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日本通信、モバイルIP電話サービスを1月28日開始


IDEOS

 日本通信は、同社が販売するHuawei(ファーウェイ)製Android端末「IDEOS」で利用可能なIP電話サービスを1月28日より提供する。20日17時から同社オンラインショップで受付が開始される。

チャージサービスも提供

発話画面

 同社では昨年12月22日、Huawei製の「IDEOS」を販売すると発表。利用期間が限定された同社のSIMカードとセットになった製品で、あわせて「1月中旬からIP電話サービスを提供する」と発表していた。今回は、そのIP電話サービスの正式発表および通話料を支払う新機能「bCharge(ビー・チャージ)」の提供が案内された。

 IP電話サービスの利用料は、前回発表された通りで、月額基本料が490円、通話料が30秒10円(携帯・固定・IP電話)となる。3G網とWi-Fiのどちらでも通話できる。海外滞在時は、基本的にWi-Fiでのみ利用できる。サービス開始当初は、現地事業者がVoIPを許可していると、3Gでも利用可能だが、日本通信が実施予定の品質改善の取り組みにより、海外での3G網経由では一時的に利用できなくなる見込み。今後数カ月を目処に、海外の3G網経由でも利用できるようにする方針。

通話料 海外からの利用
bCharge 申込の流れ

 日本通信では、「IDEOS」向けに通信料が定額となるSIM製品を提供している。7カ月パッケージで1万4900円、14カ月パッケージで2万9800円で、どちらも月額換算では2128円で、7カ月版は1カ月分、14カ月分は2カ月分の通信が無料となっている。通話したい場合は、今回発表されたIP電話サービスを別途契約する必要があり、本人確認書類のコピーをオンライン経由で送付するなど、審査を経て、ユーザーにアクティベーションコードが郵送される。「IDEOS」では、モバイルIPフォンアプリと、「bCharge」アプリをダウンロードし、アクティベーションコードを入力すれば、通話できるようになる。アプリ提供は28日の17時から開始される予定で、日本通信のオンラインショップでの申込は20日17時からとなる。

 あわせて発表された「bCharge」は、いわば通話料のプリペイド機能となる。通話料の支払い額を事前に明示して提供されるもので、残高が500円を切るたびに自動的に指定した額(500円、1000円、2000円、3000円)が追加される「オートチャージ」機能か、手動で入金する「追加チャージ」が利用できる。オートチャージの設定額を0円にしておけば自動追加はされない。

bCharge チャージ設定
オートチャージの金額設定 手動で行う追加チャージの金額設定

iPhone向けアプリはパートナーから提供か

通話デモを披露した三田氏

 20日に行われた会見では、同社代表取締役社長の三田聖二氏と常務取締役の福田尚久氏から説明が行われた。三田氏はこれまでの取り組みを振り返り、NTTドコモとの相互接続を実現したこと、直近の2010年度第3四半期に黒字化したことを紹介し、今後もさらに事業の成長をはかり「MVNOが経済的にも効果のあるビジネスモデルであると証明したい」と説明した。また、今後のインターネットではスマートフォンが重要なプラットフォームになるものの、現状では音声通話料が高く障壁になっていると指摘し、今回のサービスを提供することになったと語っていた。

 続けて説明に立った福田氏は、これまでの日本市場には普及価格帯のスマートフォンが存在しておらず、「携帯電話よりもトータルコストで安いスマートフォン」というコンセプトで「IDEOS」を投入したとする。また、いわゆるレイヤー2接続により、日本通信は他のMVNOよりも裁量範囲が格段に大きいことから、今回のVoIPが実現したという。

 まずは「IDEOS」で利用できるIP電話サービスだが、機種ごとに挙動の差があることから、他のAndroid端末では動作確認、あるいは調整でき次第、IP電話サービスを提供するとのこと。ただ、福田氏は「IPアドレスの付与の仕方は、IDEOS用のSIMは他のSIMと異なっている。この付与の仕方によって、バッテリーの持ちを飛躍的に向上させる」と説明する。

 今回の同社サービスは、050番号が割り当てられるIP電話サービスであり、電話機であるIDEOSにはプライベートIPアドレスが割り当てられる。恒常的に同じIPアドレスが割り当てられてしまうと、セキュリティ面でのリスクなどが高まり、一定のタイミングでIPアドレスを割り当て直す必要がある。その一方で、たとえば地下鉄に乗って駅に着けば圏内だが走行中は圏外、という状況では、圏内になるたび、バックグラウンドで動作するモバイルIPフォンアプリはSIPサーバーへ登録し、新たなIPアドレスが割り当てられる。端末とサーバーがやり取りするセッションが多く行われると、その分バッテリーを多く消費する。また直前まで別の端末で使われていたIPアドレスが、自分用に割り当てられると別の人宛の電話がかかってくる可能性もある。

 そこで同社では、今回のサービスで用いるIPアドレスについて、一度セッション(サーバーと端末の通信)が途切れても、その端末用のIPアドレスとして一時保持しておき、わずかな時間内に再びセッションが成立すると同じIPアドレスを割り当てるようにしている。また一度割り当てられると一定時間が経過するまで他の端末に割り当てないようにして間違い電話を防ぐといった工夫をしている。こうした挙動が必要になるため、機種ごとにある程度作り込みが必要であり、日本通信側では確認がとれた機種を徐々に拡大していく方針としている。

 また担当者によれば、日本通信内のネットワークでは050番号の割り当てに必要な品質基準は満たしているとのこと。ただし、ドコモ網に接続して以降、他社の電話までの区間については明確な品質基準がないという。また他のIP電話でよく利用されるコーデックであるG.711が数十kbpsという帯域が求められるのに対し、日本通信のサービスで採用するコーデックは数kbpsに抑えられている。「遅延しても品質を確保する形」とのことで、実際に試したところ、目前で相手と通話すると遅延していることがはっきりわかるものの、音質は通常の携帯電話と遜色ないように感じられた。

福田氏

 またSIMロックが施されていないiPhone(ソフトバンクモバイルのiPhoneはSIMロックあり)向けのサービスについて尋ねられた福田氏は、当面Androidに注力する方針を示す。ただ、協力関係にあるパートナー企業からiPhone向けVoIPサービスが提供される可能性があると説明。そのサービスがまだ発表されていないため、詳細は紹介されなかったが、今後登場する可能性があると見られる。

 このほか通話料に関して、福田氏はキャリア間でやり取りする料金である接続料が影響していると説明しており、他社の接続料が下がれば、通話料も下げられるとの認識を示した。同社宛の接続料については、現在、他社との接続点は“あるキャリアの設備を間借りしている状態”とのことで、そのキャリアと接続料をやり取りする形になっている。

 三田氏は、今回のIP電話サービスをコンシューマー向けに提供する一方で、携帯電話サービスを提供する企業に対しても提供する意向を示した。また、「ウィルコムさんが3Gサービスを手がけるとき、当社が協力していた。ソフトバンクによる買収までウィルコムさんを支援していた」と、MVNE(Mobile Virtual Network Enabler、MVNOに対する支援サービスを提供する事業者)としての実績もアピールしていた。さらに「こうしたサービスが実際にできるということを見せたかった」とも述べ、通信モジュール内蔵パソコンなどで採用実績のあるソニーやヒューレット・パッカード(HP)もこういった方向に来るのではと期待感を示す。特にHPについては、Palmを買収し、webOSという資産を手にしたことから新たなモバイル製品を準備しているだろう、と推測し、「日本は(まだ欧米より)5年、7年は進んでいる。それを利用して、事業を展開するのが日本通信の趣旨」とした。

 



(関口 聖)

2011/1/20 17:41