DeNA、Androidアプリ版「Mobage for Smartphone」公開


 ディー・エヌ・エー(DeNA)は、Androidアプリ版「Mobage for Smartphone」を公開した。アプリを介して、ゲームエンジン「ngCore」によって開発されたDeNAのゲームや、開発会社のゲームが楽しめる。アプリは無料でダウンロードできる。

 携帯向けSNSとして人気の「モバゲータウン」は、今年3月28日に「Mobage」(モバゲー)へと名称を変更し、国内と海外の統一ブランドで再始動した。「Mobage」では、これまで同様に携帯電話向けのゲームなどが配信されており、スマートフォン向けにもブラウザ版ソーシャルゲーム展開されている。

 「Mobage」の発表で明らかにされたのが、DeNAの米子会社であるngmocoが提供する新ゲームエンジン「ngCore」だ。「ngCore」は、海外と国内で統一されたゲームエンジンということだけなく、一度の開発でiPhoneとAndroidの両方に展開できることが特徴とされている。5月12日、ngCoreに対応するAndroidアプリ「Mobage for Smartphone」が公開された。iPhoneなどが採用するiOS版については、6月以降にアプリ版が登場する予定となっている。



 DeNAでは、ngCoreによって開発された2つのゲームタイトル「忍者ロワイヤル」「アクアコレクション」を発表した。「忍者ロワイヤル」は画面をタップして操作するアクションRPG、「アクアコレクション」は、水槽の中で魚を飼育する育成ゲームとなる。また、コーエーテクモゲームスとDeNAが共同開発し、「100万人のモンスターファーム」なども配信される予定となっている。

 「Mobage for Smartphone」は、ブラウザ版「Mobage」からダウンロードできる。現時点でアイテム課金型のゲームタイトルは配信されていないものの、今後、パートナー各社よりアイテム課金型ゲームなども登場する見込み。



ゲーム開発環境

 こうしたスマートフォン向け展開を強化するため、DeNAはゲーム開発環境も拡充している。

 現在、ngCoreを採用したゲームの開発ツールである「Mobage ngCore SDK」を提供しており、SDKを利用してAndroidおよびiOSの双方で動作するソーシャルゲームが開発できる。

 なお、「ngCore」は開発用環境として、Flashベースのブラウザ実行環境が用意されている。時期は未定ながら、今後はHT
ML5ベースの実行環境を提供される予定。現時点ではHTML5ベースの実行環境で十分なパフォーマンス出せる端末がほとんど存在しないため、AndroidとiOSのそれぞれに専用の実行環境が用意されているという。DeNAでは性能の問題が解決され次第、ゲームの互換性を維持しつつ、HTML5ベースの実行環境にシフトする方針だ。

 さらに、AndroidとiOS向けにネイティブアプリのゲーム開発環境「Mobage Android SDK」「Mobage iOS SDK」や、3Dゲームの開発環境「Unity」も6月以降にサポートされる。Unityはプラグイン形式で「Mobage Unity SDK」として提供される予定。

 このほか7月以降には、ゲーム内での高度なグラフィック表示を実現する3Dゲーム開発環境「Unreal Engine 3」もサポート。「Mobage Unreal Engine SDK」では日本語でのサポート体制も用意される。

 



(津田 啓夢)

2011/5/12 17:21