東北太平洋地震の影響、29日までの状況


 3月11日の東北地方太平洋沖地震により、携帯電話が繋がりにくい状況について停電からの復旧で多くの基地局が利用できるようになる一方、甚大な被害を受けたエリアや福島第一原発の周辺では利用しづらい状況が続く。29日までの各社の状況をまとめた。

NTTドコモ

 29日13時時点で停波している基地局は約680局となった。そのうちFOMAは540局で、青森4局、岩手220局、宮城180局、福島130局、関東甲信越10局となった。通信規制は行われていない。

 災害用伝言板サービスの登録件数は139万1025件、確認件数は241万9166件。同社提供の復旧エリアマップでは、携帯電話が利用できるエリアや衛星携帯電話の配置箇所などが確認できる。牡鹿半島周辺(石巻市や女川町の一部)や、福島第一原発・第二原発の周辺などでサービスが中断している。

au

 29日13時時点で停波している基地局は264局で、そのうち東北が249局、関東が15局となる。関東の停波局数は、前日から変化はないが、その多くは茨城県などにあり、被害の大きかったエリアと見られる。

 車載基地局や移動電源車の配備、携帯電話の貸出サービスが行われており、同社サイトでは復旧エリアの状況をPDFファイルで公開している。利用できないエリアも確認でき、27日12時時点では陸前高田市や牡鹿半島周辺、福島原発周辺などでサービスが中断している。

ソフトバンクモバイル

 29日13時時点で停波している基地局は382局となった。

 同社ではGoogleマップを利用して、「避難所臨時基地局マップ」を提供しており、サービスが中断している地域でも携帯電話が一時的に利用できる場所が確認できる。なお、具体的なサービス中断エリアの地図は公開されていない。

イー・モバイル

 29日16時時点で停波している基地局は19局となった。いずれも岩手県・宮城県・福島県にある基地局で、前日から変化はない。

ウィルコム

 停波している基地局は700局となる。27日20時時点の数値として公表されているものだが、同社では29日でも変化はないとしており、それらの基地局の被災状況や具体的な場所は明らかにされていないが、今後しばらく大幅な復旧はない見通し。

UQ

 29日15時時点で停波している基地局は5局。いずれも宮城県で、前日より1局減少している。

 



(関口 聖)

2011/3/29 18:02