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KDDIが保険業に参入、携帯ユーザー向け「au損保」開業


写真左から、KDDIの高橋氏、au損保の住野氏、あいおいニッセイ同和損害保険の永末氏

 au損害保険は、5月25日より、モバイルを主体とする損害保険会社として営業する。

 au損保は、KDDIとあいおいニッセイ同和損害保険との共同出資により2010年2月に設立され、1年後の2011年2月25日に損害保険業の免許を取得した。資本金総額は45億円(うち資本準備金が21億円)で、出資率はあいおいニッセイ同和損保が65%、KDDIが35%となる。

 携帯電話向けのコンテンツ開発およびマーケティング手法と、あいおいニッセイ同和損保の保険事業のノウハウを融合し、携帯電話ユーザー向けの保険業を展開する。月額制の傷害保険や、短期契約が可能な旅行傷害保険などを展開し、保険料の支払いはauの毎月の利用料とともに支払える。契約完了まで携帯電話で全て行え、事故後の対応も携帯電話から通話やメールでやりとりできる。

 スタンダード障害保険となる「Myスマート保険」は、ライフスタイルに合わせて「レジャープラン」「ランナーズプラン」「スポーツプラン」「ゴルフプラン」の4つの保険プランが用意される。各プランは、掛け金に応じて入院補償などの保険金額が異なる。携帯電話やスマートフォンから申し込むと5%割引が適用され、各プランの保険料は月額290円〜月額980円となる。

 そして、開業記念の保険商品として、自転車プランが8月31日までの期間限定で用意される。月額100円(5%割引後)で最高1000万円までの個人賠償責任補償が付いている。

 旅行保険「Myスマート保険once」は、日帰りから契約できる国内旅行傷害保険となる。保険料は286円〜749円となる。

 さらに、開業時期にKDDI研究所の「てのひらAR」技術を利用して、スマートフォン向けアプリ「ガクブルペンギン」と、ロゴ認識機能を活用したアプリ「ロゴよみカメラ」なども提供される。「ガクブルペンギン」は手のひらをかざすと、その上にペンギンのキャラクターが登場し、事故多発地帯などを案内する。ロゴよみカメラは、au損保のロゴを認識して、Webサイトへ誘導する機能となる。


ガクブルペンギン ロゴよみカメラ

 このほか、5月25日〜8月31日にかけて、「ナビウォーク保険プレゼントキャンペーン」も実施される。EZナビウォークおよびau one ナビウォークの有料会員を対象に、傷害保険を無料で提供する。20〜64歳の有料会員で、CDMA 1X WIN端末(W11H、W11K、W21H除く)およびauのAndroid端末(IS03以降)のユーザーが対象となる。

au損保住野氏、モバイル向け保険は手つかずの市場

 KDDIの保険事業参入により、携帯三社の保険サービスが揃ったことになる。NTTドコモは、東京海上日動火災保険と包括契約を結んで携帯電話から申し込める「ドコモ ワンタイム保険」を、ソフトバンクモバイルは損害保険ジャパンと組んで携帯電話から加入できるサービス「ソフトバンクかんたん保険」を提供している。

 ドコモとソフトバンクが業務提携による保険事業であるのに対して、KDDIとあいおいニッセイ同和損保の「au損保」は、両社が出資するいわば保険のベンチャー企業という形をとっている。金融庁から損害保険業の免許を取得する1年の間に、あいおい損害保険はニッセイ同和損害保険と合併し、あいおいニッセイ同和損保となった。

 あいおいニッセイ同和損保の取締役副社長 執行役員の永末裕明氏は、「au損保」について、auの顧客基盤とコンテンツ開発力を活かし、旧態の保険会社が対応できなかったマーケットに訴求できる点を説明。KDDIの代表取締役執行役員専務の高橋誠氏も「新たな保険のスタイルを提供し、保険業界に風を送り続けると」と話している。

 au損保では、モバイルインターネットの利用率の高い20〜30代の若者と女性層の取り込みを図る。いわゆる保険外交員などのスタッフは設置せず、代理店の保険商品としては取り扱われることのない少額の保険商品をモバイルネットを通じて販売していく。au損保の代表取締役社長の住野彰氏は、au損保の保険商品について、「直販の保険は一定の単価がなければ難しく、既存の代理店も扱えない分野。(au損保の商品は)どこも本格化していない手つかずのマーケットで、潜在需要は非常に大きいと思う」と語っている。

 au損保は、英国の保険販売手法である「ブランドアシュアラー」に倣い、自ら保険メーカーとなり、auブランドで約3000万人の顧客基盤に対してモバイル向け保険商品を提供する。損害調査はau損保自身で行い、コールセンターも自社が構えることになるが、需要に応じてあいおいニッセイ同和損保と連携しながら体制を整える方針だ。今後、自動車向けの保険商品などの提供を検討しているという。


 




(津田 啓夢)

2011/5/24 11:02