無接点充電対応の防水スマートフォン「AQUOS PHONE f SH-13C」


「AQUOS PHONE f SH-13C」Pink

 「AQUOS PHONE f SH-13C」は、国内初となるワイヤレス充電機能に対応したシャープ製の防水防塵スマートフォン。Android 2.3に対応。通常のSIMカードより小さいmicroSIMカードが採用される。発売は6月~7月を予定しており、新規契約時に月々サポートを適用した実質価格は2万円台前半になる見込みだ。

 シャープ製スマートフォンはこれまで「LYNX」シリーズと名乗っていたが、2011年夏モデルよりシャープを代表するAQUOSのブランド名を冠し、「AQUOS PHONE」としてスマートフォンでもブランド展開していく。「AQUOS PHONE SH-12C」が男性向けであるのに対して、「AQUOS PHONE f SH-13C」は、女性をメインターゲットに据えたモデルで、iモード端末から初めてスマートフォンに移行するユーザーをターゲットにしているという。 AQUOS PHONEの後に付けられた「f」は、「『fit』の『f』で、生活スタイルにフィットするといった意味を込めている」(説明員)そうだ。

 また、この機種は接点なしで“置くだけ充電”を実現する無接点充電規格「WPC(The Wireless Power Consortium)」に準拠した国内初のモデルとなる。同梱される「充電パッド」に端末を置くと、自動的に充電が行える。パッド内の電送コイルが端末の位置に合わせて移動する仕組みで、2台以上の端末がある場合、片方が完了した後に次の端末の充電が開始される。なお、共通規格のため他のメーカーが発売した充電パッドも利用できるが、「電磁波が無線と干渉し充電中に着信などができない可能性もあるため保証はできない。ドコモが発売するものに関してはチェックをしてある」(説明員)という。端末と充電パッドの間に金属が入ると、ショートを防止するために電力供給がストップする。紙などが挟まった状態でもそのまま電気を通す仕様で、会場に置かれていた端末で試してみたところ問題なく充電できた。

 端末のバッテリー容量は1230mAhとのことで、ACアダプターなら約2時間、充電パッドなら約2.5時間で電池がフルになるという。ドコモはWPC規格対応充電スポットも拡大していく方針で、「おくだけ充電」という名称でワイヤレスチャージャーを整備し、バッテリーの持ちに不安があるスマートフォンに対してケアを行う。まずは全日空、プロント、TOHOシネマズの一部で、ワイヤレス充電を体験できるようになる予定。これらのスポットに配置される充電パッドに関しては、電波に与える影響も考慮されたものになるそうだ。

 シャープとしては初めての防水および防塵対応のスマートフォンとなる。ディスプレイは3.7インチ、540×980ドット(QHD)サイズのタッチパネル液晶を搭載する。AQUOSの高画質エンジンを搭載し、覗き見防止機能である「カラーベールビュー」なども利用できる。外光に応じてバックライトを調整する「明るさセンサー」や、通話時に耳を近づけると自動でタッチ操作がOFFになる近接センサーなども用意される。

 タッチ操作を記憶し、よく利用する機能のアイコンを若干大きく表示する学習型インターフェイス「TapFlow UI」などが搭載され、カメラや電話帳、写真を閲覧・整理するためのピクチャーで利用可能。使えば使うほどメニューが自分好みに変化していく。

 カメラは810万画素のCCDで、人の動きや顔の位置に画像やスタンプを付けられる「もしもカメラ」機能や、魚眼レンズ風撮影機能などが楽しめる。

 DLNAで同じWi-Fiネットワーク内にあるテレビやPCなどと、写真や動画を共有可能。DLNAや、サーバー/クライアントの双方に対応する。ただし、AQUOS PHONE SH-12CにあったHDMIは非搭載となる。「SH-12CはAV機能に優れた機種で、こちらはよりエントリー向け」(説明員)ということで、ワンセグにも対応しない。

 なお、展示会場の実機は手に取って操作することができなかったため、動作速度ユーザーインターフェイスなどの使用感は未確認。ロックが解除不可の実機およびモックアップで、充電に関するデモンストレーションだけを見ることができた。チップセットやメモリも公開されていない。

 通信方式はW-CDMA(HSPA)およびGSM方式に対応し、おサイフケータイや赤外線通信、spモードに対応する。通信関連ではWi-Fiのほか、GPS、Bluetoothなども利用できる。ドコモの新サービスに関しては、iチャネルをプリインストールするほか、「docomo Palette UI」もデフォルトのホーム画面としてセットされる。テザリングにも対応しており、最大5台までのWi-Fi機器をネットに接続可能だ。

 大きさは約119×60×10.9mmで、重さは約130g。連続待受時間は約430時間、連続通話時間は約280分。ボディカラーはPink、Black、Whiteの3種類。


「AQUOS PHONE f SH-13C」Black
「AQUOS PHONE f SH-13C」White

 



 




(津田 啓夢/石野 純也)

2011/5/16 12:17