J.D.パワー顧客満足度調査、総合1位はドコモ


 J.D.パワー アジア・パシフィックは、2010年の国内携帯電話サービスの顧客満足度調査の結果を発表した。なお、今回の調査は、全国10地域の携帯電話の個人利用者対象に、サービスの満足度や利用実態を調べたもの。調査期間は7月末~8月末、訪問留置調査を実施し、7500人から回答を得た。

総合満足度はドコモ、au、ソフトバンクの順

 個人向け携帯電話の総合満足度は、昨年より顧客満足度を14ポイント上昇させたNTTドコモが586ポイントで1位となった。満足度を構成する5要素のうち、「顧客対応力」、「電話機」、「通信品質・エリア」、「非音声機能・サービス」の4つが他社を上回る評価を得た。

 2位はau(575ポイント)となり、「各種費用」の項目が他社を上回った。なお、前年と比較すると、「各種費用」のほかに「顧客対応力」も満足度が上昇した。

 3位はソフトバンクで540ポイントを獲得した。「各種費用」は3キャリア中2番手となったほか、前年に比べて「電話機」「非音声機能・サービス」「顧客対応力」の満足度が上昇した。

 なお、今後1年以内に携帯電話会社を変更したいとするユーザーの割合は、顧客満足度の高い事業者ほど低く、J.D.パワー アジア・パシフィックでは、顧客満足度の向上はロイヤリティの向上に有効と結論づけている。

満足度5要素、通信品質と非音声機能が今後の鍵

 2004年~2010年の携帯電話サービス市場全体の総合的な満足度は、11ポイントの上昇となっている。顧客満足度を構成する5要素におけるトレンドは、「通信品質・エリア」と「非音声機能・サービス」が著しく向上したが、「各種費用」や「電話機」にカンする満足度にはほとんど変化がないという。

 「各種費用」は、割引プランの導入といった各社の改善努力にも関わらず、顧客満足度は現状維持となっている。J.D.パワー アジア・パシフィックでは、請求内容の複雑化や、2007年秋以降の新販売方式の導入による端末販売価格の高騰を理由に挙げている。

 「電話機」についても満足度の向上は小幅に留まっている。新機能が追加されスペックが向上するも、顧客にとって使わない機能の増加、電話機価格の高騰による端末買い換えサイクルの長期化が影響したと予測している。

 「通信品質・エリア」は、面の拡大と点の改善の継続によって、大幅に満足度が向上した。「非音声機能・サービス」についても、メールやインターネットなどの各事業者の取り組みが評価される結果となった。

 J.D.パワー アジア・パシフィックでは、今後の動向として、スマートフォンの普及や動画サービスなどデータ量の多いサービスの利用拡大により、「通信品質・エリア」「非音声機能・サービス」にインパクトを与える動きがあるとする。

 顧客満足を維持・向上するために「通信品質・エリア」「非音声機能・サービス」に注力することが事業者に求められるとしている。

 



(津田 啓夢)

2010/11/19 15:31