発的に増えています。今回、KDDIさんとの提携は、これまで進化してきたフィーチャーフォンの世界と、これから飛躍するであろうスマートフォンの世界の「良いとこどり」になるのではないでしょうか。これにより、コスト効果のあるサービスを提供できるのではないかと思います。

――コスト効果ということですが、今回は料金の詳細は発表されませんでした。

 それもまた別途ということですが、Skypeユーザー同士の通話料は無料です。海外宛のSkypeOutは可能ですが、国内の携帯電話・固定電話宛にSkypeから発信はできません。ユーザーからどう評価されるか、ハラハラドキドキですね(笑)。定額データプランを契約していればその範疇に入りますが、契約していなくても1分7円程度ですね。

――ありがとうございました。

 



(関口 聖)

2010/10/18 19:12