au、WiMAX対応でテザリング可能なAndroid端末「ISW11HT」


「htc EVO WiMAX ISW11HT」

 KDDI、沖縄セルラーは、WiMAXに対応したAndroid 2.2搭載のHTC製端末「htc EVO WiMAX ISW11HT」を4月上旬に発売する。価格はオープンプライスだが、店頭では新規で3万円代前半になる見込み。

 「ISW11HT」は、WiMAXをサポートし、理論値として下り最大40Mbps、上り最大10Mbpsの速度でパケット通信が行えるHTC製のAndroid端末。海外で発売されているグローバルモデルとなり、auの向けの独自のローカライズはSkype auやjibeアプリ、Cメール(受信のみ)など限定的なものとなっている。日本語環境には対応している。

 WiMAXはUQコミュニケーションズのエリアで利用できる。通信方式ではこのほか、CDMA 1X WIN(CDMA 1x EV-DO Rev.A)、無線LANとしてIEEE802.11b/g/nが利用可能。端末からWiMAXへの接続は「+WiMAX」と呼称しており、「ISW11HT」は「+WiMAX」対応スマートフォンとしている。

WiMAX

 同端末の料金プランは、従来のスマートフォン向け料金プランとパケット定額プランを利用できる。WiMAXに接続した月は、パケット通信料に加えて「+WiMAX」月額利用料(月額525円)が発生する。WiMAXに接続しなかった月は、「+WiMAX」月額利用料は発生しない。また、2011年8月までは「+WiMAX」月額利用料が無料になるキャンペーンも実施される。

 WiMAXへの接続は、無線LAN機能と同様にウィジェットや設定画面などからオン/オフできる。すべての通信方式が有効になっている場合、接続の優先順位は、無線LAN→WiMAX→CDMA 1X WINの順番になる。無線WiMAXとほかの通信方式とのハンドオーバーはサポートされていない。

 なお、同端末の通信量制限は、CDMA 1X WIN接続時のみ適用され、CDMA 1X WINで月間5GB以上の通信を行った場合に、CDMA 1X WINの通信速度が一定速度以下に制限されるとしている。ただし、この月間5GBの制限は、2012年1月までは適用されない。また、無線LANはもとより、WiMAXについてもそもそも通信量制限はない。

 対応周波数帯は、800MHzおよび2GHzとなり、800MHz帯は、KDDIが構築している新800MHz帯のみに対応、KDDIの従来の800MHz帯はサポートされていない。KDDIでは従来のauの携帯電話とは異なるため、発売当初、一部利用できないエリアや一部電波状態が不安定な場合があるとしている。なお、新800MHz帯のカバーエリアは、KDDIのWebサイトで確認できる。

 このほか、WiMAX、CDMA 1X WINともに国際ローミングはサポートされていない。

WiMAX、WINどちらでもテザリングが可能

 「ISW11HT」では、端末をモバイルWi-Fiルーターのように使えるテザリング機能が大きな特徴となっている。テザリング機能は、WiMAXに加えて、CDMA 1X WINのネットワークでも利用でき、テザリングの利用自体は別途利用料は不要だ。ただし、CDMA 1X WINでテザリングを機能を利用すれば、前述の月間5GBまでの通信量制限の対象になるので注意されたい。

 テザリング利用時のパケット通信は、パケット定額サービスの対象で、例えば「ISフラット」であればパケット通信料は月額5460円の定額で利用できる。WiMAXを利用した場合は月額525円が加算される。ちなみにテザリング時のインターネット接続プロバイダーには、スマートフォン利用時のプロバイダー(IS NETやau.NET)が利用できるので追加契約などは必要ない。

 Wi-Fiテザリングでは、無線LAN機器を最大8台まで接続でき、無線LANしかサポートしていない機器でも「ISW11HT」を経由してインターネットに接続することが可能。USBポートを備えるノートパソコンであれば、USBケーブルでパソコンと端末を接続して、パソコンもインターネットに接続できる。

 パケット通信中に着信があった場合の挙動は、無線LAN、WiMAX接続時であれば、パケット通信を継続しながら通話できる。CDMA 1X WIN接続時は、ほかのauの端末でデータ通信を行う時と同様、着信と同時にパケット通信が一度遮断される。設定により、パケット通信中は着信しないように設定することも可能で、その場合、相手には、パケット通信中であるため通話を接続できない旨のガイダンスが流れる。

主な仕様

 主な対応サービスは、Cメール(受信のみ)、Googleサービス、Skype au、jibe。Flashの表示もサポートされる。ワンセグやおサイフケータイ、赤外線通信機能などには非対応。Android 2.3へのアップデートは未定としている。

 Cメールの送信については検討中で、Eメール(EZweb)への対応は未定。KDDIがAndroid端末向けに提供しているコンテンツサービス「au oneマーケット」やにも対応しない。一方、3月末から提供される、Androidマーケットのキャリア課金サービスに対応する。

 HTCの独自のUIである「HTC Sense 1.6」を搭載する。その一方でHTCのクラウドサービス「Sense.com」には非対応となる。

 ディスプレイは4.3インチ、マルチタッチ対応、800×480ドット(WVGA)のTFT液晶。チップセットはクアルコムのQSD8650(Snapdragon)で1GHz駆動。本体メモリは、ROM1GB、RAM512MB。

 800万画素CMOSのメインカメラ、130万画素のインカメラを備える。720p/25fpsのハイビジョン動画を撮影可能で、HDMI端子で映像出力にも対応している。Bluetoothは2.1+EDRで、最大32GBまでのmicroSDHCカードが利用できる。外部端子はmicroUSBとなる。FMラジオもサポートされる。本体背面には、端末を卓上で横向きに固定できるスタンドが収納されており、背面のつめを起こして利用する。

 なお、「ISW11HT」はSIMカードの機能を内蔵しており、SIMカードスロットはない。契約時には、SIMカードがなかった頃の携帯電話のように、ショップで回線開通作業が必要となる。SIMカードを差し替えて、複数の端末を使うといった利用方法には対応しない。

 バッテリーカバーを開けると、内部はバッテリーを含めて赤色で統一されている。バッテリー容量は1500mAh。連続待受時間は約340時間、連続通話時間は約290分。大きさは約67×122×12.8(最厚部13.8)mmで、重さは約170g。ボディカラーはブラックのみ。


 



(津田 啓夢/太田 亮三)

2011/2/28 10:00