震災被災エリアのau通信復旧、早期復旧に向け設備強化


 KDDIは、岩手・宮城・福島の3県のau携帯電話のサービスエリアが震災前の状態に復旧したと発表した。

 KDDIによると、岩手・宮城・福島の3県におけるau携帯電話サービスエリアについて、福島原発の制限エリアは除き震災前とほぼ同等の品質に復旧した。壊滅的な影響を受けた沿岸部については現在も立ち入りできないところもあるが、面でカバーしているという。

 また、KDDIでは震災を受け、大規模災害発生時の早期エリア復旧に向けた設備対策を強化する。設備強化は以下の通り。

・移動電源車と非常用発電機を現在の55台から130台体制に
・非常用無線エントランス設備を現在の40区間分から60区間分に追加配備
・衛星エントランス搭載車載基地局15台から20台に増強
・衛星/無線エントランスを搭載できるキット型過般基地局を新規27台配備

 さらに、2012年度末までに約2000の携帯基地局において、24時間以上稼動するバッテリーを配備していく。

 このほか、検討中の対策として、スマートフォンでの災害用伝言板の使い勝手改善、災害時のメール疎通強化、音声ファイル型メッセージサービス、緊急速報メール対応機種拡大などを挙げている。

 なお、NTTドコモでは、3月28日時点で震災によってサービスを中断している基地局を307局と案内していた。このうち現在301局については応急復旧しており、残りの6局は、立ち入りが困難なエリアや無人エリアになる。こうしたエリアについても行政と連携して街作りの復興にあたる方針だ。なお、こうした地域の復旧時期については9月末頃としている。

 ソフトバンクモバイルでは、4月28日の発表において、臨時基地局等の対策によって、エリアカバーについては震災前と同等の状態になったと案内している。また、甚大な被害を受けた203局のうち、4月28日時点では99局が復旧、15局が電力会社の工事待ちとのこと。ソフトバンクモバイルでは、「28日のリリースで基本的に全て対応済み。なるべく早く復旧できるよう進めていく」と話している。

 




(津田 啓夢)

2011/7/1 18:50