MCF、スマートフォン支援体制を強化


 モバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)は、スマートフォンでのコンテンツビジネス立ち上げを支援する「スマートフォン・タスクフォース」を創設したと発表した。また、日本Androidの会と相互に協力する覚書も締結した。

 今回創設された「スマートフォン・タスクフォース」は、MCF会員各社がスマートフォン上のビジネスを立ち上げるにあたって、サポートを行う組織。スマートフォン市場では、アプリマーケットという仕組みや課金方法、ユーザー認証方法、セキュリティ対策など、これまでの携帯電話向けビジネスには無い課題が多く、これらを支援する組織として設立された。

 同タスクフォースは、会員企業の経営層による月1回のディスカッションや、セミナーの開催を中心に活動する。座長はMCF代表理事で、シーエー・モバイル 取締役会長の寺山隆一氏が務める。MCFの体制の中においてタスクフォースは、事業委員会、消費者委員会、コンテンツプロバイダ委員会といった各委員会と連携する位置に置かれるほか、タスクフォースと日本Androidの会とで、技術情報などについて相互連携を行う。タスクフォースは各委員会から選出されたメンバーが運営し、その下に会員企業の代表200名以上や、関係者30~50人が位置する。

座長に就任した寺山隆一氏

 11月25日に開催された記者向けの発表会では、座長に就任した寺山隆一氏が「スマートフォンが登場して市場のルールが変わってきた」と変化を指摘。「もう一度、各社がゼロからスタートといってもいいぐらい」と、ビジネスモデルを再構築する必要性があるとし、「事業がどうなっていくのか、何が増え、何が無くなるのか。グーグル、アップル、キャリアと連携して情報を共有していこうというもの」と設立の経緯を説明した。

 MCF 常務理事の岸原孝昌氏は、「現在のモバイルビジネスは1兆5000億円を超えるが、スマートフォンはまだ1%に満たない。しかしPC環境に近く、ビジネスモデルが異なる。アプリマーケットの概念があり、ビジネスモデルは、フリーを基本にしたPC系と融合していくだろう」と今後の動向を予測した上で、「消費者がきちんと使える環境を、先導していかなければならない」として、率先して課題を解決するとともに、「日本から世界標準へ」と仕様面でもグローバル市場を視野にリードしていきたい構えを見せた。

 スマートフォン・タスクフォースと情報面で連携する日本Androidの会 理事長の丸山不二夫氏は、日本Androidの会について、「最近はひと月に1000人単位で会員が増えており、昨日で合計1万3000人を超えた、急成長しているコミュニティ」と紹介し、「Androidの関わるすべての人を歓迎し、ビジネスを活性化したい」と語った。

 丸山氏はまた、市場に多くのAndroid端末が登場していることに触れた上で、「iPhoneやフィーチャーフォンから学ぶべきところがある。クラウドやハードでアメリカに勝てないが、日本のソフトウェアに対する感覚は優れたものがある。Androidアプリは日本がダウンロード数で世界5位だが、アップロード数は世界2位。アップロードを1位にするのが会の目標。個人の会員が多かったが、CPに関心を持ってもらうのは大事で、課題や知見を合わせて考えればプラスになるのではないか。日本のアプリが世界市場に出て行くきっかけになれば」などと語り、ソフトウェア面で協力していく姿勢を明らかにした。

MCF 常務理事の岸原孝昌氏日本Androidの会 理事長の丸山不二夫氏
覚書の調印式も行われた

 



(太田 亮三)

2010/11/25 22:11