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スマホ拡充に通話定額、山田社長は“新世代”をアピール


 NTTドコモは18日、2011年冬〜2011年春モデルの発表会を開催した。新機種群に加えて、新サービスや新料金なども案内された。プレゼンテーションは同社代表取締役社長の山田隆持氏から行われた。

 

スマートフォン普及に向けた取り組み

ドコモ山田氏
CMキャラの堀北真希と渡辺謙も登場した

 かねてよりスマートフォンのラインナップを拡充してきたドコモだが、今回の新機種のうち音声端末22機種中、14機種がスマートフォンと、半数以上を占めることになった。まだフィーチャーフォン(従来型の携帯電話)ユーザーのほうが多数を占める状況ながら、ITリテラシーが高い層だけではなく、より幅広い層にスマートフォンが利用されることに向け、今回の発表会では、端末ラインナップやサービスで新たな取り組みが披露された。

 端末ラインナップでは、これまでのシリーズが一新され、スマートフォンが「NEXT」「with」と区分されることになった。このうちNEXTシリーズが先進性を追求したモデルとなる一方、withシリーズはファッション誌とのコラボモデルが用意されるなど、ユーザーのライフスタイルにあわせたモデルが並ぶ。これまでも女性を意識したモデルは用意されてきたが、シリーズを一新して、そうした姿勢を強化した。

 スマートフォンの“一般化”に向け、これまでiモード端末で導入されてきたサービスや機能もスマートフォン向けに提供される。それが「dメニュー」や「dマーケット」、あるいは来年3月提供という「iコンシェル」の対応だ。ウイルスなどスマートフォンのセキュリティを脅かす事例が増加しつつある中、山田氏は囲み取材で「dメニューで提供するコンテンツは、ドコモでしっかり拝見してダメなやつは載せない」と述べ、セキュリティにも一役買うとした。またdメニューによる収入は、これまでのiモードと同程度(約300億円)を上回るレベルを目指す。

 また今回のスマートフォンは、全て緊急速報配信サービスの「エリアメール」に対応する。これにより、緊急地震速報や国・自治体の避難情報などが利用できる。LTE方式対応の「Xi」対応スマートフォンでは、ETWS(Earthquake and Tsunami Warning System)方式で配信され、FOMAよりも若干スピーディに配信される。

端末ラインナップの分類を一新 dメニュー、dマーケットを導入

 

「Xi」向けの料金プラン、さらにエリア整備を前倒し

 スマートフォンの普及に向けた施策を手がける一方、新世代の高速通信規格「LTE方式」を採用したサービス「Xi」では、データ通信端末、タブレット端末に続き、ついに音声通話対応のスマートフォンが初めて発表された。

 通信量(トラフィック)の増加を招くスマートフォンの普及に対策をしなければ、携帯電話事業者のサービスは繋がりにくくなったり、速度が遅くなったりする。ドコモでは今後3年間で、トラフィックが12倍に膨張する、と予測しているとのことで、そのうち半分は700MHz帯か900MHz帯の新たな割当を前提に、Xiでカバーする。残り半分はWi-Fiやフェムトセル、小ゾーン化、6セクタ化(1つの基地局が6つのカバーを分割してカバーする手法)などで対応する。ちなみに2.5GHz帯のBWA(広域高速データ通信サービス)について、KDDIはWiMAX、ソフトバンクモバイルはAXGPの活用を見込むが、山田氏は「その分はWi-FiやLTEフェムトセルなどでカバーできる」としている。

 トラフィック分散の大きな部分を担う「Xi」対応端末が普及すれば、トラフィックを分散でき、高速性や低遅延といったLTE方式の特徴を活かす新サービスの導入も図られる。こうした状況を背景に、今回は、新たに「Xi」対応の料金プラン、そしてエリア整備計画の前倒しが行われることが発表された。

 料金プランについて、山田氏は、ユーザーから「音声通話に関する要望を多く受けている。Xiで新たな料金体系をぜひ作っていきたいと考えている。Xiの商品力を高めたい。その上で、1480円でドコモユーザー間のかけ放題を提供したい。そうした利便性向上に加えて、他社のことも意識していないわけではないが、ただ料金競争の真っ直中へ突っ込むものではない。減収は数十億円程度」と説明し、自社ユーザーの利便性向上を中心に据えた施策と説明する。また今回の音声定額は、回線交換によるもので、「今後の技術でVoIP(通信による音声通話、Voice over IP)は出てくると思う。VoIPが出てくると対抗しなければならないが、今回はきちっと対応できるものではないが『VoIPではなくとも1480円で通話定額できる。110番など緊急通報もできて使い勝手もいい』ということでやっていきたい。VoIPへの対応(対策)も少し頭に入っている」とコメントした。

