シャープ、ハード&ソフト一体の新サービス「GALAPAGOS」


 シャープは、コンテンツ配信サービス「TSUTAYA GALAPAGOS」と、その専用端末となるタブレット型端末「GALAPAGOS」を12月10日より提供開始する。12月3日より予約受付が開始される。

 「TSUTAYA GALAPAGOS」は、新聞や雑誌、書籍などサービス開始当初約2万の電子書籍が配信されるコンテンツ配信サービス。対応する端末はタブレット型端末「GALAPAGOS」で、5.5インチディスプレイの「モバイルモデル」と、10.8型の「ホームモデル」がラインナップされる。

 価格はモバイルモデルが3万9800円で、ホームモデルが5万4800円。シャープからの直販のみで販売される。量販店にはタッチ&トライできる端末が用意される。量販店の「メディアタブレット購入申込書」を郵送するか、直販サイトで端末が購入できる。支払いはクレジットカード払いのほか代金引換払いに対応する。

 初回起動時に無線LAN経由でインターネットに接続し、ストアサービスのIDとパスワードを入力、端末を登録する。

GALAPAGOS

 いずれの端末もLinuxベースのOSを採用、IEEE802.11b/g準拠の無線LAN機能などを備える。最大32GBに対応したmicroSDHCカードに対応する。スピーカーや3.5mmステレオミニジャック、USB2.0のminiUSB端子などが搭載される。

 ディスプレイは、モバイルモデルがタッチパネル式の5.5インチ、1024×600ドットのTFT液晶、ホームモデルがタッチパネル式の10.8インチ、1366×800ドットのTFT液晶を搭載する。ディスプレイが縦画面、横画面で利用可能。ディスプレイ周辺にはホームキーやバックキーなどが用意されるほか、モバイルモデルについてはトラックボールも装備する。

 バッテリー駆動時間はモバイルモデルが約7時間、ホームモデルが約10.5時間。モバイルモデルの大きさは92×167×12.9mm、重さは約220g、ホームモデルの大きさは約177×286×14.7mm、重さは約765g。モバイルモデルはレッド系とシルバー系の2色展開、ホームモデルはブラック系の1色展開となる。


ホームモデル
モバイルモデル

コンテンツ

 電子書籍コンテンツは、無線LAN経由で端末に保存する。新聞や雑誌などは定期購読が可能で、設定された時間にプッシュ配信でコンテンツが配信される。購入履歴に応じて体験コンテンツも自動配信される。

 コンテンツの管理はホームアプリ「デスク」で行える。「未読・おすすめ」「最近読んだ本」「お気に入り」「定期購読」などでコンテンツが分類される。ダウンロードしたコンテンツはmicroSDカードに保存される。複数枚のメモリカードでコンテンツが管理できるほか、パソコンにデータをバックアップして管理することも可能となっている。ただし、コンテンツを収録したメモリカードを複数のGALAPGOS端末で共有することはできない。

 端末には、「明鏡国語辞典MX」「ジーニアス英和MX」「ジーニアス和英MX」といった辞書が収録されており、電子書籍内の文章を辞書検索できる。さらに、覚えておきたい箇所などにラインがひけるマーカー機能なども用意されている。Webブラウザを搭載し、書籍関連の情報にアクセスできるほか、mixiやTwitterと連携するアプリも用意され、本を読んだ感想をすぐに投稿できる。

 蔵書は「ブックシェルフ」機能で一元管理が可能。XMDF形式の電子書籍に対応し、拡大縮小してもページレイアウトを崩さずに文字のみ拡大縮小可能。動画や音声を含んだコンテンツも再生可能で、配信ストア「TSUTAYA GALAPAGOS」では、2011年春にも映像や音楽、ゲームなども提供する。電子書籍についてもXMDF以外の形式もサポートされる予定。有料コンテンツはクレジットカードで決済する。

 また、パソコン向けアプリケーションでの管理にも対応する。この端末とパソコン向けアプリケーションを組み合わせることで、TXTやPDF形式のコンテンツもGALAPAGOS端末で閲覧できるようになる。

 このほか、芥川賞受賞作家である平野啓一郎の新作となる「かたちだけの愛」がGALAPAGOS向けに電子書籍化される。書籍の発売と同時に電子書籍も配信される。平野の作品が電子書籍化されるのは初めて。

 GALAPAGOSは、シャープとして初のハードウェアとソフトウェア(コンテンツ)一体型のサービスとなる。進化するサービスという意味を込めて名付けられた「GALAPAGOS」という名称には、連綿と続いてきた紙の書籍文化に対して、新たな書籍体験を提供し、新たな読書の習慣を作っていきたいという思いが込められているという。同社は、今回の電子書籍サービスを皮切りに動画やショッピング、教育、ヘルスケアなど提案型のライフスタイルコンテンツを拡充していく方針だ。


 



(津田 啓夢)

2010/11/29 12:31