スマートフォンは世界市場で3割増、富士キメラ調査


 富士キメラ総研は、情報機器における世界市場の動向をまとめた調査レポートを発表した。2010年の市場規模が明らかになっているほか、2020年時点の市場規模予測も示されている。

 同調査は、2010年9月~11月、専門調査員が行った各社・関連団体への取材などからまとめられたもの。携帯電話・スマートフォン、スマートフォン、電子ペーパーを対象にしたモバイル機器の2010年における市場規模は42兆3730億円に達する見込みで、前年から3%増となった。携帯電話は新興国で引き続き成長する一方、PHSは中国市場において廃止の見込みとなり、市場が衰退傾向にあると分析されている。

 このうちスマートフォンについては、各地での成長が見込まれ、2010年時点での市場規模は9兆8500億円、前年比131.3%となった。日本ではiPhoneにより需要が拡大する一方、Android端末のラインナップ拡充でさらに市場が活性化すると見られている。ただ日本では携帯電話が多機能であることから「携帯電話からスマートフォンへ買い替えるユーザーが少ないため、本格的な普及には至っていない」と分析されている。このほか、電子ペーパー市場は北米で先行しつつ、中国も次いで市場が拡大しているとして、2010年時点での市場規模は830億円(前年比118.6%)となった。

 2020年時点での予測としては、モバイル機器市場は45兆2600億円(2009年比110%)、スマートフォン市場は17兆円(2009年比226.7%)になると見られている。

 なお、iPadやGALAXY Tabといったタブレット端末は、同調査において「スレートPC」として扱われている。

 

(関口 聖)

2011/1/24 16:39