17日の携帯・PHS各社の通信状況、順調に復旧進む


 東北地方太平洋沖地震の影響で、携帯電話が利用しづらかったり繋がらなかったりする状況について、地震から7日目となる17日午前における各社の動向をまとめた。

NTTドコモ

 17日10時時点で停波している基地局は約1710局で、前日午前から260局復旧した。そのうちFOMAは1480局で、東北地方では青森11局、岩手430局、宮城560局、福島150局がサービスを中断している。秋田と山形では全ての基地局が復旧した。関東甲信越の停波局は80局。

 通信規制は、音声通話、パケット通信どちらも実施されていない。一時、発信規制されていた音声通話は、16日20時に解除されている。

 同社では順次、移動基地局約30台、移動電源車約30台、可搬型発電機約400台、マルチチャージャー(他社携帯含む最大18台に充電可能)約170台を運用している。移動基地局は岩手県宮古市の山口小学校周辺、宮城県気仙沼市の松岩小学校周辺でサービスを提供しているほか、移動電源車は田子小学校周辺(仙台市宮城野区)、岩切小学校周辺(仙台市宮城野区)で2カ所、蛇田中学校周辺(石巻市)、加茂皇大神社周辺(仙台市宮城野区)、不動堂小学校周辺(美里町)、古川南中学校周辺(大崎市)、鶴巻小学校周辺(仙台市宮城野区)、山元町役場周辺(山元町)、宮城病院周辺(山元町)、青森県多賀小学校南1km周辺(八戸市)、八戸港ポートアイランド周辺(八戸市)の基地局に配備され、サービスが復旧している。なお、岩手県一関中学校周辺(一関市)、宮城県の陸上自衛隊仙台駐屯地南周辺(仙台市若林区)は商用電源の復旧で、移動電源車の作業は終了した。

マルチチャージャーの主な設置場所は以下の通り

岩手県山口小学校(宮古市)、宮古小学校(宮古市)、宮古合同庁舎(宮古市)ドコモショップ盛岡店(盛岡市)、関が丘コミュニティーセンター(一関市)
宮城県六郷小学校(仙台市若林区)、ドコモ東北ビル1F(仙台市青葉区)、大崎市役所(大崎市)七ヶ浜町役場(七ヶ浜町)、多賀城小学校(多賀城市)
福島県田村市総合体育館(田村市)、船引高校体育館(田村市)、常葉体育館(田村市)、旧春山小学校(田村市)、郡山高校体育館(郡山市)、開成山公園(郡山市)、平第六小学校(いわき市)、湯本高校第二体育館(いわき市)、草野中学校(いわき市)中央台南小学校(いわき市)、田村高校体育館(三春町)、川俣高校(川俣町)川俣町立飯坂小学校(川俣町)、川俣南小学校(川俣町)、小島公民館(川俣町)福島市役所(福島市)、須賀川アリーナ(須賀川市)
茨城県千波中学校(水戸市)、三の丸小学校(水戸市)、常澄中学校(水戸市)

 17日0時時点の災害用伝言板サービス登録件数は122万9627件(前日から4万7999件増)、確認は200万166件(前日から12万252件増)となる。

 

KDDI

 17日7時時点で、停波している基地局は840局で、前日午前より270局復旧した。このうち東北は700局、関東は140局。通信規制は解除された。災害対策機関などに衛星携帯電話(イリジウム/インマルサット)は44台、auの携帯電話は120台貸し出されている。携帯電話については250台の貸出準備があるとのこと。

 車載基地局(移動基地局)が稼働しているのは、釜石合同庁舎(岩手県釜石市)、大船渡市役所(岩手県大船渡市)、気仙沼市役所(宮城県気仙沼市)、石巻羽黒町基地局内(宮城県石巻市)となる。現地に向けて100台以上の充電器を発送している。多賀城市役所(宮城県多賀城市)でサービスを提供していた車載基地局は、周辺の基地局が復旧し、電波状況が改善されたことを受けて、次の場所へ移動中とのこと。移動電源車は21台運用されている。

ソフトバンクモバイル

 停波している基地局は819局で、前日午前より176局復旧した。通信規制は現在行われていない。携帯電話や充電器などの無償貸出を行っている。

 車載基地局(移動基地局)や移動電源車、計20数台を配備しているとのこと。このうち、車載基地局1台は、宮城県石巻市の石巻専修大学で一時サービスを提供していたが周辺基地局の復旧で、電波状況が改善し、現在は宮城県三陸町の入谷小学校でサービスを提供している。移動電源車は主に宮城県中心で巡回している。

イー・モバイル

 停波している基地局は、17日10時時点で89局。前日午前より40局復旧した。内訳を見ると東北(岩手・宮城・山形・福島)で85局、関東(茨城)で4局となる。通信規制は行われていない。

ウィルコム

 16日20時時点における停波局は2500局で、前日より600局復旧した。通信規制は行われていない。

UQコミュニケーションズ

 現在停波している基地局は約30局となっている。

 同社では16日午後、東北地方太平洋沖地震および長野県北部の地震で災害救助法適用地域を対象にした特別措置を発表している。請求書払いのユーザーは支払期限が1カ月延長され、試用サービスのTry WiMAXのレンタル期間は機器返却期間を当面延長する。さらに震災で故障・紛失したWiMAX機器代金は請求しない。

 



(関口 聖)

2011/3/17 12:26