「サイボウズ Office 9」発表、スマホ向け新アプリも配信


「サイボウズ Office 9」とスマートフォン向けアプリ「サイボウズ KUNAI」

 サイボウズは、「サイボウズ Office」シリーズの最新版「サイボウズ Office 9」を発売した。また、グループウェアの情報にアクセスできるスマートフォン向けのアプリ「サイボウズ KUNAI」の最新版が、無料で提供が開始されている。

 スマートフォン向けアプリは、従来はグループウェアの情報にアクセスできる「KUNAI」と、スケジュール機能のみを利用できた「KUNAI Lite」が提供されていたが、今回のバージョンアップにより、ワークフロー、メッセージ、アドレス帳といった機能を利用できる「KUNAI」に一本化され、UIをリニューアルし、無料で提供が開始された。ワークフロー、アドレス帳およびダウンロード一覧機能については、提供開始時はiPhone版のみが対応する。

 「KUNAI」のオプションサービスとして、端末を紛失した際などに遠隔操作でデータを消去できる「MDM(Mobile Device Manager)パック」が提供される。MDMパックは、ファイアウォールの設定を変更せずに利用でき、遠隔データ消去や端末の管理、ユーザーの管理が行える。利用料は5ユーザー版で4万8000円~。

 企業向けグループウェアの最新版「サイボウズ Office 9」は、「サイボウズ デヂエ」のデータベース機能を「カスタムアプリ」機能として統合し、刷新。グループウェアの基本機能であるスケジュール管理と、業務の進行やタスク管理といったデータベースを融合させることで、ワークフローのように業務の進捗管理を、共有スケジュールと連動させて利用することが可能になっている。

 「サイボウズ Office 9」ではこのほか、これまで追加オプションで提供されていたワークフロー、プロジェクト、報告書、ケータイライセンスが、基本となるスタンダードライセンスに包括される。その上で価格は従来より値下げされ、10ユーザーで6万3800円~。「カスタムアプリ」の作成数に制限のないプレミアム版は、10ユーザーで8万2800円~。

 

データベースを内包し、「“グループウェア超え”を果たした」

サイボウズ 代表取締役社長の青野慶久氏

 3日には都内で記者向けに発表会が行われた。サイボウズ 代表取締役社長の青野慶久氏は、同社の「サイボウズ リモートサービス」、スマートフォン向けアプリ、サイボウズ Officeの3つを1社で提供することをアピールし、リモートサービスでは他社のWebシステムにもアクセスできるようにした強化点を挙げた。リモートサービスではまた、在宅やインターンなど、就業形態に応じて柔軟に設定できるクライアント証明書の発行システムも紹介された。

 モバイル向けサービスでは「KUNAI」を統合・強化した点について、タッチ操作でさまざまな操作が行える様子がデモを交えて紹介され、「これからはグループウェアにスマートフォンは標準だろう思いたい」と、引き続き無料で提供する方針を示した。


「サイボウズ リモートサービス」は機能を拡張、価格は据え置きとしたスマートフォン向けアプリは「KUNAI」に一本化し、無料で提供

 

 内容が刷新された「サイボウズ Office 9」については、多くのユーザーの仕事のパターンが「コミュニケーション」(情報系)と「仕事・データベース」(基幹系)に分断されていると指摘。「データベースは、コミュニケーションに内包、包含されるべきである。サイボウズ Officeのバージョンアップで、構造を全く変えた」とし、データベースを活用しながら業務のタスク管理を行い、スケジュール機能が連動していく様をデモを交えて紹介した。

 青野氏は、「今までのグループウェアは情報を共有するツールだったが、今回でタスクを共有するツールになった。これからは、プレイングマネージャーによって業務を管理できる。これによって、(サイボウズは)“グループウェア超え”を果たした」とデータベース機能を内包したことによる進化をアピール。「なにが大きく変わったか。それは働き方。仕事の一覧があって、みんなで見ながら仕事をしていく。どれぐらい便利かお伝えするのは難しいが、仕事のスタイルはこのように変わっていく」とワークスタイルに変革をもたらす製品になっていると自信を見せた。

「サイボウズ Office 9」は、「サイボウズ デヂエ」で提供されてきたデータベース機能を統合し、内容を刷新した業務の進捗管理とスケジュールが連動する「サイボウズ Office 9」の画面

 

 なお、同社は3カ月連続で新製品を発表すると案内しており、今回はその第1弾。第2弾は11月で、「サイボウズ Office 9」のクラウド版を発表する予定。価格が先行して明らかにされ、スタンダード版ライセンスが1ユーザーあたり月額500円、プレミアム版が1ユーザーにつき月額800円、期間限定の割引価格で月額650円と案内されている。

 

プレゼンテーション

 

会場の展示

 

(太田 亮三)

2011/10/3 16:29