 山田社長は、新たな料金プランを受け、Xiの契約数は来年度末に500万契約に達するとの見方も示した。そのうち60%程度が通話定額を利用すると予測しているとのこと。この利用傾向が数十億円の減収の要因とした。

 エリア計画について新たな計画では、2011年度末で基地局が約7000局(従来は約5000局)で人口カバー率が25%(同約20%)、2012年度末で基地局が約2万局(同約1万5000局)で人口カバー率が60%(同約40%)、2014年度末で基地局が約5万局(同約3万5000局)で人口カバー率が98%(同約70%)となり、大幅な上方修正となった。

 こうしたエリア整備について、質疑応答で尋ねられた山田氏は「屋内小型基地局は積極的にやっていきたい。またXi対応フェムトセル(宅内用超小型基地局)は開発中で、2012年度に実用化できる。かつてFOMA導入期では、2G(mova)非対応で3G専用となったが、今回のXi端末は3Gにも対応している。さらに通信が混んでいるエリアから集中的に整備したい。FOMAのHSPA方式より3倍の収容効率となり、トラフィック対策としても、Xiの整備をさらなる促進を行ってもいいのかなと思っている。他社と比べ負けているとは思っていない」と説明した。

 ただ、Xiのラインナップが今回、NEXTシリーズになったことについて、囲み取材で問われた山田氏は、「来年のモデルにはXiモデルを半分くらい入れたい」と述べ、2015年度末の契約数は3000万を目指すとした。女性にも受けるようなXi端末は来夏にも提供するとした。

 

端末価格、販売目標について

 スマートフォンの端末価格帯については、3万円前後(割引適用後)になるとして、さらにキャンペーンで5000円引きになる、と説明した。

 9月末までに363万台のスマートフォンを販売し、現在は390万台になったとのことで、質疑応答では、年間の販売目標600万台は上回るとの見方が示された。上方修正については、11月の中間決算で発表するとのこと。ただ、これまでの目標はXi対応スマートフォンの導入を見越したものであったとして、大幅な修正にはならないことを示唆した。

 Xiの契約数についても、正確なところは中間決算で発表するとしながら、下半期で100万台を目指すという。上半期までに40万台販売したとのことで、2011年度末時点で140万という数値を目指す。

 

iPhoneについて

囲み取材に応える山田氏

 ソフトバンクモバイルに続いて、auでもiPhoneが販売されることについて、山田氏は「iPhone 4Sが発売され、話題になっており、しっかりと競合製品を提供したい。今回の新製品を見てもらえればわかると思うが、(CPUの)デュアルコアは、iPhoneは1GHzで、ドコモの製品には1.2GHz駆動が既にあり、今回1.5GHz駆動もある。負けているのではなく、たとえばデュアルコアだけでは先を行っているところがある。Androidはおサイフケータイにも対応する。また端末とは別にXiも用意する。端末とネットワークを揃えており、充分対抗できる」とコメント。

 将来的にラインナップへ追加するかどうか、考えを尋ねられた同氏は「iPhoneを入れるのはやぶさかではないが、基本的に主軸はAndroidだと思っている。そこへiPhoneを入れる環境が整えば入れる。それが実情。(アップルと交渉中か? という問いに)それは言えません」と述べた。

 ただ、iPhone 4Sの発売から4日間で、MNP(携帯電話番号ポータビリティ)の転出は通常の2.5倍になったことも囲み取材で明らかにされた。転出先は、KDDI、ソフトバンクモバイル、どちらも同じ程度とのことで、絶対数としては僅かな数値、としながら、こうした傾向が長期的に続くか、今後も注視するとした。

 アップルとサムスンの係争については、「ドコモがコメントする立場にないが」と前置きしつつ、欧州のGALAXY Tabの販売差し止めの原因はデザインだとして、日本はタブレットの意匠の登録が行われていないとして、欧州と同じ状況にならないとした。技術面での特許係争について詳細はわからないとしつつ、サムスンからは「影響はない」と説明を受けているとした。

 

サムスンの新Android端末、マルチメディア放送対応機種について

 プレゼンテーションで紹介された、19日発表のサムスン製スマートフォンについては、囲み取材でもXiに対応するかどうかを含め、詳細は明らかにされていない。ただし、NEXTシリーズの1つになり、おサイフケータイやワンセグには対応していないとのこと。山田氏は「最先端のグローバルモデルをドコモから提供するということ」とした。

 プレゼンテーションで紹介されたマルチメディア放送対応機種は、5機種追加するスマートフォンのうち1つで、追加されるタブレット1つでもサポートされる。来夏のモデルでも5機種ほど投入されるという。

 




(関口 聖)

2011/10/18 18:50