ドコモの発売済みスマートフォン、今夏に緊急地震速報対応へ


ドコモの山田社長

 NTTドコモは28日、2010年度の決算を発表した。都内で行われた会見では、業績の発表に先立ち、東日本大震災に関連する同社の取り組みが紹介され、その中で、今夏にも既存の同社スマートフォンでは、緊急地震速報を配信する仕組みである「エリアメール」に対応することが明らかにされた。

 説明を行った同社代表取締役社長の山田隆持氏は、緊急地震速報を配信する“一斉同報”の仕組みには、現在のエリアメールで採用するCBS方式と、新式のETWS方式が存在すると説明。CBSは、“Cell Broadcast Service”の略称で、携帯電話の通信規格などを定める3GPPで標準化されている。一方のETWSもまた3GPPで定められた緊急速報用の一斉同報の規格で、その名称は“Earthquake and Tsunami Warning System”の略称。GSM方式、W-CDMA方式のほか、LTE方式で採用されている。

 ドコモでは、かねてより今冬発売するスマートフォンで緊急地震速報に対応する方針を示していたが、今回の会見では、ETWS方式でエリアメールを利用できるようにすることが明らかにされた。さらに会見後の囲み取材に答えた山田社長は、LTE方式の「Xi」のチップセットでETWSに対応するとして、今冬のスマートフォンの中でも、「Xi」対応スマートフォンがETWSによる緊急地震速報が利用できるようになる。山田社長は「ETWSの配信は3~4秒で届くが、CBSでは5~6秒かかる」と語り、ETWSのほうが高速な仕組みとした。

 さらにグーグル側でAndroidの改善が行われ、CBS方式にも対応する予定であることも明らかにされた。今夏にも既存のスマートフォンでCBS方式によるエリアメールがサポートされ、緊急地震速報に対応する方針だ。囲み取材で山田社長は「昨年発売したXperiaくらいはいけると思う」と述べ、GALAXY Sなどでも対応するとの見通しを示した。ただし、CBSに対応するAndroidのバージョンは明らかにされておらず、2.X以降の機種などに限られる可能性もある。

 山田氏は「夏モデルでも最初から対応して販売しろ、と思われるかもしれないが、スケジュールが間に合わない見込み」と述べ、今夏発売の機種であっても発売後に対応する形になるとの見通しが示された。Android以外のスマートフォンについては、特に触れられなかった。

 なお、iモード端末は2010年冬モデルから、ETWS方式に対応している。

 



(関口 聖)

2011/4/28 15:29