ソフトバンク、「複数基地局協調伝送」の実験局予備免許


 ソフトバンクモバイルは、隣接する基地局が協調して移動する端末(移動局)とデータのやり取りを行う「複数基地局協調伝送方式」の実験試験局用予備免許を取得した。本免許が交付されれば、東京都内でフィールド実験を行う。

 「複数基地局協調伝送」とは、隣り合う基地局Aと基地局Bが協調することで、基地局Aのエリアと、基地局Bのエリアの境界において、干渉の影響を受けやすい伝送速度(スループット)を向上させるという技術。今後数年で日本での導入が進む「LTE」を、さらに発展させた後継技術「LTE-Advanced」を実現するものとのことで、現在標準化作業が進められている。

 実証実験は、総務省のプロジェクトで採用された「異なる大きさのセルが混在する環境下における複数基地局間協調制御技術の研究開発」の一環とされ、電気通信大学とともに行われる。実験を通じて、基地局間の同期の精度、スループットの改善効果が検証されるとのことで、固定網にはイントラネットとインターネットを用いる。期間は本免許交付から、2012年12月31日まで。3.3GHz帯の電波を用いて、都内にある2つの基地局で実験が行われる。

 

(関口 聖)

2010/12/3 17:30