世界の携帯市場は今後5年で73億加入へ、Androidのシェアは4割に


 シード・プランニングは、携帯電話における世界市場の動向をまとめた調査レポート「2011年版 携帯電話の世界市場」の販売を開始した。価格は14万7000円。

 レポートでは、2016年までの市場予測を含む、世界の市場における携帯電話の動向がまとめられている。世界の携帯電話加入数は2010年末で52億8000万加入となり、前年比約13%増加、人口普及率は80%に達した。

 携帯電話販売数は15億9700万台。2010年の携帯電話市場はスマートフォンが躍進し、年間端末販売数の19.8%を占めるまでに成長した。スマートフォンの拡大によって、メーカーシェアにも変動がみられた。中国やインドといった新興国市場において加入増となったほか、モバイルにおけるデータ通信需要が高まり、LTEやWi-Fi、フェムトセルなどの活用が進んだ。

 シード・プランニングでは、2016年末には欧州に続いて、ロシアや南アフリカ、中東諸国、アルゼンチン、ベネズエラ、チリなどにおいて人口普及率が100%を超え、モバイルブロードバンドへのニーズも高まるとする。携帯電話を2台以上所有することが拡大し、契約数は現在の52億8000万加入から73億1600万加入にも伸びると予測している。加入数に占める3Gや4G、LTEなどが占める割合は、2010年の11%から53%になるという。

 スマートフォン市場は2010年、前年比80%増の3億1700万台、携帯電話全体に占める割合は19.8%となった。なお、スマートフォンにはiPadなどのタブレット型端末も含まれている。

 シード・プランニングでは、2015年の総携帯電話販売数は18億3000万台に上ると予想され、このうちの46%、8億5000万台がスマートフォンになるとしている。

 このほか、スマートフォン向けの端末プラットフォームについては、2009年まで半数以上のシェアを獲得していたSymbian OSがiOSやBlackBerry、Androidに圧されて減少した。法人に強いBlackBerryは個人向けにも裾野を広げ、今後も1割台の構成比を維持するとしている。iPhoneやiPadで採用されているiOSは、市場ニーズに対応しながら15%台を維持すると予測している。

 シード・プランニングでは、Androidが参入メーカー数、端末の種類、市場ニーズに応えながら今後も最大シェアを維持すると見ており、2011年は30%台、2012年以降は40%のシェアを獲得するとしている。

 



(津田 啓夢)

2011/3/30 16:57