携帯でも「070」番号を、総務省が諮問へ


 総務省は、PHS回線に割り当てられている「070」から始まる電話番号について、番号の逼迫を背景に、携帯電話でも利用できるよう、情報通信審議会へ諮問する方針を明らかにした。

 総務省総合通信基盤局の番号企画室では、携帯電話用の電話番号(080/090)が逼迫し、3年後には番号が不足すると予測している。PHSと携帯電話は、技術方式は異なるものの、ユーザーにとっては、同じモバイルサービスになり、なおかつ携帯電話用の090/080と番号が連続していることから、親和性が高く、認知しやすい番号帯。そして070の電話番号は、8000万個ほど余っていることから、携帯電話でも070番号を利用できるよう、情報通信審議会へ諮問することになった。実現すれば、080番号が使いきられた後、070番号が携帯電話に割り当てられるようになる。また、携帯電話番号ポータビリティ制度(MNP)の対象にも070番号が追加されることになる。

 ただし、過去ウィルコムでは「070番号同士の通話料は無料」といったマーケティングを行った経緯がある。070番号が携帯電話に割り当てられるようになれば、料金関連でユーザーが混乱しないよう、総務省では、通話先を識別できるような仕組みなども検討する必要があるとの認識を示している。

 5月下旬に開催予定の情報通信審議会で、総務大臣から諮問する形で検討される。この諮問の前に議論は行われていないが、情報通信審議会からの答申を受け、総務省の電気通信番号委員会で、有識者や事業者を交えた議論が行われる見込みで、総務省では年内、あるいは年度内のとりまとめを目指す。

 

(関口 聖)

2011/5/11 17:59