ドコモ、iモード端末とスマートフォンのUIに新機能


スマートフォン用の新ウィジェット「パーソナルエリア」

 NTTドコモは、2011年冬~2012年春モデルで、iモード端末・スマートフォンのユーザーインターフェイス(UI)で新機能を導入する。

パーソナルエリアの導入

 これまでドコモでは、各社から提供されるスマートフォンで共通するUI「Palette(パレット) UI」の導入を進めてきた。Androidスマートフォンでは、利用頻度の高いアプリはホーム画面にショートカットを置き、メインメニューはアイコンが羅列されるだけ、という形になりがちだが、ドコモの「Palette UI」はそうしたホーム画面の使い方に加えて、メインメニューでも“基本機能”や“最近使ったアプリ”などのカテゴリーを設けて、そこにアプリを分類していく、といった使い方ができる。

 今回、スマートフォン向けUIの改善では、新たに「パーソナルエリア」というウィジェットがホーム画面に設置できるようになった。このウィジェットでは、ユーザーの名前や電話番号などをまとめ、ドコモポイントなどを確認できる。フィーチャーフォン(従来型の携帯電話)における「メニュー」→「0ボタン」で参照できる情報をスマートフォンに取り入れ、さらに拡充した機能、という位置づけになる。同ウィジェットで扱うユーザーの氏名などの情報は“名刺”として扱われ、別のアプリを使って、他のユーザーと交換することもできる。

 「パーソナルエリア」は、「Palette UI」というホームアプリにおいて、特殊なウィジェットという扱いになる。これは、通常のホーム画面では必ず発話キーやブラウザ、メールなどのアイコン(ドックと呼ばれる)が表示されるのに対し、「パーソナルエリア」が置かれた画面でドックは表示されず、さらに「パーソナルエリア」は下方向へスクロールできる。通常のウィジェットとは違った使い勝手にして、ユーザーの情報を扱う特別な場所、という形になる。

 名刺交換アプリは、通信経由で他のユーザーと情報を交換する。交換する際には、自分と相手が、名刺を交換するモードになる必要がある。名刺交換自体は赤外線やWi-Fi、Bluetoothといった近距離通信技術ではなく、パケット通信経由で行われる。通常、離れた場所や人などとの通信に使われる携帯電話のパケット通信だが、そばにいる名刺交換相手を特定するため、基地局情報が活用される。iPhoneにおける「Bump」というアプリに近い使い勝手だが、振動だけで起動する「Bump」に比べ、こちらは互いに名刺交換状態にする、という操作が必要になる。また、赤外線通信などと比べると、一度に複数の相手へ手軽に送信できることも特徴という。

ドコモのスマートフォンに導入されてきたPalette UIスマートフォン用の新ウィジェット「パーソナルエリア」

スマートフォン向けPalette UI

名刺交換

 

spモードメールアプリのデコメ絵文字強化

 Android 2.2以上のスマートフォンで、11月提供予定のspモードメールアプリであれば、新たに「デコメ絵文字pop」「デコメピクチャpop」という機能が利用できる。ただしL-04Cは非対応。

 この機能は、通常、文中に配置されるデコメ絵文字、デコメピクチャが、メール画面全体を動き回るというもの。メール作成画面に表示される対応絵文字には、動画の再生マークのような三角形が記されており、1つ入れるだけでも、画面全体を動くクマなどのコンテンツが利用できる。またコンテンツによっては、2つの2文字が連動するような動作をすることもあり、そうした“ペア”になっている絵文字は、メール作成時の絵文字候補一覧で、他の絵文字とは別枠で表示される。

 

フィーチャーフォンにも新機能

 一方、フィーチャーフォンであるiモード端末でも、「Palette UI」の概念が導入され、ある程度異なる操作感はありつつも、スマートフォンと間で、ユーザー体験の共通化が図られる。

 「Palette UI」のコンセプト導入に伴う新機能として「MyFACE」が導入される。iモード端末では、これまで左右キーでリダイヤル画面、着信履歴画面に切り替えるようになっていたが、今回からは、スマートフォンのように待受画面を左右に切り替えられるようになる。その左右への切り替えで表示される画面の1つが「MyFACE」で、ショッピングやニュースなどの無料情報が表示される。この情報はバックグラウンドで定期的に更新され、テレビのチャンネル切替のように楽しめる。最大12画面まで追加可能で、プリセットのMyFACEは新しい情報などを紹介する「日々雑記」となる。「日々雑記」は利用料・通信料ともに無料だが、ユーザーが追加した「MyFACE」コンテンツはおおむね無料で、コンテンツプロバイダによっては有料のものを用意する可能性もある。また通信料がかかる。

 さらに、方向決定キーの下を押すと、利用頻度が高い機能のショートカットアイコン一覧が表示され、スマートフォン風の使い方を実現している。この一覧には、ダウンロードしたiアプリを追加することもできる。方向決定キーの使い方は、従来から大幅に変更されることになるが、左右キーは設定を変更して従来通りの使い勝手にできる。

MyFACEの「日々雑記」コンテンツを案内するMyFACE navi

 

iモード向けPalette UI、MyFACE

 

しゃべって検索

 音声認識機能を使った「しゃべって検索」がiモード端末向けに提供される。「市ヶ谷」「東京」と駅名を続けて喋るだけで乗り換え経路を検索できたり、周辺情報検索、天気情報検索、地図検索などに利用できる。

 2011年冬~2012年春モデルのiモード端末で利用できる。利用料は無料だがパケット通信料はかかる。

 

 

 




(関口 聖)

2011/10/18 12:29