人々の移動を調査・分析「コロプラおでかけ研究所」設立


 コロプラは、人々の移動に関する調査・分析を行う「コロプラおでかけ研究所」を設立したと発表した。主席研究員には同社 取締役CSOの長谷部潤氏が就任するほか、第1回レポートとして東北地方太平洋沖地震の影響による人々の移動の動向がレポートされている。

 「コロプラおでかけ研究所」は、位置情報の登録をゲームにした同社のサービス「コロニーな生活☆PLUS」や位置情報プラットフォーム「コロプラ+」で登録される、月間4000万回に及ぶという位置情報を活用し、テーマや付加価値を加えてレポートとして外部に情報を発信するというもの。今後も定期的なレポートの発表が予定されている。なお、位置情報データは統計処理が行われるため、ユーザー個人を特定できるものではないとしている。

 第1回のレポートとして発表されたのは、東北地方太平洋沖地震の影響を調べた「人々の移動が急速に回復へ ~東日本大震災後の東北エリア~」。地震の前日と翌日を比較すると、位置登録を行ったユーザー数は宮城県で6分の1まで減少し、東京を「本拠地」に設定しているユーザーが宮城、岩手、福島の東北3県で位置登録を行った数も、4分の1に急減した。また、位置登録自体が全く行われてない地域、もしくは行えない地域が、三陸海岸を中心に大きく広がっている。

宮城県北部における位置登録の推移

 

 一方、東京、埼玉、神奈川、千葉の1都3県から東北3県への移動は「震災直後から力強い改善を示した」としており、東北自動車道が全線で復旧した3月24日以降からその動きが加速。現在では震災前の平日に近い水準にまで回復し、東北エリア内の人の動きも活性化している。だたし、原子力発電所の問題が残る福島県は依然として人の動きが鈍く、福島第一原子力発電所から半径20kmのエリアでは、ここ最近の位置登録情報は確認されていない。

 同社では、人の移動が復興につながると報告しており、東北新幹線の全線復旧の影響にも注目していくという。

 




(太田 亮三)

2011/3/31 12:57